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氏 名所 属
藤田 裕一郎 岐阜大学 流域圏科学研究センター 教授

■ご意見の内容

1) 道路全体の関連づけが理解されていない。道路ネットワーク全体を決定したプランが見えにくい。河川と同様、道路も管理者によって説明や説明をする視点自体が分かれていて、実は全体で機能している道路ネットワークと生活や開発の関係が解りにくい。例えばこれら生活や開発が東海環状とどうつながっているのかが地域住民にうまく説明されていない。事業評価に携わるようになってある程度このことが理解できるように感じるが、そうでない地域住民には道路ネットワークの観点から普通の暮らしの道までがつながった意味をもって説得力ある形で説明されていない。例えばETCで渋滞が解消したと言うが次の信号でつまれば同じと言われる事に対して、道路ネットワーク全体で説明する姿勢が必要。地域として物流や人の動きが望ましい姿に導いていく説明が必要。
2) 中期的な国のあるべき姿から、それに必要な物流量を出し、それに必要な道路ネットワークが決められるといった順序に従った調整がされていない。地域の生活を支えるためには地域を支える道が必要との議論がもっとされるべき。
3) 日本の国際物流の裏付けが、実は定時性のある道路だとの意識が薄い。日本のカンバン方式を支えるのも実は日本の道。
4) 冗長性の問題もあるが詰めすぎるとリダンダンシーが無くなる。どうしても東京中心の議論になるが、東京都各地を結ぶ軸には脆弱な部分があり、例えば大阪が被災すると北陸から山陰への物流が途絶えるなど、現在のネットワークには弱いところがある。
5) 滋賀栗東のあたりに向けて第2名神が妙に北上している。東西を結ぶ幹線と考えるとまっすぐ西に行くべきと思う。何故あのようなルート選定になったのか、もちろん理由があるのだろうが説明されていない。
6) 公共事業を進める上で用地の取得が大変問題。相続などがうまくされていない土地など買収が遅れ工事に時間がかかることになる。土地代を供託するなど事業認定より簡単な手法で、全員の印鑑が無くても用地取得ができる手法が必要だ。
7) 道路に社会的な無駄は無いと思うが、良い田がつぶれると悲しい感じを受けることを否めないところはある。
8) 車の性能が向上している。信号や標識などと車の間の連携を情報通信の技術を使って高度化する技術開発が必要。これができれば例えば一斉に信号を通過させるなどして交通容量を増加させることも可能と思う。これは現在の道路の有効活用ができる。
9) 道路の必要性を客観的に分析にプラスする説明が大切