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氏 名所 属
畠山 正夫 徳島県農業協同組合中央会 会長

■ご意見の内容

・徳島県の高速道路整備の進捗率は日本全国の中でも低い。中でも県南部はその必要性が高い。災害時においても幹線道路が1本しかない問題、また医療面では専門医化が進み県南に十分な医療施設がなく、緊急時に限らず都市部まで通院しているという問題があり、規格の高い道路の必要性は高い。

・農業関係では、近頃話題となっているように中国産の商品の安全性が保たれなくなっている。そうなれば国内需要が増えてくることになり、国内の産地間競争が出てくる。そのとき、道路がなければ物流面において競争に負けることになる。さらに京阪神の台所として産地間競争を勝ち抜き、自給率を上げるためには「安全・安心」で「新鮮」なものを届ける必要があり、そのためには道路の高速ネットワークは欠かせない。徳島県においては新直轄をはじめ、県南への高速ネットワークの早期整備が必要である。

・本四連絡橋は3ルートできたが、通行料金が高いため利用交通量が伸びない。神戸淡路鳴門ルートは京阪神への利用者がいるとはいえ、その実態を見ると淡路島内は一般道を利用するなど本線を使用していない状況であり、環境面においても良くない事態となっている。

・四国にはいろいろな魅力がある。本四架橋という本州からの入口はできている。しかし、四国内のネットワークが進まないから本四架橋の利用率が上がらない。観光にしても自然環境等すばらしいところであるが、高速道路があるところはまでは時間が読めるが、そこから先が時間が読めず予定が立てづらいので敬遠される。8の字ネットワークができて初めて本四架橋の意味が出てくるのである。

・道路が整備されないことにはいろいろな農業施策が考えられないし、農業振興を図っていくにもネックとなっている。他県で農業振興地を視察しても、高速道路から2時間もかかるような場所はない。これからの農業は時間を見ながら出荷を考えなければならないし、海外への出荷も増えてくると思われる。産地と市場、産地と港を結ぶ道路ネットワークは必要。

・電線類地中化は交通安全面からも、景観面からもよい事業である。

・集中的にスピード感をもった道路行政への転換は必要。他分野との積極的な連携も必要である。さらにはいかに住民の意識改革をはかり、真に必要な道路事業を進めるときに行政に協力してもらうようにするかが求められる。