ホーム  >> 政策・仕事  >> 河川トップ  >> 審議会等  >> 社整審  >> 河川分科会  >> 小委員会  >> 基本方針

河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第62回河川整備基本方針検討小委員会

平成19年3月7日


出席者(敬称略)
委員長  近 藤   徹
委   員  石 島   操

楠 田 哲 也
越 澤   明
佐 藤   準
澤 本 正 樹
谷 田 一 三
辻 本 哲 郎
浜 田 康 敬
福 岡 捷 二
虫 明 功 臣
森   誠 一
三 村 申 吾
増 田 寛 也
石 井 隆 一
古 田   肇


1.開      会

(事務局)  ただいまより第62回社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催いたします。
 本日の進行を務めさせていただきます事務局○○でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、お手元に配付しております資料のご確認をお願いいたします。
 まず議事次第、それから名簿、配席図がございます。
 それから、資料目次がございます。
 資料1、補足説明資料。
 資料2 河川整備基本方針(案)の骨子、これは馬淵川水系と庄川水系の2つございます。
 資料3、工事実施基本計画と河川整備基本方針(案)。これはちょっと目次が間違っておりまして、荒川、揖保川と書いてございますが、これは馬淵川と庄川の間違いでございます。訂正をよろしくお願いいたします。
 参考資料1、流域及び河川の概要。これも2水系ございます。
 参考資料2、管内図でございます。こちらも2水系ございます。
 参考資料3、流域図でございます。こちらも2水系ございます。
 参考資料4、特徴と課題、これも2水系ございます。
 参考資料5、河川整備基本方針の基本高水等に関する資料(案)でございます。こちらも2水系ございます。
 参考資料6、流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する資料(案)でございます。こちらも2水系ございます。
 参考資料7、土砂管理等に関する資料(案)、こちらも2水系でございます。
 資料に不備がございましたらお申しつけください。よろしいでしょうか。
 それでは、本日はAグループでございます。○○委員、○○委員、○○委員、○○委員はご都合によりご欠席されております。
 また、傍聴の皆様におかれましては傍聴のみとなっております。審議の進行に支障を与える行為があった場合には、退室いただく場合がございます。議事の進行にご協力願います。
 それでは、○○委員長、よろしくお願いいたします。

