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氏 名所 属
有馬 義一 敦賀商工会議所 会頭

■ご意見の内容

○これまでの道路政策に関して、特にどのような改善点があるとお考えですか。
 細かな事は色々あるとは思うが、幹線道路については我々商工会議所においても必要だと言っている。地域格差の問題もあり、道路整備は民間が関わって出来る問題でもないので、必要な道路を整備する様に中央でも陳情をしている。その様な基本的な考え方で道路政策を改善してもらいたい。


 我々の一番の問題は、舞鶴若狭自動車道である。平成26年に全線供用をかけるとの事で一応目途は立った。もう用地買収はほぼ終わっている。後は予算を付けてもらい工事を進めるだけだ。平成26年にこだわらず、出来るだけ早く整備をしてもらいたいと思う。やはり嶺南地方・敦賀市にとって、今の状況では一番重要な道路であると思う。嶺南地方・敦賀市は原子力発電所を抱えている土地柄なので、避難路としての位置付もあると思う。また、R27は阪神大震災の時に幹線道路として皆さんが使ったと言う事もあり、舞鶴若狭自動車道が出来れば、関西の人たちは利用すると思う。

 最近良く聞くのは名神高速のリフレッシュ工事渋滞で迷惑した人が、舞鶴若狭自動車道が敦賀まで完成していれば、もっと早く着けたのにと言っていた。また、吹田まで行くのに『北陸道〜名神』か『R27〜舞鶴若狭自動車道〜中国自動車道』のどちらが早いか?と良く聞かれる。舞鶴若狭自動車道の整備は関西からの時間短縮・迂回路という意味では経済的にもものすごく利用出来る道路であり、また必要な道路であると思う。

 平成19年度には国土交通省関係事業で鞠山南と言う港湾が出来、関西との物流経路は是非必要となってくる。まさしくアジアと日本海側が繋がったといえる。やはり道路と港湾は一体となった計画で整備しなければ、簡単には能力を発揮出来る状況にはならないと思う。

 それから近年、釜山・シンガポール・香港・上海などの港はハブ港になってものすごく栄えているが日本はそうはいかない。日本に対抗している外国との競争に勝とうとすると、太平洋側・日本海側に限らず全ての港が一体でハブ港になれる様にしなければならない。全体的に港湾の機能を良くしなければならない。それには日本の港湾をアクセス道路も伴った整備をしなければ競争には勝てないと思う。国際競争力を持った港だけではダメで、港湾へのアクセスが必要であるという点で道路は重要である。その様にしていかないと、中国や韓国には勝てない。そういう意味でも道路のネットワークは大切だ。
 
 北陸自動車道の南条〜木之本間で起こる事故について、道路構造から直せないのかと思う。何度要望しても依然として事故が起こっている。特に冬場に事故が起こっている。トンネルの所はちょっと直したが、やはり事故が起こっていることは事実であるので、構造上の問題を解消していかなければならないと思う。警察と懇談会をもって死亡事故が多い事は道路構造に関連していると訴えた。狭い日本であるので道路を整備する問題と、使う人の問題を一緒に解決することは難しいが、道路整備と道路ユーザーの意見を良く聞いて解消してもらいたいと思う。道路を整備する場合にもその様な事が必要だと思う。道路ユーザーの意見を聞いて使いやすい道路を整備することは大切だし、安全である事は道路にとって重要だと思う。


○今後、道路政策においては、無駄を排するなど効率化を徹底する必要があると思いますが、特にどのような点を重視すべきとお考えですか。
 普段感じることは、維持・補修工事のやり方だ。今も名神高速がリフレッシュ工事をやっていて渋滞している。名神高速ではなかなか空いている時は無いかも知れないが、何かもう少し考えてもらって工事による渋滞を減らすことを考えた方が良いと思う。この間工事をやっていた場所がまた工事をやって渋滞するという事もある。特に我々の住む日本海側は迂回する道路が無いので尚更そう思うのかも知れない。


○道路に関して無駄と感じることはありますか。具体的にお教えください。
 やはり道路整備や整備の方向性についてはみんなの意見を聞いていかなければならないと思う。一体となってやっていかないと『行政(道路)だけで』という事になると無駄が起こると思う。そういった事にコンセンサスが取れて行ければ、用地買収や補修などでも地域は一体的に協力する事となり、加速的な整備が進むことにつながると思う。


○今後取り組む道路政策の一層の重点化を図ることが必要であると思いますが、優先度が高い又は低い課題への対応は何であるとお考えですか?
 道路整備について公共事業と言う点で財源という問題があり大変だと思うが、やはり必要な物は必要だ。最近の格差社会を考えてみても、『地元(地方)はちょっと待っていろ』と言われている様に感じる。

『敦賀3号4号機新設。もんじゅ運転再開。』と原子力発電所がどんどん設置されている状況があるのに、原子力発電所の避難道路としての機能を持った道路の整備が無いのはいかがなものか?道路も並行して整備していくべきではないか?この間も『原子力は整備しろ!』と言うのに『道路は財源が無いからちょっと待て!』などと今の法務大臣が来た時に言っていたが、原子力発電所を整備するのであれば、地元のリスクを解消するために避難道路としての機能をもった道路も整備していかなければならないと思う。来年、世界に一つしかない『もんじゅ』が運転を再開しようとしているのに、避難出来る道路すら整備できていない状態で運転を再開することは福井県としては課題であると思う。それからまだまだ原子力については国民の理解が低いと思う。例えばよその土地から結婚して敦賀に来ると、まず、『天気』の問題を言うが、それ以上に回りの人が言うのは、『ほんとに原子力発電所のある敦賀に行っても大丈夫か?』という事だ。そう言うことを聞くと、敦賀という土地がものすごく遠い土地である様な気がするそうだ。だから、道路が良くなれば、近くなり。敦賀に来てみれば良い土地であることはすぐに理解してもらえると思う。

最近、原発に関するトラブルが色々あったが、全て地域への風評被害となって迷惑をしている。そういった面で、敦賀という土地を理解してもらうためにも道路を整備することによって、より近い存在になる事が必要だ。


○国民の皆様に対し、幅広くご意見を頂くこととしておりますが、特に留意すべき点などがあればお教えください。
 まちづくり・地域づくりについて国土交通省でも全般で言われているが、この敦賀を見た場合、敦賀BPの19工区が間もなく完成する。そうすると敦賀の中心市街地を走り抜けている現道8号は当然県道や市道に移管していく時期が見えてきていると思う。その様な事については早くから何年後には移管するので、それに対応した地域づくりが出来る様に地域に提示してもらいたい。国土交通省でようやく敦賀市内の空間検討会が立ち上げられて、実際何年を目途に私どもはここに住んだらいいのか?などと質問しても全く回答がないし、明示されていない。その辺は地域のグランドデザインの方向性を見い出そうとした時には是非ともバイパス供用に伴う現道の管理移管時期などを地域に示す必要がある。そうすれば、目標をもってまちづくり・地域づくりが出来る。地域のまちづくりは今後100年を見通して行わなければ意味が無いし、道路と連動している事を認識すべきであると思う。だらだらとした検討会をやるだけでは、地域の住民も盛り上がらないと思う。
市街地・観光地へはバイパスからこんな誘導をするなどの計画を当然地域に示すべきだと思う。そういったことが、地域だけでなく港湾などと連動してくるのだろうと思う。まして、平成26年までに舞鶴若狭自動車道が開通する件で我々も動いているのだから、敦賀バイパス19工区の完成で地域の現道8号はどうなるんだという事は当然示すべきだと思う。