水管理・国土保全

  

| 河川トップ | 川の歴史 | 主な災害 | 地域と川 | 自然環境 |   


物部川の自然環境


物部川は高知県中央部に位置し、高知平野を潤したのち土佐湾に注ぐ急流河川で、流域の年間降雨量は約3,000mmにも達します。河口部一帯は、シギ・チドリ類をはじめとする多くの渡り鳥の移動時における中継地点となっています。

物部川流域は、全国有数の多雨地帯南四国のほぼ中央に位置し、流域内の年平均降水量は約3,200mm程度に達します。

流域面積(508km2)のうち山地が約9割を占め、平地は38km2に過ぎない典型的な山地河川です。上流から中流域にかけては急峻な山地に囲まれたV字型の渓谷を呈し、下流部においても山間部から急激に開けた扇状地平野を流路が蛇行する中流河川の様相を呈しています。急流河川である物部川は、下流部(直轄管理区間)においても河床勾配が急勾配(約1/290)のまま海に至っているため、感潮域は河口から僅か0.7km程度と非常に短くなっています。

水質は、直轄区間3地点(深淵、戸板島、山田堰)のBOD平均値でみると、2015年が0.6mg/Lと良好な水質を維持しています。



上流域


下流域


物部川源流域は剣山国定公園に指定され、ブナ林やモミ・ツガ林等の天然林が分布し、クマタカ、オオダイガハラサンショウウオや国の特別天然記念物であるニホンカモシカ等が生息しています。

下流域(直轄管理区間)においても多様な生物が確認されており、植物は扇状地特有の礫質な環境に成立する草地や低木植生の構成種が主体で、代表的な植物としてはカワラヨモギ、ツルヨシ、ヤナギ等で、特定種はタコノアシやミゾコウジュ等が確認されています。



ミゾコウジュ


魚類はこれまでに76種が確認され、代表的な魚種はボラ、オイカワ、ウグイ、アユ等で、カマキリやボウズハゼ等の特定種も確認されています。



カマキリ



鳥類は、セイタカシギ、ミサゴ等の特定種が確認され、下流域には鳥類の集団繁殖地と渡り鳥の中継地点があります。河川区域内のヨシ群落はオオヨシキリ、セッカの集団繁殖地、河口部の砂礫地は以前からコアジサシの集団繁殖地、河口部一帯は広い河川空間と多様な環境が存在するため、シギ・チドリ類をはじめとする多くの渡り鳥の移動時における中継地点となっています。


セイタカシギ



江戸時代に土佐藩の家老として、新田開発に尽力した野中兼山が開いた用水路で、 ここで水路が3つに別れています。現在でも地域の農業用水として使われており、川べりには散策路があり、春には満開の桜の下、散歩やハイキングが行われています。



兼山の三又(香南市野市町)









ページの先頭に戻る