鶴見川流域は、昭和40年頃からの急速な市街化によって緑地や田畑は激減しましたが、源流域など、現在でも自然の姿を数多く残している地域もあります。
源流域の丘陵地帯では、湧水などの浸食によって複雑に刻み込まれた地形である谷戸がまだ数多く残っていて、クヌギやコナラ等の雑木林も広がっています。また、この地域は、水域でホトケドジョウ、森林ではオオタカなどの貴重種の生息も確認されていて、鶴見川流域でも最大の多様な生物の生息地になっています。
源流域から続く多摩丘陵を流れる上流域では、人工的な護岸整備がされているものの、オイカワ、タモロコ等の魚類が数多く見られます。
多摩丘陵を抜け下末吉台地を流下する中流域は、新横浜などの市街地に近接してますが比較的広い高水敷が両岸に残されている箇所も多く、ヨシやオギ等の群落が形成され、オオヨシキリ、セッカ等の野鳥の貴重な生息地にもなっています。
下流域では、事業所や住宅が密集し、河口部は京浜工業地帯になっていますが、残存する干潟では多様な生物が確認されています。
また、近年では水質が改善し、アユの遡上も確認されています。
鶴見川流域では、残された貴重な自然環境を保全していく取り組みを進めています。