水管理・国土保全

  

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小丸川の自然環境

小丸川の自然環境

流域面積474 ㎞2のうち森林面積は420 ㎞2を有し国有林が約3割を占め、その内の半分が天然林の照葉樹林で占められています。その代表的なものとして樫葉照葉樹林、樫葉ブナ林域の自然植生、尾鈴山西麓の照葉樹林等が挙げられます。さらに、貴重な植物群落として、尾鈴山のツツジ科植物群落、大瀬内谷のコウヤマキ林、岩淵大池のオニバス自生地、鬼久保の湿地植生、小丸川河口の塩沼植物群落などが小丸川流域内に点在しています。
 小丸川流域の自然環境は、河川環境の状況より、源流から比木橋付近までの上流域と比木橋付近から小丸川感潮区間までの中流域、感潮区間である下流域の3流域に区分することができます。


小丸川流域区分図と自然公園位置図


小丸川源流

上流域
上流域は、河岸段丘により形成された美郷町(旧南郷町)と木城町の小平野を有し、渡川ダム、松尾ダム、戸崎ダム、石河内ダム、川原ダム等のダム群と、椎尾の滝、祇園滝等の多くの瀑布群を交えながら流下し、河岸は山付きの自然河岸を形成しています。流域の一部が尾鈴県立公園の指定を受け、ツクシアケボノツツジ、ウラジロミツバツツジ、ツクシシャクナゲなどの自生地、ニホンカモシカ、ニホンザルの生息域、シカの生息域、コシジロヤマドリ、クマタカ、ヤマセミ等の生息域が確認されており、豊な自然環境に恵まれています。


瀬と淵


ヤマセミ

中流域
中流域は、比木橋下流から河床勾配は小さくなり、周辺には、段丘の間に沖積作用による平地が広がり、本城町の市街地や田畑が存在します。河道内には瀬・淵と砂礫河原が連続し、竹鳩橋付近の高水敷部には、かっての流路の名残である「河跡湖」が点在し、ミツガシワ科のガガブタ、スイレン科のオグラコオホネ、ヒメコウホネ、ミズギンバイ、ノタヌキモ等の貴重な植物が自生します。この他、流域内の平地には、複数の湿地が点在し、「岩淵池」には県文化財として指定されているオニバスが自生しています。
 河跡湖内には、緩流域を好むドジョウ、メダカ、テナガエビ等の魚介類が採餌地、生息場所、避難場所として利用しています。また、竹鳩橋下流に点在する瀬はアユの産卵場となっています。
 鳥類では、コアジサシやツバメチドリなどが礫河原を、オオヨシキリがツルヨシ群落を営巣地として利用しています。


ミズキンバイ
(国:絶滅危惧Ⅱ類,県:絶滅危惧ⅠA類)


ヒメコウホネ
(国:絶滅危惧Ⅱ類,県:絶滅危惧Ⅱ類)

下流域
下流域は、切原川合流点付近より下流が感潮区間で、周辺には高鍋町の市街地や田畑が広がっており、河口部では、ヨシ群落のほか、ハマボウ、シオクグ、イセウキヤガラなどの塩沼地植生、コアマモなどの海性沈水草植物、アカメ、トビハゼ、モツゴ等の汽水性の魚類やウナギ、ウグイ、オイカワ等の淡水魚も生育・生息しています。


アカメ
(国:絶滅危惧ⅠB類、県:絶滅危惧Ⅱ類)


ハマボウ
(県:準絶滅危惧)



河跡湖

河跡湖とは、川の流れが変わってその一部がせき止められ、池や沼になったものをいいます。そのため、河川の改修などで川の本流では失われてしまった川本来の自然が残されている場合があります。
 小丸川中流域には、この河跡湖が残されていて、多くの生き物のすみ家になっています。竹鳩橋下流付近の河跡湖には、ガガブタ、ノタヌキモなど貴重な植物も確認されています。


河跡湖


ガガブタ
(国:準絶滅危惧、県:絶滅危惧ⅠB類)



河川水質について

河川水質については、本川では高城橋から上流は水質環境基準の河川AA類型に、高城橋から河口までは河川A類型に指定されています。支川宮田川は古港橋から上流が河川A類型に、古港橋から小丸川合流点までが河川B類型に指定されています。BOD75%値は、近年環境基準を満足していますが、洪水後に長期におよぶ濁水現象が発生することがあり、河川環境等への影響が懸念されています。


水質事故訓練


河川愛護意識(水質改善)の啓発に向けた取組




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