水管理・国土保全

  

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那賀川の自然環境

那賀川下流地震・津波対策事業におけるミティゲーションの実施

那賀川下流左岸には、トビハゼ等のハゼ類や、シオマネキ等の底生動物、ハマサジ等の塩生植物群落が生息・生育・繁殖する貴重な干潟が形成されていました。

地震・津波対策における堤防工事の実施によって、この希少な干潟環境への影響が予測されたことから、平成24年12月に学識経験者らからなる「那賀川左岸堤防地震・津波対策事業環境保全検討委員会」を設置し、工事実施にあたっての環境配慮事項及び環境保全措置等の具体的な手法に関して、助言を得ました。

同委員会では、事業を実施することで発生する干潟の改変及び消失等に可能な限り対応するため、ミティゲーション(代償措置・低減措置等)の手法等について議論が行われ、具体的な対処方法が提言されました。

提言をもとに、失われる干潟の代償措置として中州の掘削を行い、新たな干潟の創出を実施しました。創出にあたって、干潟の土砂(シルト)及び生育していたヨシの根茎が混じった土砂を掘削箇所に敷均し、干潟環境が早期に回復するよう対策を実施しました。その後のモニタリング調査では、表面に泥の堆積が見られ、底生生物の巣穴の復活も確認されています。

また、低減措置として、シオマネキ等を創出した干潟へ移植することにより保護を行っています。

さらに、同委員会の提言により、平成25年8月には「那賀川左岸堤防地震・津波対策事業環境回復モニタリング委員会」を設置し、動植物の生息・生育・繁殖状況や微小な地盤高、底質等の干潟環境のモニタリングを継続し、その結果をもとに順応的管理に努めています。

今後もモニタリングを実施しながら、順応的な管理に取り組むことにより、多様な動植物の生息・生育・繁殖環境の回復・保全に努めます。


創出した干潟の状況


シオマネキの移植作業の様子




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