水害サミットからの発信
災害復旧時の対応

生活支援

支援物資の取り扱いは?

▼受け入れ体制
・支援物資の受け入れ・供給について、責任体制の確保と事務処理の一元化が必要。
・災害状況に応じた支援物資受け入れリストの作成、物資受け入れ場所の確保、物資の保管配置、供給体制の確保等が重要である。
・災害発生時に受け入れ窓口を早期に開設、市の防災ステーションに集中搬入し被災地へ搬送した。
・受け入れを行うかどうかは、避難所生活の長期化及び被害の規模などの状況により判断が必要である。
・発災時から復旧初期にかけて、救援物資の受け入れ対応に奔走したことにより、被災者への配布対応が手薄になってしまった。
・企業からの救援物資と救援作業については、受け入れの際に、有償か無償なのか、また、作業もしてもらえるのか否かをきちんと確認しておくこと。
・好意であっても深夜の物資到着は断ること。深夜作業が続くと、職員の健康面が不安視される。
・送付者には、救援物資の内容物(品物・数量・サイズ等)が分かるように明記してもらうこと。
▼受け入れマニュアル
救援物資の受け入れと配布マニュアルを事前に作成する。特に災害ごと、段階ごと、対象ごと(自治体・民間・個人など)の必要な物資リストを、作成しておくこと。
▼受け入れ台帳
送られてきた物資を台帳により管理した。

受け入れ拠点・保管場所の設定が重要!
  1. 保管場所を市民交流センターにした。大変広く支援物資も受け入れやすく、また各避難所への配布もスムーズに行うことができた。保管場所の選定は重要である。
  2. 救援物資センターの設置について、事前に位置・アクセス・収容能力・トラックヤードの有無などから充分検討したうえで指定し、手押し車・ローラー・電話・軍手(滑り止めつき)などの必要備品を配備しておく。

▼受け入れ拠点
・受け入れ場所を限定することで、支援物資の種類・数を把握し、避難所など支援物資を必要とする場所に円滑に配布できる。
・市役所が受け入れ窓口となった。配れるものは、そのまま避難所やボランティアセンター等へ配布した。保管できるものについては、今後に備え本庁、各支所に備蓄している。
▼保管場所
保管場所で集積区分を設定していなかったため、区分け・整理に労力を費やした。
▼物資の管理
・受け入れた物資の数と、配布数量の管理が必要である。
・救援物資の中で、食品と食品外の連携が図れるよう、配送方法等も含め事前にルールを作ること。
・おにぎりなど賞味期限の短い食料品は、支援があったらすぐ配布できる体制が必要である。
▼配布方法
・事前に配布ルートを検討すること。
・被災者への配布は、各自治会単位で必要な物資の取りまとめを行い、地区単位にまとめた上で、公民館や小学校体育館等で配布を行った。
・町内に配布するマニュアルが必要。要援護者への救援物資配布マニュアルを作成すること。
▼配布の拠点
配布拠点の場所と現在ある救援物資の種類について、自治会等を通じての連絡や住民に分かるような広報に努めること。
▼配分の不公平
・自宅を復旧し生活している住民から、避難所の住民のほうが食料・支援物資の配布等について優遇されているという不満が出た。
・配布数量の制限も検討すること。在庫管理が重要である。
▼毛布
・床上浸水家屋に対し、日本赤十字社から毛布等の慰問品提供があり、被災者から好評を得た。
・毛布は大量に必要である。1人1枚では不足で、長期にわたる避難の場合いくらあってもありがたいものであった。
▼消耗品
消耗品の寄付は貴重な支援物資となった。
▼利用不可の物
・使用できない物や必要性がない物まで送られてきて、使用の判断や整理に無駄な労力を費やし、その処分にも労力を費やした。
・古着や古布団、果物などは、処分に苦慮した。受付窓口(郵便局等)で断る等の処置も必要である。

本当に役に立つ支援物資を受け入れる工夫を!
  1. 支援物資の安易な受け入れは絶対に避けるべき。マスコミ等を有効に活用し、本当に必要なものを明確に示し、それ以外のものは受け付けないことが重要である。
  2. 被災現場からの情報を元に、不足物資及び受け入れ状況等をインターネット等を通じて、リアルタイムで全国に発信すること。

▼役立つ支援物資
・夏の水害だったので、タオルケット・バスタオル・フェイスタオル、Tシャツの配布が非常に役立った。
・台所が水没して、火気が使用できないため避難所での生活となったが、カセットコンロがあれば自宅・階でも生活ができる。
・すぐ使えるものがよい。洗剤・タオルは非常に喜ばれ役に立った。
▼必要物資情報の発信
・「住民が必要な物資は何か」を自治会連合会、ボランティア等の協力を得て聞き取りなどし、公民館単位でまとめること。
・ある程度、物資の目途が立った時点で受け入れを打ち切ることが必要。
・災害支援品について、応援するほうがどういう物を支授できるかというメニューを出し、被災地が必要なものを選ぶことができる、そういった仕組みができればよいと思う。
▼残った救援物資
最終的に残った救援物資については、チャリティーバザーを実施し、被災者は無料、被災者以外にはカンパを依頼した結果、約80万円が集まり義援金に充当した。
▼耐久消費財
耐久消費財等は生活再建に役立ったが、大量の寄付はタイムリーな配分に無理なことがあり、支援活動期間中に受け入れや倉庫の確保などに多くの労力が割かれることとなった。