2.議      事

(委員長)  ○○でございます。本日は、委員の皆様にはご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、議事に入ります。
 前回は馬淵川等3水系の特徴と課題につきまして審議いただきました。今回は前回の審議を踏まえて、馬淵川と庄川水系の河川整備基本方針の本文案について審議をいただきたいと思います。
 それでは、事務局より前回の質問等の補足についてお願いいたします。
(事務局)  事務局を担当しております事務局○○でございます。委員長からお話がございました2月23日の第61回の小委員会では、3水系のご審議をいただきましたけれども、そのうち川内川につきましていただきましたご意見、現在データの整理等を進めておりますけれども、少し時間を要しておりまして、次回以降にご審議をいただきたいというふうに思ってございます。
 それでは、お許しをいただきまして着席をして補足説明資料の説明に入らせていただきます。資料−1のほうをご準備いただければと思います。
 まず1ページ目でございます。災害危険区域の指定状況についてということでございます。○○委員から災害危険区域はいい方法なのに、それほど普及していないじゃないか、具体的にどのような制度なのか説明してほしいというご指摘がございました。また、○○委員のほうからも実例を整理して示してほしいというお話がございました。こちらのほうに資料を準備させていただきました。
 災害危険区域でございますけれども、これは地方公共団体が建築基準法第39条の規定に基づき指定するものとされてございます。1にありますように、地方公共団体は条例で津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができるという規定がございます。2つ目に、災害危険地域内における住居の用に供する建築物の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは条例で定めるというふうにされてございまして、区域の指定、それから条例、これがセットで行われるということでございます。
 それから、治水事業におきましては、災害危険区域の指定等を条件としまして、輪中堤の整備、宅地嵩上げ、こういったものを行います土地利用一体型の水防災事業というのを現在実施してございます。
 災害危険区域でございますけれども、これまでに全国で1万7,800カ所が指定されてございますが、そのうち出水に関するものは比較的少のうございまして、全体で29カ所ということになってございます。
 その例でございますけれども、まず左側の上のほうでございますが、災害危険区域(高潮)の指定例ということで、名古屋市の例でございますけれども、ご承知のとおり伊勢湾台風で大きな被害を受けた名古屋市でございますが、昭和35年に災害危険区域の指定をしてございます。
 ここにありますように1種区域から4種区域までございますけれども、右側に小さな表がございますけれども、1階の床の高さの規制とか構造制限、こういったものが設けられております。第1種区域につきましては、1階の床の高さを4メーター以上にしなさいとか、木造は禁止するというような制限がついてございます。2種地域につきましては、1階の床の高さを1メーター以上にしなさいとか、2階以上に居室を設置しなさいというような条件がつけられてございまして、こういった条例によりましていろいろ制限が加えられているというような実例がございます。
 それから、市区町村による出水関連の災害危険区域の指定状況ということでございます。左の下に表が準備してございますが、平成16年3月末で11カ所の指定ということになってございます。ここにございますように北海道の札幌市、青森県の2市1町、それから岩手県、福島県、三重県、島根県、こういったところで実例がございます。
 このうち、一番上の札幌市の厚別川というのが書いてございますけれども、これは内水による浸水、これを想定いたしまして災害危険区域の指定をしてございます。それから、岩手県の一関市と三重県の紀宝町でございますけれども、これは支川が本川と合流する際に支川側に水門が設けられておりまして、本川水が高くなりますと、その水門を閉めます。それが長時間にわたりますと浸水してしまうというようなことで指定されているところでございます。
 このほかのところは、本川からの水による浸水の常襲地域で、輪中堤だとか宅地嵩上げの対象の区域というようなことになってございます。
 右側のほうにまいりまして、土地利用一体型の水防災事業でございますけれども、これは熊野川水系の相野谷川という川の例でございます。先ほど左にありました紀宝町というところが対象になってございます。熊野川は三重県と和歌山県の県境を流れておりまして、熊野灘に注ぐ川でございますけれども、ここの左支川に相野谷川というのがございます。ここが先ほど言いましたように合流点のところに鮒田水門というのがございまして、熊野川は大変大きな流域を持つ川でございますので、洪水の継続時間も長いということで、この水門を閉めますと、この相野谷川のほうが水が出まして浸水してしまうというようなことで、この地域を災害危険区域として紀宝町が指定してございます。そこでは、右の箱の中にございますように「床上浸水被害等を解消するために新たな住家等が立地しないよう災害危険区域の指定等必要な措置が講じられることを条件として」とありますが、今申しましたように紀宝町でそういう条件が整ってございまして、輪中堤の整備だとか宅地の嵩上げ、こういったものを治水事業で実施してございます。
 整理いたしますと、右の下に箱がございますけれども、災害危険区域制度は、先ほどから申しましたように私権に制限を与えている制度でございます。災害危険区域の指定に当たりましては、地域の水害に対する危険度を適切に判断できる情報を入手することが不可欠でございまして、現時点では河川管理者が浸水想定区域や浸水深の情報を提供してございます。それから、河川管理者からよりきめ細かな情報を発信することによりまして、地域住民のう皆様方に水害に対する危険度、こういったものを適切に判断していただく、そういうことを行いますとともに、災害危険区域の指定等によりまして、水害に遭いにくい住まい方、こういったものを誘導していくことが必要だというふうに考えてございます。
 災害危険区域につきましては、以上、ご説明させていただきました。
 次に、具体の川ごとのご指摘に対する補足でございます。
 まず2ページでございますが、馬淵川河口部の堆砂状況についてということでございます。○○委員から川から海に出たところに沈砂池をつくったような形になっているのだ、非常に変わった形なのだという認識をちゃんとしておくべきだというお話がございました。また、○○委員から河口部の海に出たところの状況をちゃんと把握して検証しておくべきだというご指摘もございました。で、河口部の堆砂状況ということでございます。
 馬淵川の河口部では土砂がT.P.−1.0〜−2.0m程度の堆砂傾向で、土砂の堆積は沖側に進行しているというようなことでございます。写真を見ていただきますと、左の上が河口部の全景でございますけれども、中央防波堤、北防波堤、東防波堤、第2中央防波堤、こういうふうにかなりたくさんの防波堤でがちがちに囲まれた河口部というふうに言えます。南の変遷は左側の下にございますけれども、前にも申し上げましたとおり馬淵川は新井田川と合流しておりましたのを、放水路を設けまして直接海に流れ出すように変えてございますけれども、現在の状況はその下にありますような状況に大きく変化してございます。
 河口部の堆砂状況でございますけれども、馬淵川の河口から東防波堤までの間は砂だまりの様相、干潟状とございますが、砂州みたいなものが形成されているのがその写真からもわかりますけれども、こういうような状況になってございます。
 経年変化は右側のほうに資料を載せてございますが、縦断図というのがございますけれども、八太郎大橋というのが河口から少し沖側に出たところでございますけれども、その辺の堆砂状況を見ていただきますと、どんどん沖側に堆積土砂が進行しているというのがわかるかと思います。黄緑色の線が、これは河口部は平成10年の測量でございますけれども、それが平成14年にはかなり沖に出ているというような状況でございます。
 右下の横断図(−1.0q)というのを見ていただきますと、平成10年の測量では、この黄緑色の線だったのが、平成14年の測量ではこんなに上がってしまっているというようなことでございます。
 今後の取り組みといたしましては、港湾部局ではこの堆砂によりまして泊地が埋没してしまうとか、いろいろ問題が出てき始めておりますので、河口のもうちょっと先のところに潜堤を平成13年から15年にかけましてまず施工してございます。また、それにあわせまして、平成16年から維持浚渫も実施しているということで、こういった土砂の流れ込みによりまして出ておる影響につきまして、港湾部局で対応されているということでございます。
 こういうような対症療法的なことではいかんということだと思うんですけれども、維持浚渫によらない抜本的な対策というのを検討しようということで、現在八戸港整備技術検討委員会というのが設置されまして検討が進められております。
 いずれにしましても、河川サイドはいまのところ、河川の流下能力上の支障にもなってございませんし、大きな問題はございませんけれども、抜本的な対策が行われるということであれば、河口部にもまたいろんな影響が出てくるというふうに考えられますので、引き続き注目していきたいと考えてございます。
 1枚めくっていただきまして、馬淵川下流部の河道形状についてということでございます。○○委員のほうから馬淵川は既に川をかなり痛めているんだ、ここの絵のようにズドンと掘るのがいいのかというご指摘がございました。それを踏まえましての河道形状のご説明でございます。
 基本的には、河床の安定及び既設構造物の機能等に配慮しまして、現状の低水路を保持したまま掘削していこうという考え方でございます。かなり高水敷の利用が進んでございまして、都市公園になっておりましたり、水辺の楽校として整備されておったりというようなことでございまして、そういったところは極力保全するという考え方でございます。できるだけ高水敷の平水位以上を掘削するという考え方でございます。さらには、こういう掘削に当たりましては、委員からもご指摘ございましたので、自然環境や河道の安定性等への影響をモニタリングして、必要に応じて計画にフィードバックしながら実施していこうというふうに考えてございます。
 掘削の状況でございますけれども、一番上が河口部付近でございます。ちょっと見にくくて恐縮ですが、一応距離標が入っておりまして、1q、2q、3qというのが一番上の図でございます。2つ目の図が4q、5q、6qあたりでございます。一番下がもう少し上流ということになってございますが、こうやって見ますと、右側の横断図もございますけれども、5qから上流ぐらいにかけまして改変が大きくなっていっているという状況でございます。7qから上流8qぐらいまではかなり大規模な掘削が行われるというようなことでございます。右側の横断図で見ていただきまして、上から4つ目、これが7q付近でございますけれども、こんな形で今のところ想定でございます。
 いずれにいたしましても、先ほども申しましたけれども、こういう大規模な掘削になりますので、自然環境や河道の安定性等、そういったものへの影響というのをモニタリングをしながら、いわゆるアダプティブ・マネジメント、順応的管理、こういったような考え方も入れながら改修を進めるべきだというふうに考えてございます。
 次に4ページでございます。ここからは庄川の関連になります。霞堤の機能についてということでございますが、○○委員のほうから、霞堤の本来的な意味を説明し、前回の資料に暫定的な意味が強調し過ぎではないかというご指摘がございまして、氾濫流を戻すという機能を強調し過ぎているというところを、もうちょっとちゃんと説明すべきではないかというご指摘でございました。
 霞堤の定義のようなものをそこに書かせていただいておりますが、堤防の下流端を開放し、さらに下流側の次の堤防の上流端を堤内に延長させ、堤防を重複させるようにつくった不連続な堤防ということでございます。霞堤の形成の過程というのは幾つか考えられますけれども、ここには2つのパターンを書いてございますけれども、急流河川で流路を固定するために上流から順次水制的な役割を持たせて導流するような過程でこういったものができ上がるというのが一つでございます。もう一つが、輪中堤で居住地を守る。その延長線上で堤防を延伸して新田開発を行うだとか、そういったようなことでこういう霞堤が形成されているというような形成過程もあるということで、こんなようなことで霞堤が各地で形成されてきました。
 霞堤の機能でございますけれども、右側に4つ書いてございます。1つ目が洪水調節。これは開口部、あいているところから一時的に出水時に出水を遊水させまして洪水調節効果を発揮するものでございます。特に緩流河川、勾配の緩やかな河川において効果的ということが言えます。これはポケットが大きいということでございます。
 それから、内水排除及び支川排水ということでございますが、開口部に入る支川の排水あるいは内水排除、こういったものを行うためにあけてあるというようなものでございます。これは樋門が不要となりまして、本川の連続性が確保できるというメリットがございます。
 それから、前回ご説明しました氾濫水を河道に戻す機能でございますけれども、破堤の際に氾濫水を本川に戻していく。これは黒部川の昭和44年8月洪水のときの流れを示しございますが、上で氾濫したものが霞堤のところから戻っているというようなことがございます。
 あと、4番でございますが、二線堤としての機能。これは3ともかなり似通った機能かもしれませんけれども、まあ、こういうようなことでございます。
 庄川の場合はかなり急流河川だというご説明をさせていただきました。洪水調節機能という観点で言うと、ポケットが比較的小さいので効果が小さいというようなところもありまして、前回ああいう説明になったということでございます。
