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氏 名所 属
鉢村 健 日本銀行 福島支店長

■ご意見の内容

・道路整備は@地方のライフライン確保A地域間格差の是正に不可欠なものであり、国民への周知が必要と思う。そうした観点から、近年の「道路=悪」とのマスコミ論調は如何なものかと思う。

・福島県の経済発展は、明治以降の社会資本整備を背景にして成し遂げられており、東北経済の発展は中通りを貫く自動車道と高速道路の整備が地域を底上げしてきた事実を忘れてはならない。

・社会資本整備にかかる累積的な投資額の大小が地域の経済発展の鍵を握っている。県内で景気回復が一番早いのは常に中通りであること、相双と南会津が常に回復の波に乗り遅れてしまうのも、そうした差を反映している。

・逆説的に言えば、地域格差を解消する上で最も効率的な手段は道路整備であって、要諦はヒト・モノ・カネを効率的に動かすことである。

・財政余力が無くなって来たことを踏まえて公共工事を中止すべきとの議論があるが、幹線道路の維持補修を見送ると現在享受している経済効率性を阻害する恐れがあり逆に無駄が発生する。要はメリハリを付けること。

・少子高齢化の時代の到来は15年以上も前からIMF等国際機関が指摘していたことであり、であればこそ余力のある時代に社会資本整備をすべきと議論をした。90年代以降、国際会議等で幾度も行った議論である。その点から当時の道路行政を「ばら撒き」と批判することは的外れであると思う。

・立派に整備したバイパスは一般道路と区別して料金を徴収しても良いように思う。制限速度も上げることで、物流の効率性も向上するし、嫌なら下を通行すれば良い。

・自治体も国道は所掌外だと言わず、自らも行動すべき。