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氏 名所 属
深井 吉男 (株)オーテックジャパン 取締役
日産自動車(株) 北米コンバージョンダイレクター

■ご意見の内容

・道路サービスの本質については、交通の流れの円滑化と安全の確保で95%を占める感じがする。
・日本と欧米の高速道路を利用して感じることは、日本では本来機能への力の入れ具合がその周辺のウェイトより低いと感じるところ。元々の道路事業や国土の広さ険しさ等の違いがあるけれど、料金を支払う利用者側から見ると、優先順位の高い箇所をまずしっかり整備してほしい。

・利用者側から見れば、渋滞したら価値が下がっているわけだから、料金を下げてほしいと思う。

・道路サービスの向上に関して、VICSが整備されたことは非常に大きな一歩だと思う。渋滞がなくなるわけではないが、これにより選択の情報が与えられたことはすごく大きい。インフラとクルマの全体のコミュニケーションは、無限大の可能性を秘めている。コストを抑えながら、正しい価値を提供してもらいたい。

・日本の道路整備を見ていて、地権者との合意形成のコストが高そうだという気はする。地形や合意形成などの要因から、1km当たりの建設コストがアメリカなどとは比較にならないほど高い、というようなことが徐々に認知されれば、料金や税金に対する利用者の納得性もきっと高まると思う。

・マニフェストではないが、段階的な将来計画を公表していくようなことをすると料金を払う側も何となく理解はできる気がする。

・クルマの業界で国際競争力を言うと、国際法規や道路環境などがグローバルに統一されれば、競争力のあるものを一つ作ればよいということになる。しかし、それが統一されていない現状や日本特有の渋滞問題を考えると、日本専用車の開発投資が必要になる。しかし、莫大であり、利益や株主のみを考えると、日本向けのクルマをつくるのはやめた方が合理的という意見がでてきてもおかしくない状況である。国の交通担当者には、日本特有の基準や渋滞問題が国際競争力を低下させているという意識を持ってもらいたい。

・ユーザー、自動車メーカー、国(道路管理者)などのステークホルダーの関係が永続的にWIN-WIN関係になるようにしていくことが大切。
・経営においては、とかく短期の課題の対応に力が配分されがちになるが、長期・中期の課題への対応とバランスをとっていくことが重要。