神通川の流域上流部、飛騨高原北部一帯には、日本列島の基盤を形成していると言われる飛騨変成岩帯があり、この周辺には、古生代、中生代の堆積岩、火成岩が分布しています。飛騨山脈を形成する乗鞍火山群では、新生代岩石層とその堆積が見られます。流域下流部には、中新世、更新世、完新世の層が分布しています。
富山県南部の山岳地帯には、ジュラ紀及び白亜紀に堆積した手取層群が分布しており、流域下流部は、神通川と常願寺川による扇状地堆積物が見られます。神通川流域から常願寺川流域にかけての礫岩層を庵谷峠層と呼び、その上層砂岩と頁岩の層を猪谷互層と呼んでいます。
流域中流部の富山県と岐阜県の県境付近には、飛越地震(1858年)の震源となった跡津川断層があります。この断層は60kmに達します。また、国道41号の千貫橋付近には国の天然記念物に指定されている横山楡原衝上断層がありますが、これは片麻岩及び花崗岩が手取層の上につき上げたものです。
流域下流部の井田川合流点付近で交差している呉羽山(くれはやま)断層帯は長さ約22km以上で、断層の北西側が南東側に対し相対的に隆起する逆断層です。