水管理・国土保全

  

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地域と斐伊川

歴史と文化が息づく斐伊川
斐伊川にまつわる神話・伝説・伝統的な行事
 斐伊川は、奈良時代に編纂された「古事記」や「日本書紀」、「出雲風土記」にも登場するほどの、神話に濃く彩られた河川で、「国引き」神話や、「八岐大蛇(やまたのおろち)」伝説など、多くの神話や伝説が残されています。

 松江市を流れる大橋川などで開催される日本三大船神事「ホーランエンヤ」(10年に一度行われる城山稲荷神社の式年神幸祭)や、松江市で毎年8月初旬に行われる「水郷祭」などの行事により、多くの市民や観光客でにぎわっています。

 また、昭和40年代の堀川は都市排水の増加により水質が急激に悪化し、底泥からのガスによる悪臭や酸欠のため魚がへい死することもありました。このような状況から堀川の水質浄化を図るため、宍道湖の湖水を浄化用水として導水し大幅に水質を改善することで、「堀川遊覧船」が新たな観光名所として誕生し、国宝松江城周辺の歴史的な町並みに賑わいを生み出しています。


日本三大船神事「ホーランエンヤ」(島根県松江市)


堀川遊覧船(島根県松江市)

地域の資源を活かした水辺環境の整備
 宍道湖沿岸は、宍道湖に沈む夕日など魅力的な水辺を有しながら、以前は直立護岸で利用者が水辺に近づけない状況がありました。このような状況から、利用者が安全に水辺空間を利用できるような護岸整備とあわせて、松江市の公園整備等が行われ、水辺が一体的に利用できるようになりました。

 現在はこれらの観光資源が公共交通機関などでつながることで周遊性の高い観光スポットとなっています。


以前の宍道湖畔(直立護岸:島根県松江市)


夕暮れ時の宍道湖畔の賑わい(夕日スポット整備後:島根県松江市)


 雲南市木次町の斐伊川堤防の桜並木は、「日本さくら名所百選」にも認定され、お花見を楽しむ市民や観光客で賑わいます。

 このような美しい風景が広がっている一方、河川内に樹木や草が繁茂し、安全に水辺の利用ができない状況があります。このため、地域における河川利用の要望を踏まえ、川を利用した環境学習やイベントが行える空間として水辺の整備を行っています。


斐伊川堤防の桜と水辺の賑わい(島根県雲南市)


斐伊川の水辺を楽しむ学習会(島根県雲南市)



インフラを地域の資源として活用
インフラツーリズム
 斐伊川本川中流部には斐伊川水系治水事業の3点セットとして整備した斐伊川放水路があります。斐伊川の洪水の一部を放水路に分流させ、宍道湖の水位上昇を低減させる役割があります。

 通常時の放水路は水が流れていないコンクリートに覆われた広大なオープンスペースとなっており、地域の皆さんに大規模な治水施設を体感頂くインフラツーリズムや見学案内などを受け入れています。

 また、上流域に位置する志津見ダム、尾原ダムにおいても同様の受け入れを行っています。

斐伊川放水路事業(出雲河川事務所ウェブサイト)

斐伊川放水路(島根県出雲市)


現地見学会(斐伊川放水路)

ダムを活かした地域づくり
 斐伊川本川上流部に位置する尾原ダムは、斐伊川水系治水事業の3点セットの一つとして整備された多目的ダムで、洪水調節のほか河川環境の保全や水道用水の供給の役割を果たしています。

 ダム周辺は利用しやすい工夫を凝らしており、貯水池でのボート競技や周辺道路の自転車競技などアクティブなフィールドとして活用されています。また、ダムの魅力を活かした「尾原ダムさくらおろち湖まつり」などを地域と一体となり開催することで、ダム周辺地域の活性化が進められています。

 また、神戸川上流部に位置する志津見ダム周辺でも、毎年6月に「ポピー祭」り、毎年10月に「コスモス祭り」が開催され、地域の賑わいを生み出しています。

エンジョイ!ダム(出雲河川事務所ウェブサイト)

ダム貯水池でのボート競技(尾原ダム)


ダム貯水池の巡視体験(志津見ダム)




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