水管理・国土保全

  

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江戸川の自然環境

江戸川の地形
江戸川流域は、左岸側に関東ローム層で覆われた下総台地が、右岸側には標高10m以下の低地がひろがっています。これは、古くからの利根川水系の流れによってつくられた沖積低地と呼ばれる地形です。沖積低地には、太古から繰り返された洪水によって運ばれた砂礫が海面下50mにまで堆積しています。


江戸川の生物
江戸川の上流部は、農耕地が広がり田園河川の様相を呈しています。中流から下流部は広大な高水敷があり、その多くは公園、グランド等に整備され都市部の貴重なレクリエーション空間となっています。河口部の行徳可動堰より上流は淡水域で全川にわたりコイ、フナ等の魚類やマシジミ、テナガエビ、カゲロウ、トビゲラ等の底生生物も確認されています。流れの緩やかなところでは、カルガモ、コガモ等のカモ類が見られます。陸域を見ると、公園、グランド、採草地等の人工的に利用されている高水敷きでは一年草や越年草のイネ科草木等が生育しており、草原に依存するシギ、ヒバリ等の鳥類、キアゲハ、トノサマバッタ等の昆虫類、アマガエル、狐等の小動物も見られます。


江戸川の水環境
江戸川の水質は、水質の汚れ具合をあらわすBOD75%値で、環境基準を上回る状況が平成9年まで続いていましたが、支川坂川(松戸市)合流地点の江戸川に流水保全水路等が整備されたことにより、現在では環境基準値を達成できる程度まで水質が改善しています。



江戸川の水質


江戸川の自然と生物 上流~中流部

 江戸川最上流の利根川との分派地点の下流では、沿川の斜面林や農耕地があることから、ノスリやオオタカなどの猛禽類等が見られます。
 中流部になると、流れは緩やかで、河床は砂質となり、トビケラやカゲロウ類などの水生昆虫が多く生息します。河岸にはヤナギ類が繁茂した河畔林が見られるようになり、ワンドやよどみ、中水敷などもみられ、多様な生息環境となっています。高水敷上の自然地にはタヌキ、キツネ、キジなども生息しています。
 

 行徳可動堰の上流部においては、水深があり、流れも穏やかになるため、フナなどの淡水魚がみられます。水面はカモ類などが飛来するほか、海からカモメ類もやってきます。陸域は、東京都と千葉県の県境を流れる区間であることから、高水敷の利用が進んでおり、生物の多様性が少なくなっています。




江戸川中流の河畔林


江戸川の生物(高水敷でみられるキジ)

江戸川の自然と生物 下流部
江戸川は河口から利根川との分派点まで、約55kmあり、生物の生息は河口から上流に向かうにつれて変化します。

 江戸川放水路河口部から市川市、浦安市、船橋市沖合は三番瀬と呼ばれる約1,600haの干潟と浅海域があり、干潟に生息するゴカイ類やカニ類等が豊富です。また、それを餌とするシギやチドリ類が多く生息し、渡り鳥の中継、越冬地点としても重要な役割を果たしています。

さらに、行徳可動堰直上流のヨシ原には環境省絶滅危惧Ⅰ類に指定されるヒヌマイトトンボが分布しています。

また、江戸川下流部放水路の泥干潟では「東京湾奥部のトビハゼ」が分布していることから、トビハゼが生息できる「トビハゼ護岸」を整備しています。


江戸川河口部の干潟(三番瀬)


江戸川の生物(ヒヌマイトトンボ、トビハゼ)








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