水管理・国土保全

  

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熊野川の自然環境

熊野川の自然環境

熊野川の直轄区間(新宮市南檜杖・紀宝町北檜杖紀宝町尾友から河口まで)は、山間の谷底を蛇行するやや急な流れから、川幅が広く緩やかな流れへと変わる汽水域です。新宮市と紀宝町鵜殿村に挟まれた河口付近は、入り江状の浅瀬、ヨシ等の湿性植物群落、石や砂の干潟があり、水鳥の集団分布地となっています。汽水域上流端から河口までの下流部は感潮区間で、山地から平野が広がる。水際には干潟がみられ、河口には砂州が形成されています。干潟にはシオクグ等が生育し、サギ類やカモ類の休息場となっており、砂礫となっている河床にはイドミミズハゼ、アシシロハゼ等が生息する。出水時に攪乱を受ける礫河原には、カワラハハコ、イカルチドリ、カワラバッタ等が生育・生息しています。


熊野川河口部


熊野川直轄管理区間全体



新宮川水系の自然環境

新宮川水系では、現在53種の魚種が確認されています。熊野川の魚類相は、スズキやカジカ、ヨシノボリ、ヌマチチブといったカジカ科やハゼ科を中心に生息しています。

熊野川の植物群落をみると、円礫の河原(自然裸地)に生えるカワラハハコ群落や、河岸の渓流岩場にみられる自然植生であるサツキ群落や、河川に特有なカワラハンノキ群落、ヤナギ低木林などが成立しています。また、シチョウゲといった地域を代表する渓流岩場の植物も豊富に確認されており、特に、御船島には、渓流岩場の植物が多く分布しています。

鳥類については、河口付近の静水域で、冬季にカモ類、カモメ類などが、それぞれ数百個体の集団で渡来します。これらの餌となるプランクトン・植物・魚類などの餌資源が十分に存在し、天敵などから身を隠すための水際の植生が豊かなためと考えられます。また、カワセミなど、主に中流~上流域でみられる種や植皮の乏しい礫の河原を繁殖地として利用するイカルチドリも確認されています。

両生類・爬虫類・哺乳類に関しては、上流域の猿谷ダム周辺でサンショウウオの仲間やニホンヒキガエル、カジカガエルといった山地渓流性の両生類やカモシカなどが確認されています。

昆虫類については、植皮の少ない円礫の河原のみに生息するカワラバッタがみられます。また、下流域では草地性、低木性種の昆虫、熊野川河口域の砂礫干潟や泥湿地ではハンミョウの一種など特徴的な種が生息しています。


イカルチドリ


カワラバッタ




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