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氏 名所 属
福留 功男 キャスター

■ご意見の内容

○ 日本では、渋滞対策や交通事故対策、分かりやすい標識案内、電線類地中化など国民の目線から見て必要な道路整備がまだまだできていない。目的税である道路特定財源を道路以外に使う議論は整備が終わってから行われるべきであり、一般財源化ありきの中期計画であってはならない。その意味で、昨年末の閣議決定には同意できない。

○ 中央のマスコミは道路財源の一般財源化に向けた世論を先導しているが、はたしてそれで良いのか。地方を取材し、地方住民の声を聞いて、大所高所から議論をすべき。

○ 道路整備が無駄と言われる背景に、談合・天下りや族議員との癒着など道路行政に対し、長年にわたる国民の不信感がある。これを払拭するため、道路行政をガラス張りにし、国民の信頼回復に務めることが必要であり、道路整備にもマニュフェストが必要。中期計画は、整備されるべき道路をしっかりと示すマニュフェストとしての役割を持たなくてはならない。

○ シルクロードの成り立ちは、文明が起こり、文明間の交流が始まったことにある。過疎化・高齢化が進んだので道路が不要になるのではなく、そういった箇所にこそ道路を整備し、人に住んでもらうことが必要。哲学をもって道路整備を行った結果として、アリゾナ砂漠に道路が整備され、ロンドンの電柱が地中化されている。日本でも、単に費用対効果で道路整備の必要性を判断するのではなく、地方部での災害時の避難路確保や高度医療機関へのアクセス時間短縮のための高規格道路整備、羽田空港から都心へのアクセスのあり方や首都高速道路の老朽化対策など、文化・文明に即した哲学を持って道路整備を行うべき。

○ 電気自動車の開発や次世代の路面電車など未来を見据えた道路施策も重要。中期計画の策定に向けたアンケートにおいて掲げられている道路施策は、全て必要な施策であり、優先度を付けるべきものではない。

○ 中期計画を策定する前に、電線類地中化やバリアフリー対策など国民生活に密着した道路整備の必要性について、キャンペーンを行うなど国民に分かりやすく積極的にPRをすべき。