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氏 名所 属
林 伍彦 美濃加茂市教育委員会 教育長

■ご意見の内容

1) 道路は、今まで経済優先の道路政策によりつくられてきたと感ずる。道路は本来、人と人を結ぶもの、人としての生活を結ぶものであり、道ができる事により文化が広がり、人の生活が広がるものと考える。その点で今の道路のあり方はどうか。

2) 41号バイパスや248号パイパスが整備され、従来の美濃加茂中心部に閑古鳥が鳴いて、バイパス沿いに多くの商業施設が立地し、人の動きが変わってしまった。中心市街地が空洞化していくことに不安を感ずる。中心市街地から子供が消えてしまい、高齢者のみになってしまった。町の空洞化を目の当たりにするのは大変つらい。
今までの町が活きる様な道路政策はないのか。道がつくられて物流は良くなったのかもしれないが、街が過疎化、空洞化するだけの道づくりで良いのか。太田の街は生徒数が激減し、バイパス沿いでは生徒数がどんどん増加している。道路政策と街の変化がこのまままで良いのか。

3) 江戸の街道からは学ぶ事が多い。人と人との交流で文化が広がった。今は、この反対で地方からみんな都市に集中するように道路が働いているように感ずる。
社会教育活動で高齢者と話すと、多少の不便は我慢できるが、子供や孫が利便性を追求して田舎から出て行ってしまう事には我慢ができないという声が多い。

4) 大きな道ができると渋滞が減る効果があることは解るが、結局、車が増えていたちごっことなる。
渋滞の不便さはあっても子供の声が聞こえる街が本来の人の生活の場ではないか。

5) 車がなければ生活できない事は解っているが、車と公共交通機関のバランスを取るような道路政策が今求められている。少量の荷物をオンタイムで配達するような物流のニーズに国が動かされすぎではないか。

6) 道路の清掃や植栽の手入れなどは、従来住民がやってきた事だが、今は怖くてできない道となっている。人に愛されなくなった道だ。
昔は道をきれいに大切にする、道普請があった。これの復活が出来る道づくりが必要な時だ。

7) 公共交通機関とバランスをとれる政策をする事が大切。

8) 新しい道路をつくる事も大切だし、建設業界が活気づく事も大切だが、従来の方向で進む事で良いのか。都会の論理を田舎まで持ち込まないようにしたい。

9) 地域を活かす道づくりをするとき。