水管理・国土保全

  

| 河川トップ | 川の歴史 | 主な災害 | 地域と川 | 自然環境 |   


小貝川の歴史

特有の歴史、先人の知恵の活用
小貝川は、栃木県那須烏山市小貝ヶ池付近に源を発し、南下して五行川および大谷川を合わせ、茨城県常総市水海道地先で流向を南東に変えて、茨城県北相馬郡利根町押付新田地先で利根川に合流する利根川の主要支川で、その本川流路延長は112km、全流域面積は1,043km2です。

 小貝川は、流域の86%が平野であり、河川の勾配が緩いため、洪水の継続時間が長く、氾濫時の出水が引きにくい、利根川本川からの逆流の影響を広く受けてしまうという特徴を有しています。最も利根川本川の影響を受けたのが昭和56年の洪水であり、小貝川単独での出水は小さかったものの、利根川本川からの逆流により龍ケ崎市高須地先において堤防が破堤し、浸水面積3,396ha、浸水家屋5,847戸の甚大な被害を受けました。

 また、河川勾配の緩いことが最も影響したのが、昭和61年8月洪水です。台風10号による集中豪雨で24時間雨量300mmという記録的な集中豪雨に見舞われた小貝川が破堤に至ったのは、台風一過で快晴という天気の下でした。雨が上がった安堵感につかっている人々の目の前で、小貝川の水位は留まる気配を見せずに上昇し、ついには明野町赤浜(現在の筑西市赤浜)地先で溢水し、氾濫水が流域を襲いました。無堤地区からも濁流が流れ込み、下館市(現在の筑西市)の約1/4が浸水しました。さらに下流の石下町(現在の常総市)において漏水から堤防が決壊するに至り、被害は4,300ha、浸水家屋4,500戸に及びました。
 この災害を契機に、被害の大きかった母子島(はこじま)地区を遊水地に造成するとともに、その地区内に点在していた5集落を集団移転させ、遊水地内に新しい町をつくるという全国でも例のない改修事業を行いました。

鬼怒川・小貝川の歴史(治水)

母子島遊水地(茨城県筑西市旭ヶ丘地先)





ページの先頭に戻る