 1枚めくっていただきまして、庄川における新川開削部の維持管理についてということでございます。○○委員のほうから新川の開削部において今後の維持管理はどうするのかというご質問がございました。この新川開削部は90年前に開削されたものでございますけれども、水制が出水の際に痛んでいる。今後どうやって維持をしていくのかというお話でございます。基本的に小矢部川から分離したこの区間、新川開削部でございますけれども、木工沈床により低水路を安定させてございますけれども、そこが良好な水際環境ともなっておりますので、今後、巡視・モニタリングを継続し、被災した場合も木工沈床により復旧を図ることを基本とするというふうにさせていただいてございます。
 庄川・小矢部川分離工事の概要ということでございますけれども、これは前回も少しご説明をさせていただきましたけれども、洪水防御と河口における舟運の確保を目的としまして、もともと小矢部川に流れ込んでおりました庄川を分離させてございます。この際に、高水敷に木工沈床を施工して流路を確保するというようなやり方をしてございます。
 その下に、水制、木工沈床、これの構造ということを書いてございますが、右側の写真の施工中というところにクレーンでつってある状況が見えますけれども、これが木工沈床でございます。こういったものを洪水時期にたくさん並べていくというような施工の仕方になってございます。
 もう一度左側のほうに戻っていただきまして、堤防と木工沈床は80度の角度で上流に向けて設置してあるということで、洪水時の流れを河道の中央に向ける、堤防のほうに行かないようにするというような考え方で設置されてございます。水制工の天端の高さは低水位程度で、この木工沈床といいますか、水制自体は元付、幹部、頭部からなっているということでございますけれども、頭部と幹部は木工沈床、元付のところは粗朶沈床上に石張りというような構造になっているということでございます。
 現状でございます。右側のほうにまいりますけれども、水際部が長い年月をかけまして少しずつ変化して、内部の詰石が捨石的な役割を果たしているというようなことだそうで、それが河岸を防護していますとともに、多様な水際環境を形成してございまして、魚類だとか、植物だとか、そういったものには良好な環境になっているというようなことでございます。
 これまで大きな被災は発生してございませんけれども、平成16年の出水、これがかなり大きな出水でございましたけれども、一部被災をしてございます。それが右の下のところにございますけれども、河口から2.2q付近の200mの間で河岸の一部が欠損というようなことでございました。これの復旧に当たりましては、木工沈床3段を縦断方向、上下流方向に200m設置して復旧しているというようなことで、基本的には昔用いました工法を使って復旧を行ったということでございます。
 いずれにいたしましても、ここの新川開削部の維持管理につきましては、右の下のところに記載させていただきましたけれども、巡視・モニタリングはしっかりやって、被災した場合も、今後はこういう木工沈床による復旧を基本とするというふうに考えてございます。
 1枚めくっていただきまして6ページでございます。庄川における河川水と地下水の関係についてということでございますが、○○委員のほうから扇状地の湧水は周囲との関係をしっかり見ておくことが必要だというご指摘がございました。
 データをここで整理させていただきましたけれども、左側の庄川扇状地における地下水の変動とございますが、大きく言いますと、扇頂部、扇端部、ここでは地下水の変動は小さいという傾向でございます。扇央部におきましては、かんがい期に地下水が高い傾向を示しているというようなことでございます。
 地下水の変化量というのを図で示しておりますが、4月から5月にかけましてかなり地下水が上昇してございます。これは代掻きに伴う水田からの地下浸透、これが大きく影響しているというようなことでございます。5月→7月も一部上がっているところと下がっているところとございます。7月から9月にかけましては、全般的に地下水が低下傾向というようなことになってございます。
 それを裏打ちするのが左の下のグラフでございますけれども、扇央部というところを見ていただきますと、4月から5月にかけまして地下水は上昇してございます。それから、8月以降、10月ぐらいにかけましては下がってきているというようなことで、上の図で示したような傾向が見られてございます。
 地下水の経年変化でございますけれども、右側のところにグラフがございますけれども、平成10年1月からずっと経年変化をここに示してございますけれども、基本的にはかんがい期、ですから5月ぐらいにずっと水位が上昇し、それがある程度維持されて、秋口から下がっていくというような基本的なパターンにどうもなっているようでございます。
 こういうような状況から、右下に庄川扇状地の水収支ということでございますけれども、扇状地の地下水の状況でございますが、庄川からの伏没は5.4m3/s、水田からのかんがい水涵養、水田からの涵養が27.1m3/s、降水等が3.7m3/sというようなことで推計されてございます。
 以前に大井川だとか黒部川でもお示しをいたしましたけれども、あのときと傾向としては非常に似てございまして、川からの地下水への供給はございますけれども、圧倒的に水田からの涵養というのは卓越しているというような状況でございました。
 次に7ページのほうにまいります。発電による減水区間等における清流回復の取り組みということでございます。○○委員のほうから維持流量が放流されていない区間は今後どうするのかというご質問がございました。また、○○委員のほうから死んだ川をよみがえらせるためにガイドライン放流をより積極的に取り組むべきではないかというご指摘もございました。
 これにつきましてでございますが、水力発電は、○○委員からはいつもクリーンエネルギーとしての利点があるというご指摘がございますけれども、その反面、河川水のほとんどを取水場合もあり、河川環境に対する影響が大きいというふうに言えます。発電事業者の協力のもとに、いわゆる発電ガイドラインに基づきまして河川に水を戻す取り組みを昭和63年から実施してきてございます。こういう取り組みはガイドライン対象区間外でも発電事業者のご発意によりまして、地元と調整していただいて、そういった取り組みが行われているということでございます。
 まず、発電ガイドラインの説明でございます。左の上でございますけれども、発電事業者の協力のもとに、水利権の許可更新時に、取水口の下流において一定の河川流量を確保するために、発電用ダムの貯留や発電用水の取水に対して制限条件を設定するというような考え方でございます。昭和63年からやってございますが、該当する発電所は、流域変更により水系以外に分水するというものがまず対象でございます。それから、減水区間の延長が10q以上、かつ、そこにあります3つの条件、これに該当するものということで、3つの条件は、集水面積が200km2以上、減水区間の全部または一部が自然公園法の区域に指定されている。3つ目が減水区間の沿川が観光地または集落として相当程度利用されていると、こういうようなところで、発電事業者のご協力のもとに水を流すというようなことをやっております。
 流下させる水量でございますけれども、発電取水口等における集水面積100km2当たりおおむね0.1m3/sから0.3m3/s程度としておりますけれども、実際、運用におきましては個別の河川の状況に応じた検討を行った上で水を供給しているというようなことでございます。
 清流回復の進捗状況でございますけれども、全国の1級水系を見ますと、左側のグラフでございますけれども、発電ガイドラインの該当発電所では、着々とそういった手当てが進んでございまして、80%以上は対応済みということになってございます。左の下にございますが、箇所で86%、延長で81%、こういったところで対応がなされているというようなことでございます。
 減水区間総延長に対しましてどのくらい清流が回復しているのかというのが、その右側でございますけれども、52%の区間でこういう清流の回復というのが行われてございます。それから、ガイドラインに該当しないところでもかなり頑張っていただいてございまして、トータルでは67%の減水区間の清流が回復されているということでございます。
 これが全国のことでございまして、庄川におきましては、右側のほうに整理をしてございます。右側のところの下のほうにございますけれども、庄川水系の総延長が357.6qでございますが、このうち減水区間あるいは湛水区間でないところが174qということで、約半分、49%でございます。それから、○○委員からもご指摘がありました湛水区間が79.1qということで22%でございます。発電の減水区間は104.3qでございまして、全体の29%でございますけれども、このうち清流の回復区間が56.6qというようなことでございます。
 右側のほうを見ていただきますと、減水区間の総延長104.3qに対しましてどこまで手当てができているかというのがございます。清流の回復の総延長は56.6qということでございまして、上に数字が書いてございますが、ちょっと間違いがございましてご訂正いただきたいのですけれども、減水区間総延長に対する発電ガイドラインによる清流回復延長の割合は約45%ということでございます。30を45に修正していただければと思います。それから、発電ガイドライン非該当であって、地元調整等により発電事業者が運用として放流を行っているもの等を含めると、約46と書いてございますが、これは54の誤りでございます。半分はもう超えているというようなことでございます。
 いずれにいたしましても、こうやって一つ一つの努力の積み重ねで減水区間においても清流回復の取り組みを引き続き実施していきたいというふうに考えてございます。
 以上、庄川と馬淵川の補足説明でございました。
(委員長)  ありがとうございました。
 ただいまの説明についてお伺いしたいと思いますが、まず1ページは○○委員。
(委員)  ありがとうございます。災害危険区域についての状況はよくわかりました。ただ、ここで気になったことが2点あります。災害危険区域指定はこれだけのいい制度なのに、土地利用一体型水防災事業はやってもいいと思われるところが多くあったにもかかわらず、現在のところは29カ所しか実施されていない。これが多いのか少ないのかということはよくわかりませんが、私は少ないように思うんです。
 それで、なぜ少ないのか。もちろん私権を制約するということはあるんですけれども、名古屋の伊勢湾台風の適用例によって地域が安全になっているということを考えるといい制度だなと思っているんですが、それを進める助成制度のようなものがあるんだろうか。住まい方の制約を受ける中で、インセンティブを与えるようなものが出てこないのかなというのが1点目です。
 2点目は、河川管理者が浸水深と浸水想定区域の情報を与えるということなんですが、、ここに書いておかなきゃいけないなと思うのは、こういうところは勾配がきついところが多い。内水のところは別ですけれども、浸水心の他に流速が相当重要な情報になると思いました。そういうものもあわせて情報として出しているとは思いますが、ぜひ今後ともこの制度を充実化することをお願いしたいと思います。
 以上です。
(委員長)  ○○委員のほうからもありましたら、どうぞ。
(委員)  ○○委員が前半で言われたことも僕は同感なんですが、これはおそらく地方公共団体がもちろん決心するわけですけれども、おそらく河川管理者がかなり進めるというか、誘導しているということはやっぱりこういうところで表明しておいたほうがいいような気がします。つまり都市計画とか地域計画が、計画上危険なところをみずから指定して何かするということをなかなかやらないもんだから、河川管理者がリードしているということは、ちゃんと表明しておいたほうがいいように感じております。
 どうもありがとうございました。また、個々に私は興味がありますので、聞きたいことがたくさんありますので、また教えてください。
(委員長)  ここで私権制限と書いてありますけれども、一般的に私権制限というのは、相当憲法違反をやっているように思えるんですけれども、これはその土地に内在したもともとの条件を明らかにしただけであって、制限されたことによってその人が不利になるのかと考えると、もともと浸水に遭いやすいところにあまり住宅を建てるなという親切心の制度ですね。一般に私権制限というと、何か世のため、人のためにおまえが犠牲になれというふうに考えがちですけれども、それとは違う性格のものとして、法の理念としては区別しておいたほうがいいのではないかというのが私の意見です。
 それで、○○委員の意見にちょっと上乗せすれば、本川のバックウォーターだとか、洪水の流速だとか、そういう技術的事項を全部市町村長さんがわかって、議会に諮って条例をつくりなさいというのは大変条件的に大変厳しいのではないか。河川管理者が責任を持っていろんな情報を提示して、決める場合に市町村長さんの意見あるいは議会の意見を十分聞いて決めるというほうが制度としては合理的なのではないかという私見でございますが、各先生もそういう思いだったと思います。一つの意見として聞いていただきたいと思います。
 それでは、2ページへまいります。馬淵川の河口堰の問題ですが、これも○○委員からでしょうか、○○委員のほうからでございましょうか。
(委員)  私はこういう変な川であるということをご認識いただきたいということで、大変わかりやすい説明だったというふうに思います。非常にはっきりわかりやすくなったんだけれども、これを基本方針の中に書くのか書かないのか、その辺はちょっとよくわかりませんけれども、この中の議論だけの知識にしないで、次へつなげられるような形にしていただきたいと思います。
 以上でございます。
(委員長)  ○○委員。
(委員)  ありがとうございます。2ページの右の真ん中付近の図を見ますと、やはり土砂がたまって、1qぐらい河道が延びています。流下能力の支障になっていないということですけれども、河道の掘削を行う計画とあわせて考えたときには、こういった堆砂がどの程度河川の水位上昇に効いているのか、ここで少し掘削する深さを緩和できるなら、その方向での検討されるのもよいのではないかと思います。
