水管理・国土保全

  

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霞ヶ浦、北浦、鰐川、常陸利根川、横利根川の自然環境

水質浄化対策
底泥浚渫
 霞ヶ浦の湖底は、水質の悪化に伴って富栄養化した底泥が堆積し、その底泥が湖水への溶出・沈降を繰り返しています。そこで、湖内の水質浄化対策として、富栄養化した底泥を取り除き、溶出量を減ずることを目的とした浚渫事業を実施し、平成24年5月で計画の約800万m3が完了しました。


霞ヶ浦浚渫


浚渫船「カスミザウルス」

アオコ対策
 霞ヶ浦は富栄養化した湖のため、夏期に大量のアオコが発生し、腐敗時に悪臭を放つなど周辺環境。景観を著しく悪化させます。アオコ発生時には、発生状況に応じて関係機関と連携し、発生状況の確認・監視など情報共有を図るとともに、アオコの回収等を実施し、アオコによる水質の悪化や悪臭等の被害の抑制に努めています。


アオコ採取船「みずすまし」


湖内湖浄化施設(ウェットランド)
湖内湖浄化施設は、湖に流入する河川の河口域に設ける沈殿池と植生帯により、平常時並びに降雨時に流入する有機物質や窒素、リン等の汚濁物質を霞ヶ浦に流入する前に一時的に貯留、沈殿させる施設です。失われた植生帯の回復とその植物が生長する際に吸収する窒素、リンなどによって、水質浄化を図るとともに底生生物類、水生昆虫類、魚類、鳥類の生息する新たな湿地環境の創出を図るものです。


湖内湖浄化施設(川尻川)


湖岸植生帯の緊急保全対策

 霞ヶ浦の湖岸には、かつて陸域植物・抽水植物・浮葉植物・沈水植物からなる植生帯がひろがっていました。しかし、干拓事業による湿地の一部陸地化、堤防の整備、水質悪化、波浪等の複合的な要因により、湖岸の植生帯の多くが後退し、現在は抽水植物や浮葉植物が一部の湖岸や支川合流部にみられ、沈水植物がワンド等にわずかに生育している状況です。
 このような状況から、平成12 年に湖岸植生帯の保全・再生を目的とした「霞ヶ浦の湖岸植生帯の保全に係る検討会」が設けられ、研究者やNPO なども参加して湖岸植生帯の保全・再生の計画に関する検討が行われました。
その検討結果に基づき、翌年、西浦・北浦(11 地区)で緊急保全対策を実施しました。


緊急保全対策位置図


境島地区



霞ヶ浦の自然
さまざまな生命が息吹く霞ヶ浦の自然
霞ヶ浦に分布する広大な水域部も、多くの生物にとっての重要な生息環境になっています。霞ヶ浦周辺は、カモ類等の水鳥をはじめ、多くの野鳥が飛来し、一定期間飛来する野鳥の宝庫といわれています。その数は、冬季の水鳥だけで5万羽、夏の渡り鳥を含めると 10万羽以上といわれています。霞ヶ浦の魚類は、海跡湖の名残を反映し、淡水魚、汽水魚、海水魚と多彩な分布がみられます。確認される種類も他の湖沼等と比較して多くなっています。代表的な魚類としては、ワカサギやシラウオ、コイなどが挙げられます。



北浦の野鳥(潮来市)




霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎地区自然再生事業
自然再生推進法に基づき霞ヶ浦で自然再生を図る
霞ヶ浦全体の湖岸植生の減退傾向を踏まえて、自然再生を検討すべく、平成16年度に霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎地区自然再生協議会が設立され、地域の自然再生と環境学習の場として利用されることを目的として、自然再生推進法に基づく自然再生事業が行われている。
 霞ヶ浦田村・沖宿・戸崎地区においては、9区間にわけられた事業実施区間のうち、A,B区間においては工事が完了し、モニタリング・維持管理の段階に入っている。



自然再生事業の区割り




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