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氏 名所 属
朝日 稔 兵庫医科大学 名誉教授

■ご意見の内容

○はじめに(自由意見)
 ・公共事業は金儲けのためにやっているのではないので、非効率でいわゆる無駄があってもしかたがない。B/Cが大きく、事業として儲かるのなら民間資本でやればよい。

○これまでの道路政策に関して
改善すべき点:
 ・日本の道路には、歴史的な事情もあって、ゆとりがないので、中期計画では、もっとゆとりのある道路計画をすべき。効率性にとらわれず、今考えたら無駄と言われるかもしれないが、100年〜200年先を見越した道路政策にすべき。
その理由:
 ・国道43号は10車から6車になったため植栽帯が広くゆとりがあっていい。アメリカやカナダの地方部には、幅数百メートルに及ぶライト・オブ・ウエイ(Right of way)がある。並木や緑がしっかりある道路を造っていくべき。
 ・国際競争力の視点では、中国や韓国と比べた場合、日本としてどういうふうに道路をつくっていくか考えなければならない。中国は用地買収がいらない。日本の道路は効率化、効率化でゆとりがなさ過ぎる。アジアの各国に対抗するには、美しい日本のための道路が必要。造るときになんでもっと余裕をもって造らなかったのかと言われないように。
 ・今後人口が減ってくるだけでなく高齢化もあって、免許保有者数よりも運転者の実数はさらに減少し、車も減ってきて車線数に余裕が出てくると思うが、街路樹を植えて緑地帯として使えばよい。道路は車が走るためだけのものではない。日本の場合、街路樹が少ない。高木もまばらで草がつながっていない。そういうところがゆとりがないということにつながっている。緑のネットワークとしての道路を意識してほしい。

○道路政策全般に対するご意見、ご要望
 ・自転車道について、法律上、自転車は歩道を走ることができないが、狭い歩道でも自転車が走っているのを(行政は)黙認している。今後、自転車が増えてどんどん歩道を走るようになるのは問題。自転車が走ってもよい広い歩道はバイパスといっしょに整備されているが、バイパスを造るようなところには自転車の需要は少なく、自転車はほとんど走っていない。