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氏 名所 属
江川 雅子 ハーバード・ビジネス・スクール 日本リサーチ・センター長

■ご意見の内容


○ 今後の社会資本やインフラ整備を考える上で重要なのは、「日本で活動する企業に対するサービス 」、「自律的なコミュニティの形成」、「Quality of Lifeの向上」の3点。「多様性」、「柔軟性」、「自律性 」がキーワードになる。

○ グローバリゼーションが進む中で、日本国内、内外への人やモノの流れをスムーズにしていくことが重要。道路や鉄道、港湾がシームレスにつながっていないところがあり、改善する余地がまだまだある。使う人の立場に立てば、分かりやすい表示、案内、統一感のあるデザインの施設が欲しい。また、道路の機能によって管轄が違うと聞いたことがあるが、素人感覚からするとおかしいと思う。うまく連携・調整することにより快適・効率的になり、使いやすく住みやすくなるのではないか。また、地域ごとに産業を活性化してネットワーク化していけば全国的に産業の競争力を高めることができるので、地域としてのまとまりができるような道路を考えていくことも必要ではないか。

○ 今後は、地方分権を進め、各地域の住民と地域に根ざした企業が、主体的に活動して特徴のある政策を実施していく必要がある。そこで自律的にコミュニティを形成していくということが重要。地域の活性化を真剣に考えるのであれば、地域の中の交流をもっと円滑にするようなネットワークを再構築していく必要があるのではないか。

○ 今まで道というと自動車が通る道路が重要視されてきたように思うが、今後成熟社会における公共交通機関や徒歩の意義を考えると、子供、生活者、高齢者が快適に安全に歩くための道、人のための道を考えてみたらどうか。歩道を広げ、街路樹やベンチを配置することや、広場や路地のような道路も考えられる。