 河道から海まで含めてこういう図を描いて、河川から来た土砂は海まで流れ下るのか、浚渫するのは航路維持のためもありますけれども、河道と河口を一体的に考えて河口問題をとらえることが必要だなということがこの資料でよくわかりました。ありがとうございました。
(委員長)  次に3ページですが、これも○○委員ですね。
(委員)  馬淵川は八戸という大都市を控えていますが氾濫予想図を見ると、深いところは数mの浸水深になるようなところです。堤防がしっかりしていないと大変な問題を引き起こしかねない川の一つだと思います。
 一律に30m高水敷があればいいんだとだけ言わないで、できるだけこの河道の財産を今後のために残す方向、もっと洪水流量が増えるかもわからないので河道改修を小さくすることは大事になるなと思います。
 そういう意味では、上流部とか中流部での対策とのあわせ技で、この下流も含めて上下流バランス問題をどうするべきかを、今後の中でゆっくりと考えていただきたいなと思います。
 以上です。
(委員長)  次に4ページ、これも○○委員です。
(委員)  これは霞堤について非常にいい説明図をつくっていただきました。霞堤の機能はいろいろとあるということですが、急流河川の河道がこういった形でつくられてきて、現在の霞堤を有する河道があるんだということの説明がよくわかります。いつも霞堤があるんですという真実だけが語られるのですが、霞堤の形成過程がこうやって説明できれば、本来そういう特性を持っている川なんだということで、霞堤が必要だということになるはずですね。こうやって川を絞り込んできたんだけれども、洪水に対応するために、霞堤を残しているんだということ。これをそこに住んでいる方々に理解していただく上で大変重要な図であると思います。一番最初の真ん中付近の図と2つ目の図の輪中堤との関係というのは、ああ、こういうのもあるだろうなと思います。
 治水対策として土地利用を考えるべきと簡単に私なんか言うんですが、これがまさに川は土地利用との関係である、土地利用を高度化するためにやってきたんだが、危険を内在しているということを示しております。この図はぜひこれから上手に使っていただきたいですし、私もこれを授業等で使わせてもらいたいと思います。ありがとうございました。
(委員長)  5ページも○○委員です。
(委員)  これはわかりました。私の心配は、90年もったから、今からさらにもつんだというようにならないように、守り方維持管理を考えていかなきゃならないですねということであります。北陸では木工沈床のような方式を伝統的にやられてきており、環境も含めて大変いい方法だと思います。決して河道が安全ということではなく、ここには旧河道もあることですから、ここが切れると必ず高岡市が大被害を受けます。古くなればなるほどいろいろな問題が出てくると思いますので、ここのところの守り方を慎重にお願いしたいということであります。
 以上です。
(委員長)  6ページは○○委員ですね。
(委員)  私がこれを質問したのは、たしか地元の○○委員が河道の中に湧水があると。それが例えば融雪のための用水なんかによって影響を受けているのではないかというようなことがきっかけでご質問しました。そういう意味じゃ、おそらく河川内の湧水と地下水との関係というのは、必ずしもまだちゃんとわからないということだと思いますけれども、ただ、ここで年間を通せば、一番最後の、むしろ地下水は涵養しているというんだけれども、むしろ地元の方々のご心配は、ある時期には流域から湧水として出てきている。その関係を私はちょっと知りたかったんですが、おそらくそこまでは詳細な地下水データがないんだろうと思います。そういう観点からも少し今後調べていただければということです。
 どうもありがとうございました。
(委員長)  7ページは○○委員ですね。
(委員)  ありがとうございます。前回の資料と見比べているんですけれども、支流を含めた情報もきっちり入れていただいて、前回少々強い言い方をさせていただいたのに、よく対応していただいたと思います。ただ、もう一言申し上げさせていただくと、私、この発電のガイドライン放流ですが、河川管理者と事業者が二人三脚で10年近く積み上げてきた、これはすごく大きな環境改善事業だと思うんですけれども、意外に国民に知られていない。そういうところでもう少しPRしていただいて、おそらくこれは10年目の資料を見せていただいたときよりパーセンテージが上がっていますので、これからどんどん回復していくと思いますので、こういう事業のPRをもう少し頑張っていただきたいという感じがいたします。まだまだ生物屋として不満は多少残りますが、方向性としては十分理解できます。ありがとうございました。
(委員長)  それでは、そのほかの委員も今の件についてはご質問あると思いますが、本文案の審議の後でまとめてご意見がありましたら承りたいと思います。
 では、続きまして、馬淵川と庄川水系の河川整備基本方針の本文案について事務局より説明をお願いいたします。
(事務局)  本文案の説明の前に、今の補足で、ちょっと資料を準備していない事項が2点ほどありますので、ちょっと補足をさせていただきたいと思います。
 ○○委員のほうから庄川の河床材料について下流で大きく変化している。ボーリングによりしっかり把握しておくべきというご指摘がございました。それにつきましては、県道橋の橋脚の基礎の設計のためのボーリングデータというのを県のほうから入手いたしまして、かなり深くまで粒径が小さいということは河口から2.6qの地点では把握できてございますけれども、今後、堤防の点検を今一斉にやってございますので、そういった中でより詳細に地質構造の把握を行っていきたいというふうに思ってございます。
 それから、○○委員から庄川のようにダムの多い川でも砂利採取をやめると河床が安定化している。今後の健全な土砂管理を考えていく上で、ダムの影響、砂利採取の影響などをどうとらえていくのか、しっかり勉強してほしいというご指摘がございました。
 確かに幾つかの川でこれまでご説明してきておりますけれども、砂利採取の影響がかなり大きく効いているというのが実態だと思います。今後、各水系の基本方針を検討していく際に、総合土砂管理という観点でそういう点についても注目していきたいと思っておりますので、またよろしくご指導いただければというふうに思います。
 ちょっと補足をさせていただきまして、これから本文案につきましてご説明をさせていただきたいと思います。資料3−1、3−2をご準備いただきたいと思います。こちらのほうで説明をさせていただきます。
 資料3−1、馬淵川でございます。めくっていただきまして、1ページが河川の総合的な保全と利用に関する基本方針、(1)で、流域及び河川の概要でございます。
 1ページの下から4行目でございますけれども、流域の地形は、西方を奥羽山脈、南方を北上高地の山々に囲まれ、本川の上・中流部は1/170〜1/580の急勾配であるが、下流の平地部においては1/2,100程度と急に緩やかになるという河川の特徴でございます。
 めくっていただきまして3ページでございますけれども、中ほどから治水対策の歴史について記載をしてございます。馬淵川は昭和初期まで河口付近で右曲し、支川の新井田川と合流していたため、洪水のたびに氾濫を繰り返してきた。このため、馬淵川の治水工事は古くから行われてきたというようなことで、過去の経緯を記載してございます。
 下から3行目でございますけれども、馬淵川水系の治水事業は、下流部の八戸市街地等を洪水から防御することを目的として、昭和10年に計画高水流量を、馬淵川1,500m3/s、支川新井田川500m3/sとする計画を策定したということでございます。
 次のページにまいりまして、昭和14年には河口付近の高度利用と洪水の安全な流下を図るため、新たに放水路を開削し、馬淵川と支川新井田川を完全分離する計画に変更したということでございます。放水路の開削は昭和15年に着手し、昭和30年に全面完成したというふうに書いてございます。
 それから、昭和22年8月洪水にかんがみまして昭和23年に計画高水流量を改定してございます。その後、昭和42年に1級河川の指定を受けまして、櫛引橋から河口までの間の10qが直轄管理区間となりまして、翌昭和43年2月にこれまでの計画を踏襲した工事基本計画が策定されてございます。その後、流域の社会的、経済的発展にかんがみまして平成3年にさらに計画を見直した改定を行ってございます。
 最近では、下から4行目でございますが、平成14年7月、平成16年9月洪水で浸水被害が発生するなど、いまだ治水対策が課題となっているというふうに記載してございます。
 次の5ページでございますけれども、中ほどでございます。河川水の利用につきましては、古くから主として農業用水に利用されているが、大正初期に発電での利用が始まってからは発電での利用率が大きくなっている。近年では、八戸市の経済・産業の発展に伴い、水道・工業用水などの都市用水での利用がなされているとしてございます。
 また、水質につきましては、そのすぐ後でございますが、高度成長期から昭和50年代にかけましては、産業の発展、都市化の進展に伴い環境基準値を超えていましたが、最近はほぼ環境基準値を満足しているという状況でございます。
 次の6ページが河川の総合的な保全と利用に関する基本方針でございます。
 1枚めくっていただきまして7ページでございます。アの災害の発生の防止又は軽減でございますが、一番最初に河道や沿川の状況等を踏まえ、それぞれの地域特性に合った治水対策を講じることにより、水系全体としてバランスよく治水安全度を向上させるという基本的な考え方を述べてございます。
 それから、7ページの下から5行目からでございますが、青岩橋から櫛引橋までの中流部においては、当該区間の持つ遊水機能を生かした洪水調節により河道への負担を軽減させるとともに、治水対策を早期かつ効果的に進めるため、河道や沿川の状況、氾濫形態等を踏まえ、住民との合意形成を図りつつ、連続堤の整備だけでなく、輪中堤や宅地の嵩上げ等の対策を実施すると記載してございます。ここは先ほどご紹介いたしました災害危険区域の指定をしております南部町のところの件でございます。
 それから、櫛引橋から下流部の河道の整備に当たっては、自然環境に配慮するとともに、八戸市中心部における水辺空間をできる限り維持するよう努める。また、掘削に当たっては自然環境や河道の安定性等への影響をモニタリングしながら実施する。ここは先ほど○○委員からもご指摘のあった点でモニタリングをしながらアダプティブ・マネジメント的考え方でやろうという考え方でございます。
 めくっていただきまして9ページでございます。イの河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持でございますけれども、流水の正常な機能の維持に関しては、広域的かつ合理的な水利用の促進を図るなど、今後とも関係機関と連携して必要な流量の確保に努めるというような記述でございます。後ほどまたご説明します。
 次が、ウの河川環境の整備と保全でございますけれども、4行目でございますが、流域の自然的、社会的状況を踏まえ、空間管理をはじめとした河川環境管理の目標を定め、良好な河川環境の整備と保全に努めるとともに、河川工事等により河川環境に影響を与える場合には、代償措置等によりできるだけ影響の回避・低減に努め、良好な河川環境の維持を図るという基本的な考え方でございます。
 次の10ページでございますけれども、2行目から、下流部においては多様な汽水魚や海水魚が生息する良好な河川環境を維持するとともに、回遊魚のみならず底生魚等の移動環境にも配慮するということで、馬淵大堰の魚道の改良の件をここに書いてございます。また、渡り鳥の中継地ともなっている河口域の砂州については、極力保全に努めるということを記載させていただいてございます。
 めくっていただきまして12ページでございます。河川の整備の基本となるべき事項でございます。(1)の基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項でございますが、基本高水は、そのピーク流量を基準地点大橋において3,500m3/sとし、このうち流域内の洪水調節施設により300m3/sを調節して、河道への配分流量を3,200m3/sとするというふうに記載してございます。基本高水のピーク流量につきましては、工実の際の3,500m3/sから変化がございませんけれども、河道への配分流量、前回もご説明いたしましたけれども、堤防を保全する観点で高水敷をどのくらい取るべきかというところを見直しまして、河道への配分流量を500m3/s増やしまして3,200m3/sということにさせていただいております。
 次のページが主要な地点における計画高水流量に関する事項ということで、流量配分図でございます。
 14ページは主要な地点における計画高水及び計画横断形に係る川幅に関する事項でございます。
 15ページでございますけれども、主要な地点における流水の正常を機能を維持するため必要な流量に関する事項でございますけれども、剣吉地点における過去30年間の平均低水流量は約25.6m3/s、平均渇水流量は約18.6m3/s、10年に1回程度の規模の渇水流量は12.6m3/sというふうに記載してございます。従来10年に1回程度の規模の渇水流量は、もう少し前のほうに記載してございましたけれども、こちらのほうがわかりやすいだろうということでこちらに移させていただきました。
 それから、剣吉地点における流水の正常な機能を維持するために必要な流量はおおむね16m3/sとし、もって流水の適正な管理、円滑な水利使用、河川環境の保全等に資するものとするというようなことにしてございまして、10分の1渇水流量との差が3.4m3/s程度ございますけれども、その確保が今のところまだ確実ではないということもございまして、先ほどご説明した確保に努めるという表現にさせていただいたのと関係させてございます。
 以上が馬淵川でございました。
 次に資料3−2でございます。庄川のほうにまいります。
