水管理・国土保全

  

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渚滑川の自然環境


 渚滑川流域は網走管内の北西部に位置し、オホーツク海側斜面をなしています。オホーツク海沿岸の寒冷な気候に大きな影響を受け、流域の大部分を山林(87%)が占め、農地が8%程度となっています。


山地に囲まれる渚滑川の様子(立牛川合流点より上流を望む)



 山林や河道を構成する植生には、上流域ではエゾマツ、トドマツの針葉樹林、ミズナラ、カンバ類等の混生した針広混交林が見られます。中流域では、畑、草地、植林地が広がり、河川沿いに、エゾイタヤ、シナノキなどの広葉樹林、ヤナギ林、ハルニレ、カツラなどからなる河畔林が見られます。下流にいくと、高水敷を利用した採草地が広がり、河畔林は小規模なヤナギ林が主体となるほか、オオイタドリ、ヨモギ類などの草地が大半を占めます。一部には、国内では北海道と長野県のみに自生し、道内でも分布が限定的であるケショウヤナギの群落も見られます。オホーツク海側では、ケショウヤナギはここ渚滑川でしか見られません。また、河口付近ではハマナスなどの海浜植物も見られます。


ケショウヤナギ


 哺乳類は、源流の山間部に希少種のエゾナキウサギ、エゾモモンガ、エゾクロテン、エゾオコジョや大型獣のエゾヒグマ、エゾシカなどの多くの種が生息しています。中流部から下流部では河畔林や林縁部に、イイズナ、エゾリスなどが生息し、市街地周辺ではキタキツネ、エゾヤチネズミなどが見られます。
 鳥類は、上流部にカワガラス、キセキレイなどの渓流性の種が生息し、平野部にはハクセキレイ、イソシギなどの河川性の種が生息します。下流部及び河口部は水鳥が好む生息環境となり、下流部ではカワアイサ、キアシシギ、コチドリ、アオサギなどが確認されるほか、天然記念物のオジロワシ、オオワシなどが確認されています。


オオワシ



 昆虫類は、上流域に渓流性のトンボ類や森林性の昆虫類が確認され、天塩岳や渚滑岳などの高山帯では、希少種のカラフトルリシジミ、チシマオサムシ大雪山亜種(ダイセツオサムシ)のほか、アラメハナカミキリなどが確認されています。平野部には草原性の昆虫類が分布し、希少種のカバイロシジミのほか、ヒメシジミなどが生息します。下流部では、草原性の昆虫類が主として分布し、河川周辺の沼では、アキアカネなどのトンボ類が生息します。


ヒメシジミ




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