河川維持管理に関しては、近年の水害の多発を受けて治水上の安全確保が強く求められる一方で、厳しい財政状況の下でより一層のコスト縮減の取り組みや地域の実情に即した柔軟な対応等が求められている。このような背景から、「安全・安心が持続可能な河川管理のあり方について(提言)」(平成18年7月)においては、河川維持管理を計画的に進めていく必要があること、そのための技術的な基準の整備が必要であることが提言された。国土交通省河川局では、平成19年4月にこれまでの河川維持管理に係る実施内容の技術的な指針となる河川維持管理指針案を通知し、これに基づいて河川維持管理計画案を作成し試行するよう全国の地方整備局等に通知した。これまでの試行結果等を踏まえ、河川維持管理に関する技術基準の検討を進めてきたところであるが、今般、河川砂防技術基準検討委員会における審議を経て、河川砂防技術基準維持管理編を策定したところである。
河川や河川管理施設の被災箇所とその程度はあらかじめ特定することが困難であり、河川維持管理はそのような制約のもとで、河川や河川管理施設に生じた変状を把握・評価しつつ対策等を実施せざるを得ないという性格を有している。その際、状態把握の結果の分析や評価には確立された手法等がない場合が多い。したがって、河川維持管理の実施に当たっては、学識者等の助言を得られる体制の整備等に努めることとしており、本技術基準にもそれらの経験を踏まえながら柔軟に改正していく。さらに、そのようにして工学的な知見を積み重ね、経験を中心とした技術から工学的な技術を柱とした基準体系への転換に努めていくこととしている。