 2ページでございますけれども、庄川が平野部に出るのは砺波市の青島付近で、ここを頂点とする広大な扇状地が広がる。河床勾配は河口部の感潮区間でほぼ水平であるが、下流部で約1/200、中・上流部では1/30〜1/180と我が国屈指の急流河川であるという特徴を述べてございます。
 めくっていただきまして、3ページに治水の歴史を記載してございます。「庄川の治水事業の歴史は古く」というふうに書いてございますが、1600年代に柳瀬普請と呼ばれる水防工事や松川除と言われる築堤工事が行われております。近代の本格的な治水事業といたしましては、明治16年から内務省の直轄工事で行われてございます。
 その中で、明治33年に河川法適用河川に認定され、洪水防御と河口における舟運の確保を目的として、河口から二塚村までの区間において川幅の拡幅と小矢部川との分離工事を実施し、先ほども出ておりました高水敷に木工沈床を設置し、大正元年に竣工しているということでございます。竣工以来90年を経過した現在においても低水路幅は安定しているというふうに記載させていただいております。
 昭和に入りまして、下から5行目でございますが、昭和9年7月に大きな洪水が出まして、計画高水流量を4,500m3/sとし、昭和15年から再び国の直轄事業で実施してございます。昭和18年から34年にかけましては天井川の区間においてタワーエキスカベーターと呼ばれる機械によりまして大規模な河床掘削を実施し、天井川の解消を図ってございます。
 昭和41年には1級河川の指定を受けまして、さらに62年の3月に流域の社会的、経済的発展にかんがみまして、雄神地点における基本高水のピーク流量を6,500m3/sとし、このうち利賀ダム等の洪水調節施設により700m3/sを調節し、計画高水流量を5,800m3/sとする計画に改定してございます。近年では、平成16年10月の台風23号による洪水の際に大門地点において、観測史上最大の流量を記録しております。この際に、先ほどもお話のありました水制工が一部被災したということでございます。
 河川水の利用でございますけれども、発電用水としての利用が盛んで、昭和5年に建設された小牧発電所をはじめとする28カ所の発電所で総最大出力約100万kwの発電が行われているということでございます。
 水質につきましては、水系内の環境基準点すべてにおいて環境基準値を満足してございます。
 次に7ページでございますけれども、災害の発生の防止又は軽減というところでございます。堤防の拡築及び河道掘削等により河積を拡大させるとともに、流域内の洪水調節施設により洪水調節を行い、計画規模の洪水を安全に流下させるというのが基本的な考え方としてございます。特にこの川は急流河川でございますので、5行目のところから、急流河川特有の流水の強大なエネルギーにより引き起こされる侵食や洗掘等により発生する洪水氾濫を防ぐため、水衝部には護岸、水制等を整備する。また、堤防が砂礫で構成されている箇所については、堤防漏水等に対応するため、漏水対策や堤防強化を図り、洪水を安全に流下させる。さらに、河道掘削による河積の確保や護岸、水制等の整備に当たっては、河道の安定維持、河川環境の保全等に配慮するとともに、洪水時の河床変動等を監視・把握しながら、計画的に実施するというふうに記載させていただきました。
 それから、8ページでございますけれども、4行目に、氾濫被害の軽減効果を有する霞堤については、その適切な維持・保全に努めるというようなことで記載させていただいてございます。
 次に、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持でございますけれども、ここでは、新たな補給施設を整備するということでございまして、広域的かつ合理的な水利用の促進を図るということとあわせまして、今後とも関係機関と連携して必要な流量を確保するという表現にしてございます。
 ウの河川環境の整備と保全でございますけれども、先ほど馬淵川でご説明したのと同じ表現で基本的考え方を述べてございます。
 1枚めくっていただきまして5行目でございますが、動植物の生息地、生育地の保全については、砂州が卓越する河川としての特徴を踏まえて、多様な動植物の生息、生育環境の保全に努めるとともに、重要な水産資源となっているアユ等の産卵場になっている早瀬、平瀬が連続した環境やレキ床の保全に努める。また、○○委員からもご指摘がございましたイチモンジタナゴ、トミヨ等の生息場所になっている河道内の池やワンドなど湧水箇所の周辺環境の保全に努めるというふうに記載をさせていただいてございます。
 11ページにまいりまして、河川の整備の基本となるべき事項でございます。基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項でございますが、基本高水は、そのピーク流量を基準地点雄神に置いて6,500m3/sとし、このうち流域内の洪水調節施設により700m3/sを調節して、河道への配分流量を5,800m3/sとするということでございます。
 これにつきましては、工実のときの基本高水のピーク流量、それから、河道への配分流量と基本的に変えてはございません。
 12ページが流量配分図でございます。
 13ページが主要な地点における計画高水及び計画横断形に係る川幅に関する事項でございます。
 14ページでございますが、主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項でございます。ここに先ほども馬淵川でご説明しましたとおり10年に1回程度の規模の渇水流量を記載させていただいてございます。庄川用水合口ダム地点(取水後)における流水の正常な機能を維持するため、必要な流量はおおむね8.4m3/sとするということで、ここでは確保の確実性というのがございますので、こういう記載にしてございます。
 以上、馬淵川と庄川の基本方針(案)についてご説明をさせていただきました。
(委員長)  ありがとうございました。
 それでは、まず地元の河川状況に詳しい委員として、馬淵川から○○委員、ご意見をお願いします。
(委員)  事前にもずっと読んできました。大略よくできているかなと思います。1点だけちょっと気になるのは、この用紙で言うと、10ページの上から4行目、「河口域の砂州については極力保全に努める」という記述になっていますけれども、きょうの資料でもおわかりかと思いますが、河口0から−1qの間が今浅くなって干潟あるいは砂州、そういう地形が出ていますけれども、かなりテンポラリーな地形だと思います。おそらく20年もすると大分位置が変わったりしてくると思うので、極力保全に努めるというような何か固定した概念で書いてしまうと、かえってまずいんじゃないかなと思います。書きたい趣旨はよく分かるんですけれども、もう少し柔軟的にいろいろできるような記述の仕方、例えば適切に管理するとか、そういうような記述のほうがいいんじゃないかなという気がいたします。
 以上でございます。
(委員長)  それでは、庄川のほうから○○委員、お願いいたします。
(委員)  前回ちょっと都合がつかなくて欠席して失礼いたしました。前回議論が出ましたように、多分庄川は下流の付け替えの話、それから中流の扇状地区間の話、それから、もう少し上流のダムが連続する区間と、その3つの特徴を持っていて、それぞれに問題を抱えている。下流はその付け替え区間が全く今までの川の基盤とは違うところに川をつくっているということでの安全性が、あるいは環境の問題も含めてきちっと確保できるか、それから扇状地は急流河川の問題と急流河川固有の霞堤にかかわる問題、それから伏流、伏没にかかわる維持流量の確保という問題があって、それから上流のダムのほうは、問題になったのは、ガイドラインで答えられましたけれども、いわゆる環境上の問題というふうな3つの視点をうまく今回ご説明いただいたんですけれども、それが基本方針の中にさてどんなふうに書き込まれているのかというふうなことになりますと、まず概要の中で、そういう川の特徴がうまく書き込まれているかというと、やはり直轄部分に非常に着目されて、急流河川の部分、いわゆる勾配で非常に急流河川ですよということだけにどうも終始されているようで、上流はダムが連続する区間であるとか、あるいは下流にもともと川のない、海岸地形の基盤に川をつくったというところの説明が若干不足しているような気がいたしました。
 例えば2ページの2段落目が突出しているようなところですけれども、少し後ろに、この後に治水事業で何をやったかを書くために、分離工事があるために、そういう話が見えてくるわけですけれども、これは前にも、やっぱり概要の中で川の特徴をずっと見るときに、下流にそういう区間があることなどが書かれていたほうがいいのかなということで、少しご配慮いただきたいなという気がいたしました。
 それから、1ページ目の一番最後の2行が意味がよくわからないんです。「小牧発電所をはじめとする水力発電など、様々な水利用が行われており、本水系の治水・利水・環境についての意義は極めて大きい」、この文章は何か取ってつけたみたいで、上下との脈絡があまりないなという気がいたしました。ほんとうに治水・利水・環境についての意義がどんなふうに深いのかが書いてなくて、発電所だけが並んでいるというようなことになっていますので、この2行はちょっと工夫してください。
 それから、工事の中で確かに松川除、それから分離が書かれているんですけれども、先ほど霞堤をせっかく話をするのに、中流部をどんなふうに川をこしらえてきたかということが全然書かれてなくて、ここにもやはり霞堤がいつごろから工夫されて川を扇状地の中で固定してきたかということが全体の話の中で必要だろうという気がいたしております。
 それから、議論されたわりには少し、霞堤については「氾濫被害の軽減効果を有する霞堤については」と書いているんですけれども、やっぱり思い切って、この間から書かれたような氾濫の拡散を、超過洪水なんですね、これは結局、霞堤で普通の部分の治水をやろうとしているわけではないわけですから、万が一のときの氾濫の拡散機能というもののために保全するというふうな書き方のほうがいいんじゃないかなと私は感じました。
 もう一つ一番最後のところの、庄川の合口のところで工夫されていることと正常流量の関係ですね。8.35m3/sの合口での維持流量としての確保流量を決めているところの話と、今後どうするのかの話が、このままでは理解しにくいなと。すなわち、正常流量のところの第1段落で、同ダムへの流入量の範囲内において8.35m3/sの放流が規定されているというのはどういうことなのかがよくわからないですね。規定されているのに、どうして維持流量8.4m3/sと決めたときに、なお現在渇水が6.9m3/sで不足するんだということが、この文章から見えないので、少し何をどういうふうに問題となっているのか。すなわち8.35m3/sの確保流量のために水利権の中で融通し合っている部分が不足していますね、それはどこかで補給しないといけませんね、補給するとシステムがうまくいきますねというふうな話を少し説明してやったほうがわかりやすいのかなという気がいたしましたので、そこも少し説明を追加されたほうがわかりやすいかなという気がいたしました。
 以上でございます。
(委員長)  案文については提案していただいて、最終の取りまとめのときにお願いしたいと思います。
(委員)  じゃ、ちょっとやりとりさせていただきます。
(委員長)  はい。
 それでは、河川工学のほうから○○委員、お願いいたします。
(委員)  環境のところの記述のところで、大分前に「代償措置等によりできるだけ回避に努め」というところを入れていただいたんですが、きょうの全般のお話を伺っていまして改めて見直したんですけれども、文言が「河川工事等により環境に影響を与える場合には代償措置によりできるだけ回避・低減に努め」ということになっていまして、これは今後の工事等に対しては適用するということで、今もうちょっと既にやってしまったことで、少し代償措置をとったほうがいいものに対しては、これは適用はしがたい条項になっているように思うんです。ですから、「影響を与え、及び与えている場合には」という、ちょっと過去までさかのぼっていただく表現にしていただけませんでしょうか。
(委員長)  じゃ、また案文を提案していただいて、どの程度厳しいのか、案文を見ながらまた調整いたしましょうか。
 それでは、○○委員、庄川のほうはよろしゅうございますか。
(委員)  はい。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いします。
(委員)  馬淵川ですが、新たに加わった文章との関係で意見を述べます。6ページの維持管理に関して、「維持管理にかかる計画を定め、実施体制の充実を図る」、こう書かれたわけです。その書き方を見て、馬淵川にふさわしい書き方だなと思ったのは、内水のところです。8ページの真ん中付近、「なお、内水排除のための施設については、排水先の河川の出水状況等を把握して……調整を図りつつ」、これは維持管理にかかわる計画を定め、実施体制の充実を図るとともに、こういうことをしっかりやるという意味を表現されています。馬淵川のような内水問題で苦しんでいるところにはふさわしい表現であるなと思って感心して読みました。
 同じように考えたときに、庄川の場合には、扇状地河川のために内水問題がきっと軽いのかなと。といいますのは、馬淵川と書き方を比べたときに、庄川は7ページの下から数行のところに「内水被害の恐れの高い地域においては、関係機関と連携」、これはいつもの書き方なんです。私は維持管理については、その地域の実状に合わせて、計画を定め、実施体制の充実を図るという馬淵川に近い書き方のほうが内水問題についてはいいんじゃないかなと思って見ておりました。
 以上です。
(委員長)  ちょっと緊迫度との関係もあるでしょうから調整いたしましょうかね。
(委員)  そうですね。緊迫度が違うと思います。
(事務局)  ちょっと補足をさせていただきますと、庄川の場合、扇状地の川で氾濫すると拡散型になっているとご説明させていただきましたけれども、内水ポンプが今設置されているという状況ではないもんですから、書き方がこういうところになっているわけでございます。また調整をさせていただきたいと思います。
