上流域は阿蘇外輪山及び中央火口丘を中心として広範囲に亘って阿蘇くじゅう国立公園に指定され、雄大な自然が残されています。火山活動に伴う影響と伐採・採草などの人為的影響を受けて自然林は少なく、ほとんどが草原、植林、二次林で占められています。阿蘇山頂のヤマキリシマ、リンドウ群落、鞍岳のアセビ・ブナ林、根子岳の自然林、阿蘇・端辺原野の山地湿原、阿蘇・波野原の山地草原及び阿蘇・山東草原など特定植物群落が存在します。白川及び黒川の合流点付近には国の天然記念物に指定されている阿蘇北向谷原始林があります。 南郷谷一帯は湧水水源が多く存在し、阿蘇郡南阿蘇村(旧白水村)の白川水源は環境庁指定の名水百選に指定され、清浄な河川水の供給源となっています。また、阿蘇カルデラ内には数多くの温泉があり、重要な観光資源となっています。

中流域は、特に公園等の指定はなく、動植物相も一般に貧弱で、菊陽町の南部でハルゼミが見られる程度です。 下流域には、金峰山県立自然公園に属する立田山自然公園にヤエクチナシ自生地があるが、植林地、耕作地、市街地が多く、自然林は少ない状況です。公園樹林地としては熊本市街地の大甲橋周辺及び上流の緑地があります。