水管理・国土保全

  

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庄内川の主な災害


庄内川は、古くは土岐川、玉野川、勝川、枇杷島川、番場川、一色川と沿川の地名と密接な河川名で呼ばれ、全川を通した名前は無く、一説には、江戸期に沿川に発達した農業集落地「庄」(稲内庄、山田庄、一色庄など)の内をぬって流れる川ということから、庄内川と呼ばれるようになったと言われています。
 今も岐阜県では「土岐川」、愛知県では「庄内川」と呼ばれており、その名前への愛着には並々ならぬ歴史を感じさせられます。
 庄内川は、その周辺に多くの古墳や条里制じょうりせいの遺構いこうが見られ、沿川の人々の生命と暮らしに多大なる恩恵を与えながらも、幾多の洪水氾濫を繰り返してきました。
 記録によれば、かつて庄内川は毎年のように氾濫を繰り返す暴れ川で、沿川の人々は多くの被害を受けていました。庄内川の沿川には、名古屋城下を守るために堤防を切れという尾張藩の不条理な命令に作業時間をわざと引き延ばして洪水が治まるのを待った故事に由来する「小田井人足(おたいにんそく)(怠け者を表す)」という言葉や、水害から地域を守るために人柱となった娘の「十五の森」の悲話が残されており、洪水の悲惨さを今に伝えています。


十五の森

発生日 発生原因 被災市町村 被害状況
1957(昭和32)年 秋雨前線 愛知県、岐阜県 被災家屋:22,428棟(愛知県)、4,540棟(岐阜県)
1958(昭和34)年 台風15号(伊勢湾台風) 愛知県、岐阜県 被災家屋:140,568棟(愛知県)、6,227棟(岐阜県)
1961(昭和36)年 梅雨前線、台風6号 愛知県、岐阜県 水害区域面積:7,374ha(愛知県)、479ha(岐阜県)
被災家屋:39,604棟(愛知県)、171棟(岐阜県)
1972(昭和47)年 梅雨前線 愛知県、岐阜県 水害区域面積:229ha(愛知県)、345h(岐阜県)
被災家屋:832棟(愛知県)、1,515棟(岐阜県)
1975(昭和50)年 梅雨前線 愛知県、岐阜県 水害区域面積:3,092ha(愛知県)、97ha(岐阜県)
被災家屋:10,315棟(愛知県)、107棟(岐阜県)
1976(昭和51)年 台風17号 愛知県 水害区域面積:3,477ha(愛知県)、
被災家屋:8,713棟(愛知県)
1983(昭和58)年 秋雨前線、台風10号 愛知県、岐阜県 水害区域面積:527ha(愛知県)、8.4ha(岐阜県)
被災家屋:7,871棟(愛知県)、164棟(岐阜県)
1988(昭和63)年 熱帯低気圧、秋雨前線 愛知県、岐阜県 水害区域面積:318ha(愛知県)、112ha(岐阜県)
被災家屋:1,896棟(愛知県)、94棟(岐阜県)
1989(平成元)年 台風22号 愛知県、岐阜県 水害区域面積:28ha(愛知県)、62ha(岐阜県)
被災家屋:84棟(愛知県)、571棟(岐阜県)
1991(平成3)年 台風18号、秋雨前線 愛知県、岐阜県 水害区域面積:966ha(愛知県)、3.9ha(岐阜県)
被災家屋:6,440棟(愛知県)、16棟(岐阜県)
1999(平成11)年 梅雨前線 愛知県、岐阜県 水害区域面積:11ha(岐阜県)
被災家屋:1棟(愛知県)、120棟(岐阜県)
2000(平成12)年 秋雨前線、台風14号(東海豪雨) 愛知県、岐阜県 水害区域面積:10,477ha(愛知県)、11ha(岐阜県)
被災家屋:34,041棟(愛知県)、8棟(岐阜県)
2011(平成23)年 台風15号 愛知県、岐阜県 水害区域面積:1,865ha(愛知県)、16,330ha(岐阜県)
被災家屋:670棟(愛知県)、16棟(岐阜県)
出典 :
 愛知県災害誌、災害の記録(愛知県)
 岐阜県災害誌、岐阜県消防防災年報
 水害統計    



昭和34年9月洪水(台風15号伊勢湾台風)

伊勢湾台風は、超大型台風でしかも東海地方の西を通ったために東海地方は暴風雨となりました。特に伊勢湾周辺の風は激烈をきわめました。台風の中心が通過する前2~3時間は時間雨量40mm~70mmの激しい雨が各所で降り、河川は急に水かさを増し、合わせて高潮により河口付近では至る所で堤防が決壊したために大災害となりました。愛知県の被害は、死者3,168人、行方不明92人、重傷者3,090人、軽傷者55,955人、被災家屋は140,596戸(愛知県)、6,227世帯(岐阜県)でした。

出典:愛知県災害誌


伊勢湾台風による宝神地内破堤状況


名古屋市港区内の浸水状況



平成11年6月洪水(梅雨前線による大雨)

平成11年6月洪水(梅雨前線による大雨)は、29日午後から30日にかけて日本海沿岸を北東進した低気圧の影響を受けて梅雨前線が活発になり、愛知県、岐阜県の各地で大雨を降らせました。特に29日夜から30日早朝にかけては、愛知県内で所により1時間に50mmを超える激しい雨となりました。岐阜県における被害は、土岐市を中心に床上、床下浸水が発生し、負傷者2人、被災家屋は1棟(愛知県)、120棟(岐阜県)でした。枇杷島地点の流量は1,949m3/s、多治見地点の流量は1,486m3/sとなり、このため、「河川災害復旧等関連緊急事業」が実施しました。

出典:平成11年災害の記録(愛知県)、岐阜県消防防災年報


土岐市内の浸水状況


永久橋の状況



平成12年9月洪水(台風14号東海豪雨)

平成12年9月11日から12日にかけて、日本付近に停滞していた秋雨前線は、台風14号からの暖かく湿った空気が多量に流れ込み、愛知県を中心とした東海地方に記録的な雨を降らせました。名古屋地方気象台では、11日午後7時に時間最大雨量93mmを記録し、11日未明から12日までの総雨量は567mm(年間総雨量の1/3)となりました。愛知県では、県西部を流れる一級河川新川の堤防が決壊したのをはじめ、河川の破堤は20カ所に達したほか、名古屋市内では広範囲に浸水被害が発生しました。愛知県における被害は、大雨による浸水や崖崩れ、また11日夕方に発生した竜巻により、死者行方不明7人、負傷者107人、被災家屋は34,041棟(愛知県)、8棟(岐阜県)でした。

出典:平成12年9月11日からの大雨による災害の記録(愛知県)


新川の破堤状況


西枇杷島駅の浸水状況



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