水管理・国土保全

  

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千曲川の自然環境

川がもたらす地形の変化

千曲川流域は、周囲を山岳に囲まれた内陸性気候となっており、平坦部でも標高300~700mと高いため平均的な気温は低くなっています。また、千曲川中流部にあたる長野市周辺は年間降水量が1,000mm前後と、日本でも有数の雨の少ない地域であることが特徴だといえるでしょう。
 また、千曲川・犀川はフォッサマグナ地帯を流れる河川でもあり、これが複雑な地形やもろい地質の原因になっています。千曲川下流域ではこのフォッサマグナがもたらす隆起が現在も続いており、千曲川は隆起する大地を削りながら流れています。
 このため、中野市立ヶ花~飯山市区間では千曲川に削られた谷のように狭い川幅(狭窄部)が洪水の流れを妨げるため、治水上の大きな問題点となっています。




日本の屋根から注ぐ清流「犀川」

長野県は、日本の屋根と呼ばれるように、北アルプスをはじめとする本州の中央高地に位置する山国です。本州の背骨にあたる脊梁山脈が県中央部を東西にはしり、これが分水界をなしています。これにより北を流れる千曲川・犀川は北流して日本海にそそぎ、木曽川・天竜川は南流して太平洋にそそぎます。
 千曲川は日本一長い信濃川の長野県部分を呼びますが、その最大の支流が犀川です。
 犀川は北アルプスの槍ヶ岳に源流を発し、長野市にて千曲川に合流します。この合流点から上流の河川の状況を見ると、河川延長・流域面積ともに犀川の方が千曲川よりも若干大きくなっています。また、犀川上流域では千曲川上流域に比べて年間の降水量がほぼ倍あるため、年間の総流出量でも倍にもなっています。その上流域松本地方の安曇野では、犀川流域の豊かな水量がもたらす地下水、伏流水が特徴で、その清冽な水によりワサビの栽培が盛んです。また、上高地などの観光地も多く、バックの北アルプス山脈とも相まって透明感ある信州のイメージはむしろ犀川の方が強いかもしれません。
 しかし、万葉以前、神話の時代にまでその名が遡る千曲川に対して、犀川の名が世に出てくるのは中世以降、ほんの450年余り前でしかなく、知名度では遙かに劣ります。千曲川の流れをそっと支える秘境の清流・・・犀川とはそんな川なのではないでしょうか。


犀川と北アルプス




















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