水管理・国土保全

  

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石狩川の自然環境

3.石狩川の自然環境

 石狩川水系は、全国第2位の広い流域を持つことから環境変化に伴う多種多様な生物の生息・生育が確認されています。源流部は大雪山国立公園に指定され多くの観光客を呼ぶ景勝地となっており、下流域は石狩平野の開放的な農地景観が広がって石狩川を象徴する壮大さを醸し出しています。




大雪山国立公園(層雲峡)


 石狩川流域は、大雪山国立公園、支笏洞爺国立公園をはじめとする雄大で変化に富んだ自然景観、針広混交林や湿原群落等の植物相、サケ等の遡上、産卵や、ガン・カモ類、シギ・チドリ類等渡り鳥の中継地として重要な位置を占める等、様々な面で、我が国においては北海道で特徴的に見られる亜寒帯特有の豊かな自然環境に恵まれています。

 また、宮島沼はマガン、コハクチョウ等の渡り鳥の重要な中継地で、ラムサール条約の登録湿地として平成14年に登録されています。



支笏洞爺国立公園


渡り鳥(宮島沼)

 上流域においては、森林環境と清流に恵まれ、それを好むアカゲラなどの鳥類や、ハナカジカやキタノトミヨなどの魚類が確認されています。中流域では、河畔林や旧川(三日月湖)などの環境も豊富で、周囲に農地が広範に広がっていることからオオジシギ等の草原性の鳥類や、各種のガン・カモ類が見られるほか、魚類ではウグイ類、フクドジョウなどが確認されています。下流域では、河口部において、海浜植生であるハマナスの群落や湿生林の中で生育するミズバショウ群落があるほか、ガン・カモ類に加えてシギ・チドリ類の水鳥の生息が多く見られ、魚類についてはワカサギやトミヨ類の生息が確認されています。また、全川において、清流環境を好むカワセミの生息が確認されているほか、サケ、サクラマス、カワヤツメ等の移動性の魚類が広い範囲で確認されています。


エゾウグイ


石狩川のミズバショウ群落

 また、上川盆地の下流端には、アイヌの人々の間で奇岩怪石が多く船行の難所のため魔神の居る里「魔の里」と呼ばれていた神居古潭があって、独特の巨岩帯と青い川の流れのコントラストや針葉広葉樹林に覆われた景観が広がっています。ここを抜けると石狩平野の開放的な農地景観が広がり、石狩川の下流域にあっては、数多くの旧川(三日月湖)が残されており、背後に広がる水田地帯と併せて、石狩川を象徴する壮大な景観を醸し出しています。


神居古潭(旭川市)


石狩川の旧川と水田地帯




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