水管理・国土保全

  

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矢部川の自然環境


矢部川上流域

源流から花宗堰までの上流部は、矢部川県立自然公園、筑後川県立自然公園に指定されており、スギ・ヒノキ等植林が分布する急峻な山地となっています。河床は礫・大礫で形成され、河畔林と、瀬・淵が連続する美しい渓流環境を呈し、水際にはツルヨシが繁茂し、水域には、カジカやサワガニ等が生息します。
 上流域では、タカハヤ、オイカワ、ウグイ、ヨシノボリ類等の多様な魚類が見られます。鳥類では水域にカワセミ、コガモ、マガモ、砂礫地にセグロセキレイ、水際の植物にホオジロ、カワラヒワが見られます。



上流部の状況(矢部川37/000付近)




矢部川中流域
花宗堰から瀬高堰までの区間は、急峻な上流部を抜け、花宗堰から扇状地が広がり、緩やかに蛇行しながら流下し、河床は主に礫・砂で河原が形成されています。河道は変化に富むとともに瀬・淵が連続し、瀬はアユ等の貴重な産卵場となっているほか、水際部や砂礫河原は、サギ類やシギ・チドリ類等の鳥類の採餌場となっています。
 南筑橋~船小屋地区はゲンジボタルの発生地(昭和16年指定)として、さらに樹齢300年を超える船小屋地区の中ノ島公園のクスノキ林(昭和49年指定)がそれぞれ国指定の天然記念物に指定されており、多様な河川環境を保全していく必要があります。


ワンドに生息するサギ類


中之島公園のクスノキ林



矢部川下流域

下流部は、感潮区間(約10km)となっており、有明海特有の汽水環境を有するとともに、干拓により広がった田園地帯を緩やかに蛇行し、河口付近では干潟を形成しています。
 有明海流入河川特有のエツ、アリアケシラウオ等の貴重な魚類が確認され、干潟にはムツゴロウ、ワラスボ、アリアケカワゴカイやハラグクレチゴガニ等の有明海の干潟特有の生物が生息し、それらを捕食するサギ類、シギ・チドリ類等の採餌場となっています。さらに、水際にはハマサジやヒロハマツナ、フクド等の貴重な塩生植物も見られます。


干潟とヨシ原


塩生植物の状況




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