(委員)  一番下流の左岸はどうですか。
(事務局)  ないということです。高岡のところでございますけれども。
(委員長)  一応一般論として書いたけれども、あまり必要性は現状ではないということですね。ちょっとその辺をあわせたもので調整してください。
(事務局)  現状をしっかり見て調整させていただきたいと思います。
(委員長)  ○○委員、馬淵川のほうはよろしゅうございますか。
(委員)  結構でございます。
(委員長)  じゃ、○○委員、お願いします。
(委員)  馬淵川も庄川もそうなんですが、6ページの下から2段目のパラグラフで、「治水・利水・環境にわたる健全な水循環・物質循環系」と、こういう表現をとられたのはここから始まったのか、ちょっとそのあたりが気になっています。つまり、6省庁なんかで調整したのは、健全な水循環系という話だった。ところが、私、最近、そのときは水循環というのは、水循環に伴う物質循環、土砂輸送とか栄養塩類の輸送も含んでいたという概念だったんだけれども、当時に比べて、まさに環境とか生態系が非常に重要になってきたから、物質循環をむしろ前へ出すべきだと思っているんです。ということで、実は総合科学技術会議の今まで「水循環領域」があったんですが、「水・物質循環系と流域圏」という表現になりました。水・物質循環系という表現が僕はいいと思っています。この水循環・物質循環系となると、それぞれが何か独立の系のようになるので、この話は最近いろいろなところでやっていて、下水道分野でも健全な水循環と言わずに、むしろ水・物質循環という表現にしたらどうですかということを言っている手前、もし統一できるなら、ここも水・物質循環系とされたほうがいいと思うんです。
 ただ、お伺いしたいのは、大分前からこういう表現をされているんですか、僕は気がつかなかったんですが、いつから物質循環が入ったか。いいことだと思うんですが。
(事務局)  私の記憶では、荒川、それから揖保川、太田川のご議論をいただいたときに物質循環というのを入れているところと入れてないところがありまして、ご指摘を受けまして統一をすることにさせていただきました。先生ご指摘のとおりで、栄養塩類だとか、土砂も含めまして、物質循環というのは非常に重要だという認識は我々も持ってございます。表現の仕方については、ちょっとその辺は調整をさせていただきたいと思います。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  よろしくお願いいたします。2点、両方ともの河川に共通することで意見を述べさせていただきたいと思います。
 庄川のほうで、例えば8ページの一番下のウの河川環境の整備と保全、同じように馬淵川のほうもあるわけでありますが、前々から私が申し上げていることでもあるんですけれども、この最初の文言「河川環境の整備と保全に関しては、庄川とその流域の人々との関わり」という形で、同じように馬淵川のほうも述べられているわけでありますけれども、ここはもう少し工夫いただければなと。例えば庄川に関してどういった川であるかということを、先ほど○○委員が言われたことと関係するのではないかと思うんですけれども、環境の議論の中で河川の特徴をぜひ位置づけていただくような文言を入れていただきたいというふうに思います。
 ですから、例えば、これは中流域を中心になってしまうのかもしれませんけれども、「砂州あるいは湧水が卓越する庄川と、流域の人々の関わり」が云々というようなことができないか。馬淵川のほうに関しては私はあまり存じ上げないので、イメージがちょっとつかみにくいんですけれども、そういった文言、いわばその川の売りとなる表現が必要なのではないかというふうに一つ思いました。
 それと同じ文の中で、これは先ほど○○委員が言われたことでありますけれども、「河川工事等により河川環境に影響を与える場合には、代償措置等」をということであります。この「影響を与えている」ということも、先ほどの委員が言われたこともあるんですけれども、もう一点、河川工事等により河川環境に影響を与える場合、すなわち、それは既に悪化している場合が一般的に多いわけですが、むしろその河川工事にちょうどタイミングよく、それを機会に適切あるいは積極的な復元・回復をするようなことを考慮することができないか、場合によっては代償措置というようなものを最初から考えるという工夫をしていただければなというふうに思いました。
 ですから、環境改善というものが河川工事等という契機によって、悪化していた河川環境をより復元に導くというチャンスであるという位置づけがあってもいいのではないかなというふうに思いました。
 それと、庄川に関しては、これも最後の環境の立場からぜひぜひということでこういった文言を入れていただいてありがたいと思いましたのは、「河道内の池あるいはワンド、湧水箇所の周辺環境の保全に努める」ということです。これは庄川は環境面に関して非常に卓越した保全すべき環境でありますので、こうした文言を入れていただいたことは非常にありがたいというふうに思っております。
 以上であります。
(委員長)  またご提言の案文がありましたらご提案願いたいと思います。
 それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  今○○委員におっしゃっていただいた議論を引き継ぎますと、馬淵川のほうなんですが、環境に関するところ、9ページから10ページぐらいにわたって動植物の生息地、生育地云々というところがあるんですが、イントロといいますか、現状については、ターゲットとなるような生物がわりと適正にリストアップされています。しかし、庄川は湧水性の魚類をターゲット生物として将来も保全しましょうというはっきりとした姿勢があるのに対して、馬淵川はいろんな魚とか、具体性がちょっと欠けているような気がします。ターゲットになるような、フラッグになるような生物がいないかというと、決してそんなことないですね。蕪島のウミネコというようなターゲットもございますので、ぜひここはもう少し生き物の生き生きとした姿が見えるような文言に変えていただきたいという感じがします。具体的には少し私も考えさせていただきたいと思います。
 それから、これはちょっと私の専門外なんですが、これはそれでよろしいかということなんですが、馬淵川の7ページに「当該区間のもつ」、これは青岩橋から櫛引の中流部においては、当該区間のもつ遊水機能を活かした洪水調節」と、これは河道断面が結構あるわけですね、ということを使った遊水機能だと仮に仮定しますと、そこはこれからその周辺開発などによっても河道を今後100年は狭めないということを言明していることになりますね、整備基本方針として。それはよろしいでしょうかということ。これは確認でございます。
 次に庄川のほうなんですが、先ほどの説明では、発電ガイドラインの放流は私は納得したんですが、このガイドライン放流に対応する、これはやっぱり100年の事業だと思うんですが、それが河川環境あるいは利水の問題のところに反映されてないのではないかというのがちょっと残念なんですね。それと逆に、これはダムとか洪水調節、あるいは利水施設はあんまり明言しないというのが基本方針だと思うんですけれども、4ページには堂々と平成5年から利賀ダムの建設に着手していると。それに対応して、8ページでございますが、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持のところに、まず流水正常機能の維持について、新たな補給施設を整備して流水を、これはおそらくダムから補給水を出すということですが、これは今後100年の策として、私は決してベストの策ではないと思います。本来的には広域的かつ合理的な水利用の促進を図り、それでも適正なものがない場合に、緊急避難的にダムを使うのは否定しませんが、それが頭に出てくるのと、それからダムの建設があるというのは、庄川ってほんとうにダムの好きな川だなという気がしています。
 それから、先ほどの環境については、具体的なターゲットを挙げていただいて、その2行で非常に生き生きとした環境目標ができて、私はそれは非常にいいと思います。
 以上です。ちょっと長くなってすみません。
(委員長)  その代表種なんかをご提案いただきたいと思います。
(委員)  はい、後ほど文案も申し上げます。
(委員長)  この補給施設のところは、事務局としてはもう利賀ダムを着工しているから、これはそういうつもりで書いたんでしょうが、この100年の計で、まだ永久にたくさんつくり続けるのかと言われると、いろいろありますから、ちょっと表現を工夫いたしましょうか。
(委員)  治水施設としてでもですか。利水のところで?
(委員長)  利水のところです。
 それから、最初の質問は、そのとおりということだと思います。明言というわけにもいかんでしょうが、理念はそういうことだと思いますね。
(委員)  ちょっとよろしいですか。利水のところで、先ほど私は少し正常流量の話を説明が不足しているというふうな話をしましたけれども、○○委員の話も含めて、その渇水補給がどういうふうな、合理化との関連でうまく書けるようにするのは、私が言った一番最後の正常流量の確保流量ですか、何でしたかね。
(委員長)  それはちょっとまとめて後で事務局に答えてもらいましょう。
(委員)  一緒にしていただけたらということでお願いしたいと思います。
(委員長)  その点は後でまとめて答えてください。
 それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  今回初めて委員として出席させていただきまして、意見ということにはならないと思うんですが、若干質問も兼ねて話をさせていただきたいと思います。
 馬淵川の8ページのほうの災害の発生の防止又は軽減の中段のところに、「土砂や流木については関係機関と連携を図り、治山、治水の一体的整備と管理を行う」、こういうことで連携を入れていただいてありがとうございます。特に最近、流木について大きな問題になっていますので、治水の観点からもぜひ一体的整備をよろしくお願いいたします。
 それで、その観点から庄川の同様の部分を見ますと、そういった表現は入っておらないんですけれども、河川の状況で対策も違ってきますので、それを入れてくださいということではありませんけれども、もしいわゆる状況が違って記載がこういう一方が入っていて、一方が入っていないということなのかどうか教えていただければと思います。
 それから、10ページですけれども、これも私は初めてなので、つまらない質問になって恐縮ですけれども、水質についての記載がありますけれども、これも単なる馬淵川と庄川の比較で教えていただきたいのですけれども、馬淵のほうは水質の監視、保全に努めるということの表現になっていまして、一方、庄川のほうは、そういう表現ではなくて、現状の水質の維持に努める、こういうことなんですけれども、この意味するところは同じなのか、あるいは違うのか、技術的なことで恐縮ですけれども、ほかのところは結びの表現が同じ形になっていて、ここのところが違うものですから、教えていただければと思います。
(委員長)  あとお2人に聞いてから、まとめて答えてください。
 それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  中座しまして申しわけございません。特にございません。
 一つだけ文章でやや気になったのは、2つ共通なんですが、災害の発生の防止又は軽減のところで、以前からあったかもしれませんが、河川空間監視カメラによる監視の実施等により施設管理の、まあ効率化はわかるんですが、高度化がちょっと一般的にちょっとわかりづらいなというのがありまして、全然こだわるわけではありませんが、カメラで高度化なのかなと、ちょっとよくわからなかったという、そのぐらいでございます。
 ありがとうございます。
(委員長)  ○○委員、お願いします。
(委員)  特に基本方針の文章についてはよろしいかと思っております。特に正常流量のところで、10年に1回程度の渇水量も一緒に並べて書くというようなことで、当然いろんな流況が出てくるのが普通の川ですから、そういう中で正常流量はこんな位置にあるということがよくわかってよろしいんじゃないかと思っております。
 ちょっともとに戻ってしまうような話なんですけれども、前回の資料で、今回の参考資料にもついております水没量という例の正常流量を出すときにはめ込んでいる数字なんですけれども、私は前回、ちょっとわからないので勉強してという話をさせていただきましたが、水没量という名称そのものはわりと使っておられるんですかというのが1点と、それから、いわゆる正常流量を算定するときに、そういうような状況があった場合、水没量というようなものを計算に反映するような、今までそういう例があるのかどうかという話が2点目です。
 それから、いわゆる正常流量を考えたときに、例えば水無川という名前がついているような、要はあまり流水がないような期間のある川ですね。そのような川の場合に、一方で魚の水深だとかで計算はできてしまうのだけれども、例えば短期間には一部表流水がなくなってしまうような川の場合の正常流量というのは、どういうようなお考えで整理されるのかということをちょっと教えていただけたらと思っております。
 それから、個人的感想になりますが、参考資料4−2の8ページ、庄川水系ですけれども、ここで右の下に水没量の検証ということで、かんがい期、非かんがい期を通じて一様に水没傾向を示すので水収支に反映するということでございますけれども、低水の部分ではやっぱりかんがい期と非かんがい期が、どうもデータの数字がわからないので正確には判りませんが、若干傾向が違うんだろうなと思います。要するに、右側に倒れるのか、左側に倒れるのかというようなことですが、高水、わりと水量の多いほうまで行くと、一つの線に並ぶように見えるんですけれども、ここら辺はちょっと興味深く感じました。
 それからもう一つ、ここの図の説明で、いわゆる縦軸のところでこれが5.47m3/sと書いてあるんですけれども、多分これは横軸の差じゃないのかなと思っておりますので、ちょっとご検討いただけたらと思います。
