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氏 名所 属
星 浩 朝日新聞社 編集委員

■ご意見の内容

○ 首都圏の環状道路が完成すれば、相当変わる。昔、ワシントンD.C.に赴任していたが、環状道路が整備されており、その内側は静かであった。環状道路の整備は、遅いくらい。環境に配慮して進めてほしい。海外の都市では、ほとんど整備されているのではないか。
○ 道路政策は、福祉政策の面もある。団塊の世代の高齢化等によリ、最近は運転する高齢者が増えている。高齢者は、カーブで大回りになったり、とっさの反応が遅くなりがちであるので、彼らが運転しやすいことが大切。例えば、アメリカでは片側4車線で、高齢者は、一番外側の車線をゆっくり走ることが可能な構造であった。また、地方部では、路線バスが廃止されるなど、年をとっても運転せざるを得ない事情がある。高齢者に優しい道路が必要。加えて、高齢者は、駐車にも苦労しており、広い駐車場も必要ではないか。
○ 都会に住んでいる人は、地方の公共事業に対して、自分たちの税金が田舎に還元されていると考えている。新聞各紙を見ると、中央紙は、道路整備に反対の論調であり、地方紙は賛成となっている。これは、中央紙の読者人口は圧倒的に都会に集中しており、都会紙であるといえるためだろう。また、中央紙は、車を所有していない都市に住む人の感情に乗っている面もある。
○ 技術を活用した消音効果の高い道路、景観に優れた道路など、運転していて楽しくなるような道路はいい。
○ 無駄だと感じるのは、年度末の工事。
○ 最近、地方へ出張にいったが、そこでの交通量は少なかった。出張先や旅行先でこのような体験をしたときに都会の人は、感覚的に無駄だと感じるのではないか。
○ 道路整備にも格差がある。地方は地価は低く道路整備が進むが、都市部では、用地費が高くなり、なかなか事業は進まないので、渋滞が解消しない。
○ 多くの人の道路整備に対する賛否は、緻密に評価されたものではなく、気分で判断している問題。開かずの踏切、渋滞の解消などが、ヴィジブルな効果となれば、住民は道路の必要性を実感する。いい道路体験が、理解を生む。
○ 鉄道では、特急が遅れると払い戻しがあるが、高速道路は、払い戻しがないと主張する知人もいる。