水管理・国土保全

  

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天竜川の主な災害

上流部の特徴である急流河川と「満水」
急流河川と土砂災害
中央・南アルプスからの支川を集める天竜川では、過去から土砂災害とセットになった「満水」による大規模な災害の歴史があります。
 また、ほぼ北から南に流れる天竜川は1/200勾配の急流河川であり、侵食による堤防欠壊の危険性が高いといわれています。平成18年7月の豪雨災害では、土石流による人的被害と堤防欠壊があり、天竜川上流部の被災特性を象徴するものでした。
 過去には、遠山地震(1718年)による天竜川本川や支川での河道閉塞の歴史もあります。


箕輪町北島での堤防欠壊(平成18年7月)

発生日 発生原因 被災市町村 被害状況
1949年(明治44年) 台風 磐田市、佐々間町、豊田町等 死者・行方不明者 28名、被災家屋 約9,300棟
1937年(昭和32年) 台風5号 駒ヶ根市、飯田市等 死者・行方不明者 23名、被災家屋 約540棟
1961年(昭和36年) 梅雨前線豪雨 駒ヶ根市、飯田市、天竜市、佐々間町等 死者・行方不明者 136名、被災家屋 約9,500棟
1968年(昭和43年) 台風10号 駒ヶ根市、飯田市、天竜市、佐々間町等 死者・行方不明者 12名、被災家屋 約2,600棟
1983年(昭和58年) 台風10号 駒ヶ根市、飯田市、高遠町等 死者・行方不明者 9名、被災家屋 約6,600棟
2006年(平成18年) 梅雨前線 諏訪市、岡谷市、箕輪町等 死者・行方不明者 13名、被災家屋 約3,400棟
水害統計(国土交通省)
静岡県異常気象災害誌(静岡県産業気象協会・静岡地方気象台)
長野県の災害と気象(長野県)
長野県インターネットページ(県危機管理局)



昭和36年6月(三六災害)「梅雨前線豪雨」
史上最悪の水害
台風の接近と梅雨前線の停滞により、飯田測候所では総雨量577.8mmを記録(1週間で1年間の3割を超える)しました。各地の斜面の崩壊にともなう土石流や急激な河床上昇による土砂災害を伴う、いわゆる「満水」被害の典型。三六災害と呼ばれる。
 特に大鹿村の大西山の大崩落では建設省の職員も殉職しています。この災害での死者・行方不明者は136名。家屋の全壊・流失・半壊は約1500戸となり、このほとんどが土砂災害によるものでした。



土砂災害と河川の氾濫


大西山の大崩落



昭和58年9月「台風10号」

昭和58年9月26~28 日にわたり台風10号による大雨となって、昭和36年災害以来となる天竜川全流域に200~350mmの雨量を記録しました。
 特に下伊那地域での浸水被害が大きく、飯田市松尾地区、川路地区での著しい浸水被害となりました。


飯田市松尾地区


飯田市川路地区



平成18年7月「梅雨前線豪雨」
岡谷市等で土石流、天竜川で欠壊
梅雨前線が本州に停滞し、長野県内の各地で総雨量300mmを越え宮田村太田切観測所(気象庁)では最多時間雨量28mm、総雨量583mmを記録。
 この大雨により、天竜川の水位は伊那市・南箕輪村の北殿水位観測所(国土交通省)で計画高水位(HWL)を約7時間超過し、箕輪町北島(204.8kp)では約160mの堤防が欠壊しました。
 諏訪周辺では広い範囲で浸水(約558ha、2658戸)するとともに、岡谷市湊地区で発生した土石流で、7名の尊い命が失われました。

平成18年7月豪雨 
諏訪湖・天竜川河川激甚災害対策特別緊急事業

天竜川の欠壊(箕輪町北島)


岡谷湊での土石流被害



過去の主な渇水

発生年月 取水制限延日数 最大取水制限率 天竜川の瀬切れ発生日数
昭和59年 11月 91日 20%
平成6年 6月 185日 30%
平成7年 8月 20日 10%
平成8年 1月 68日 10%
平成9年 11月 21日 10%
平成13年 7月 30日 10%
平成14年 9月 31日 10%
平成17年 6月 18日 33.5%
平成18年 1月 19日 20%
平成21年 1月 18日 20%
平成23年 2月 29日 20%
平成25年 8月 13日 31%
平成26年 1月 18日 22%



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