 以上です。
(委員長)  正常流量については、このグループでしたか、一度議論して、別のグループでしたか。おっしゃるとおり河川の特性がいろいろあって、従来はダムで補給することが前提で、補給できない川については、今後検討するということでずっと来たんですが、今回の整備基本方針に当たっては、決めていこうという基本スタンスですが、ダムもつくらないで決めていくのはどうかということですが、おっしゃるとおり全部それを生物で決めていく、魚の泳げる水深で全部決めていくというのも異常じゃないかという議論がありましたので、それぞれ書き分けようとなりました。ダムをつくって確保するについては、何m3/sとするという従来どおりの書き方ですが、そうでない川では、1つは当然お魚を確保するという視点もあるだろうし、あるいは取水制限のときの基準流量としての観点、あるいは水利権付与のときの基準の視点、あるいは渇水調整に入るときの基準の視点、そういうものをもろもろ含んで確保に努めるということでした。表現は、利水の調整云々とか、文章をつけたんですね。
(事務局)  ちょっとお待ちください。
(委員長)  それで、しばらく運用しようということで一応前々回ぐらいからそのようにしております。とりわけ富山の川は砂利の中に入ったり出たり、瀬切れしている。ほんとうに決められるのかなというので、一応もろもろの視点から決めたということでございます。運営しながら、皆様の意見を承りながら修正していくということにしたいと思っております。補足することはありますか。
(事務局)  若干補足させていただきますと、庄川と馬淵がそこの表現が書き分けられておりますので、ちょっと見ていただければと思いますけれども、庄川のほうの8ページと馬淵の9ページ、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持のところを見ていただきますと、馬淵のほうは「必要な流量の確保に努める」という書き方にしてございます。それに対しまして、庄川のほうは、「必要な流量を確保する」という書き方にしてございます。これは先ほど○○委員からもございました補給施設、これから新しくダム等を予定してございますので、それにより補給することによって流量を確保することが確実だということがわかっておりますので、「流量を確保する」と庄川のほうは書かせていただきました。それに対しまして馬淵のほうは、それを埋めるための施設というのが今のところ確実でないものですから「確保に努める」という書き方にさせていただいております。
 さらに、馬淵のほうの15ページ、それから庄川のほうの14ページでございます。例えば庄川のほうですと、基準地点、「庄川用水合口ダム地点(取水後)における流水の正常な機能を維持するための必要な流量は概ね8.4m3/sとする」と書かせていただいております。これは確保の見通しがあるからということで書き分けなんですが、もう一方の馬淵川のほうでございますけれども、「剣吉地点における流水の正常な機能を維持するために必要な流量は概ね16m3/sとし」、その後に先ほど委員長からもご指摘がありました「以て流水の適正な管理、円滑な水利使用、河川環境の保全等に資するものとする。」として、ここで定める意義みたいなものをこういう形で書かさせていただいております。
 いろいろご議論のあるところでございますけれども、当面こういう形でやらせていただこうということでお願いをしたところでございます。
 それから、伏没の話でございますけれども、北陸の川、手取川だとか黒部川だとか、常願寺川で、これまでそういった検討を行ってきております。ただ、手取川と常願寺川では明確な伏没というデータが得られなかったものですから、そういう評価は結果的にはできなかったということでございますけれども、黒部川につきましては、庄川と同じように、ある地点とある地点との間の相関を見ますと、明らかに潜って減っているというのは出ておりますので、庄川と同じような形で、その減っている部分の評価というのをやらせていただいております。
 それで、庄川のほうの伏没量、先ほど伏没量の検証のところをご説明しましたけれども、これは1対1の傾きでございますので、先ほどおっしゃいましたように縦軸でも横軸でも同じ5.47トンになりますので、ここのところは問題はないんですけれども、太田橋というところと、中田橋というところの相関をとりますと、明らかにその間で水が減っているということがこの相関の図からわかりましたので、正常流量の設定の際に、それも含めて評価をさせていただいたというようなことでございます。
(委員長)  それから、○○委員が質問しながら席を立たれてしまったんですが、もし追加することがあったらお願いします。
(事務局)  ○○委員のわかりにくいというところは記載の仕方で工夫をしてみたいというふうに思います。確かにご指摘のところはありまして、いろんなことが盛り込まれている関係もありまして、ちょっとわかりにくいところがありますので、少し整理をしたいというふうに思います。
 それから、CCTVというか、テレビカメラで遠隔で見ているのが高度化かというご指摘でございましたけれども、「河川空間監視カメラによる監視の実施等の施設管理の高度化」というところでございますけれども、遠隔操作していろんな方向も見れますし、高感度カメラなども今活用して、夜間でも相当程度見られるようになっているというところもありまして、こんな書き方にさせていただいております。実際に円山川の破堤という平成16年のときには、夜間でございましたけれども、照明もございませんでしたけれども、ある程度破堤した現場は把握できてございましたので、そういったことを表現させていただいております。
 それから、治山・治水の一体的整備というところの記載でございますけれども、片方に書いてあって、片方に書いてないということでございますが、その辺は実情も見ながら記載を検討させていただきたいと思います。
 水質面につきましては、事務局○○のほうから。
(事務局)  ○○委員のほうからご質問いただきました水質のところで、片方は現状の良好な水質の維持に努めるという記述と、片方は監視・保全に努めるという、なぜこうなっているかというのをちょっとご説明させていただきたいと思いますが、前回の資料がお手元にあると思うんですが、参考資料4−1と4−2をごらんいただければと思います。A3の資料でございます。馬淵川が参考資料4−1でございまして、それの6ページをごらんいただきたいと思いますが、馬淵川は水質基準の類型はBとAでございまして、その下にございますけれども、水質が、下流部は昭和50年代までは環境基準を満足していなかったが、最近は環境基準をおおむね満足しており、今後も水質の保全を図るということで書いてございます。庄川につきましては参考資料4−2の同じく7ページでございますけれども、庄川は非常に水質のいい川でございまして、水質の類型がAとAA類型になっております。ただ、ここの水質はすべて全観測地点において基準値を満足しているということもございまして、水質のいい庄川については「良好な水質の維持に努める」という記述、それと過去環境基準を満足していなかった馬淵川については「監視・保全に努める」という書き分けをしているわけでございまして、別に庄川の場合には監視をしないわけではないということで、こういったところを出したということでございます。ご理解いただければと思います。
(委員長)  それでは、○○委員、お願いします。
(委員)  私も流水の正常な機能の維持に関して、さっき議論があったようなことを質問しようと思っていましたが、先ほどのお答えで大変よくわかりました。前回ご質問して、今回初めてこの本文をちゃんと拝見して、画期的だと思います。先ほど○○委員の評判はあまりよくなかったんですけれども、私としては明確に書き分けられて、維持流量の確保のための施設の整備ということが明確に入ってきたというのは、私の記憶では初めてかなと思いまして、やはり維持流量を書くだけではなくて、その確保のための対策をこのようにきちんと書いていただくということが大事だと思いますし、ぜひこうした方向で続けていただきたい。なお、表現の方法等は若干の修正があろうかと思いますけれども、それはお任せしたいと思います。
 それから、一点だけ非常に単純で、前回も質問してわかったような気になっていてわからないのですが、庄川の正常流量のところ、14ページですけれども、確保流量の数字とか、あるいは一番上の流量というのは、庄川用水合口ダムとなっているんですけれども、観測地点は雄神地点ということになるんですね。確かに前回と維持流量の確保ポイントの地点は変わってないんですけれども、なぜ観測地点とこの確保地点が違うのかというのがわからないんです。つまり、確保したかどうかというのを、これから観測するためには、合口ダム地点というところで測定する必要があるということになるんじゃないかと思うんですが、それはどう考えたらいいんでしょうか。非常に単純な質問です。
 以上です。
(委員長)  これは事務局からお答えいただけますか。一応観測地点と、それから、いろいろ水を配分する地点とが必ずしも一致していない、いろんな施設のあるところという事例もあるんでしょうけれども、このケースはどうなんですか。
(事務局)  ちょっとお時間をいただければと思います。
(委員長)  それでは、せっかく県の代理の方がおいでになっておりますので、まず青森県○○委員からお考えをいただきたいと思います。
(委員)  青森県でございますけれども、馬淵川の整備基本方針に対しましては、特段意見はございません。この中で、特に治水に対しまして、上流、中流、下流に分けてかなり具体的な基本方針を書いていただきました。県管理区間のこれから整備を進める上でもよって立つところができたと思っております。ありがとうございました。
 以上でございます。
(委員長)  かなり土地問題を含めて先端的に取り組んでいただいているので、おそらく全国の代表河川になるのではないかと思いますので、両県あわせてひとつ連携をとりながらお願いしたいと思います。
 次に岩手県○○委員、お願いいたします。
(委員)  岩手県は、この馬淵川の河川整備基本方針(案)に賛成いたします。
 以上でございます。
(委員長)  それでは、富山県○○委員、お願いいたします。
(委員)  富山県でございます。前回の小委員会に引き続きまして、庄川の基本方針について、各委員の皆様方には専門的見地から貴重なご意見を賜りましてありがとうございました。富山県といたしましては、今回の案、現在定めております工事実施基本計画と基本的事項に変更がないということでございますので、妥当なものであるというふうに考えております。
 この際少し感想を申し上げますと、今回の案は、現計画に比べまして、河川環境について、さまざまな課題も含め、幅広く配慮されているということ、案文全体の流れを見ますと、ほんとうに配慮していただいているというようなこと、また、河道への配分流量と洪水調節流量は一応変更しないという前提の中で、洪水調節施設について、現在新たに整備しております施設のほかは、既存の施設を有効に活用するということを盛り込んでおられますので、大変時宜を得たものであるというふうに考えております。前回も申し上げましたけれども、基本方針をできるだけ早く定めていただきまして、整備計画を定め、そして着実に対策を実施していただきたいというふうに申し上げまして、富山県の意見といたします。どうかよろしく願いします。
(委員長)  それでは、岐阜県○○委員、お願いします。
(委員)  岐阜県におきましても、庄川水系の河川基本整備方針のこの案につきまして、特に意見はございません。ありがとうございます。
(委員)  簡単な件で一言お願いします。
(委員長)  じゃ、どうぞ。
(委員)  いつも申し上げようと思って忘れるんですけれども、いつも大部の資料をつくっていただきましてありがたいのですが、河川整備基本方針(案)の骨子という資料の2というやつですね。これが出てくるんですけれども、これはほとんどこのごろ資料説明で使われることがないので、資源の節約のために、これを省略することはできないでしょうかというのが私の質問ですが。
(委員長)  省略しましょう。
(事務局)  わかりました。
(委員長)  実はこれは、最初のころに私がご提案申し上げて、各水系をめり張りつけようと。この川はどういう川なんだと。まあ、人間で言えば背が高いとか、顔の色が白いとか、それぞれ3つずつ特徴を挙げて、皆さんでくっきりと審議しましょうというので提案したんですけれども、その後、この天然色のカラーの資料がたくさん出てくるもんですから、存在感がなくなってきたと思いますので、提案者が私ですから、取り消して結構でございます。
 それで、説明をお願いします。
(事務局)  先ほどの基準点の話ですが、参考資料4−2という前回の説明資料でございますが、この8ページのほうに流水の正常な機能を維持するため必要な流量の設定ということで記載してございます。ここの右上の収支の絵を見ていただければわかりますが、庄川用水合口ダム地点というところと、先ほど言いました雄神橋地点の間では出入りがないものですから、基本的な流量は同じでございます。ですから、2地点を書き分けて誤解を生じているところがありますので、ここの記載は統一するような形でやらせていただきたいと思います。どっちの名前に統一するかはちょっと考えさせていただきたいというふうに思います。
(委員長)  では、一応皆様からは特に県の委員さんのほうからは原案でよろしいというご意見をいただきました。それから、各委員からは、いろいろ建設的なご意見がありましたので、場合によっては、また案文を書いて提出していただくことにいたしまして、一応この原案の骨格でよろしいというふうに皆さんの議論は集約したのではないかと思いますが、それで本日のご意見を取りまとめて、私と事務局において馬淵川と庄川水系の河川整備基本方針(案)を取りまとめ、各委員にご確認をいただいた上で、河川分科会に報告したいと思いますが、この件につきまして私にご一任いただければ幸いと存じますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

