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氏 名所 属
畠中 智子 高知のまちづくりを考える会 代表

■ご意見の内容

1つの課題だけにとらわれるのではなく、もっと総合的な目線で計画を立てるべき。

道路に限らず全てにいえることだが、行政は1つの課題があったらそれだけに着目して計画をたてているのではないか。たとえば、道路をつくるという観点から渋滞解消という課題があったら渋滞を解消するということだけを考えて計画を立てている。一方では歩行者などの安全性の観点から自転車道を整備するなどのテーマがあるのだから、渋滞を解消できる自転車道を考えた時、どこに自転車道があれば渋滞の解消に役立つのかというように、いくつかの違うテーマに目を向けてより効果的な政策を考えるべきだ。もっと色々な課題を視野に入れて計画をたてれば、人の暮らしを向上させるアイデアがででくるのではないか。そうすれば少ない予算で道路だけに関わらず社会福祉など全体として見て効果的な政策ができるのではないか。例えば行政は会議を開く時も大きくて立派な会場を用意したりしている。そういうところにお金をかけるのではなく、もっと意見を聴いて生かすことにかけるべき。地域ITSの会に参加しているが高知に必要かと思うものが多い。
たとえば駐車場の渋滞案内は県外の人にとっては分からないし、地元の人にとっては必要ない。

交差点の記号化は県外の観光客のためだが、そもそも観光はその地域の独特の文化を楽しもうというものだ。文化の1つである地名をなくしてアルファベットでの表示というのは機械的で文化的ではない。資料で人が集まる空間の魅力向上とあるが、交差点の記号化はそれと反対のことをしているのではないか。
ICタグを持った歩行者がトンネルを歩いたら入り口の情報板に歩行者注意の文字がでるというものがあるが、危険な運転をする人はそんなものを見ないし、人が人を思いやるのに機械にばかり頼るのは違うのではないか。そういうことで看板を増やす一方で電線を地中に埋めて美しい景観づくりをしているのは矛盾している。安全性という1つのフィルタでしかものを見ていないので無駄だと思う。何に重点をおくかや何を優先させるかは人によって違うと思うが、早くできることは早くし、時間をかけるべきことには時間をかける。例えば危ない道路を改修するのに手続きなどで半月かかったりするが、もしかしたらそれはやろうと思えば早くできることかも知れない。できることは早くし、国民の意見を聴くなどじっくりやるところには時間をかけるというようにメリハリをつけることが大切。国民の意見がどういう風に生かされたのかを示すことが大切。

今は意見を言ってもただアンケートの結果をまとめたものを見せられるだけで、自分の意見はデータの構成要素でしかなく、多い意見の中の1つ、少ない意見の中の1つということしか分からない。
みんな意見は持っているのに、言っても何も変わらないと思うから言わない。自分の意見がどう生かされたのかが分かればもっと積極的に意見を言える。
住民参加に手間や時間がかかるのは当たり前で、時間をかけてつくったものこそ協働できるのではないか。資料にも住民や地域の方々との協働とあるが、この協働のあり方について改善が必要。できた道路の柵の手入れや掃除のように無料労働奉仕要員のようなとらえ方はよくない。要望を聞くとかいう参加ではなくて、どうすれば課題をクリアできるだろうという知恵を出し合えるような参加の場が作られなければならない。また、首長や自治会長などの代表だけを集めて参加の場をもうけたと言うのではなく、もっと学校に通う子供を持つ親の意見など地域の幅広い意見を聞く場をもうけるべき。