(委員長)  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 各委員には、本議題につきまして短時間の中で熱心なご審議、ご議論をいただき、また貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。特に審議対象の馬淵川水系の関係委員としてご参加いただきました○○委員、○○委員、庄川水系の関係委員としてご参加いただきました○○委員、○○委員、○○委員におかれましては、今回をもって最後の委員会となります。地域の実情を踏まえた貴重なご助言などをいただきありがとうございました。
 最後に、本日の議事録につきましては、内容について発言者の氏名を除いたものとし、各委員のご確認を得た後、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします。
 本日の議題は以上でございます。ありがとうございました。

3.閉      会

(事務局)  ありがとうございました。
 最後に事務局○○よりごあいさつを申し上げます。
(事務局)  馬淵川と庄内川2本の水系につきまして、熱心に、かつ長時間ご審議を賜りまして、原案をおつくりいただきまして大変ありがとうございます。必要な手続を経て、早急に河川整備計画の策定を進めてまいりたいと思っております。どうもありがとうございました。
(事務局)  それでは、次回の本委員会は、Aグループでございますが、これは後日また改めてご連絡をさせていただきます。
 お手元の資料につきましてはお持ち帰りいただいても結構でございますが、郵送をご希望の方には後日郵送させていただきますので、その場にお残しください。
 それでは、閉会いたします。どうもありがとうございました。

 







Copyright© 2007 MLIT Japan. All Rights Reserved.

国土交通省 〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3

アクセス・地図(代表電話)03-5253-8111