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氏 名所 属
船生 豊 岩手県立大学 副学長

■ご意見の内容

【改善点】
◇道路のコンセプトを変える必要がある(単なる物流から、人・文化・ソフトパワー流通へ)
 ・物や車の移動から人の移動へ考え方を転換
 ・文化、歴史、景観、グリーンツーリズムへの道(人間の感性、人のかかわりをもった道)

◇大都市部と地方部の効果・評価手法のあり方を変えるべき
 ・国土交通省が行っている全国一律の評価手法はおかしい。地方の特性を活かした評価手法を導入するべき(効果の算出にあたり、地域の特性を「項目」に入れるとか)。
 ・地域格差をなくす(岩手県であれば、「沿岸地域」「沿岸から内陸」の幹線が必要)ことに思い切ってお金を使う事が大事。
 ・過疎地域をなくすこと(青森、岩手、秋田は危ない)。

◇道路と道は、人間のかかわり合いが重要
 ・これからの日本は、豊かな感性を持った人間を育てる事が必要。
 ・地方には、人を育てる環境がある。メガロポリス中心主義は、いずれ行きづまる。
 ・『基礎学力+感性』によって『活力』が育つことが、いずれ雇用の創出にもつながっていく。
 ・道路は、自動車のためだけではなく、人が歩く道・自転車が通る道を!(フィンランドが参考になる)
 ・市町村からアイディアを募集し、市町村にお金を落とすこと。
 ・人が歩ける道があることによって、安全感がでる。
 ・以上の事を東北、北海道、九州は積極的に行っていくべき。

◇車と人が接点となる場所を充実させるべき
 ・山奥の道でも「トイレ」「休憩所」「売店」のような人が集まる場所(小さなものでも)が必要。「道の駅」は、すぐれた発想であり、日本の特性を活かしている。「道の駅」を規格化するのではなく、自由な発想を生かした多様化を図るべき。
 
◇基準化・規格化する役人の発想では何もいいものは生まれない
 ・自由な発想をもった意見を聴くことが、地域の特性を活かすことになる

◇市街地は、信号機が多すぎる
 ・ヨーロッパの交差点はロータリー化されている。諸外国のいいところは、日本も参考にしたら良い。

◇道路の建設費が高い
 ・維持にお金を掛けすぎているのではないか。例えば、高速道路でダンプが走っていることが多い。ヨーロッパではあまりみない。
 ・工事のスピードアップをするべき(県の工事を国からも指導できないか)。
 ・イニシャルコストだけではなく、工期を半減する考え方をもつべき。
 ・「コスト」、「品質」、「期間」を兼ね合わせることで、道路整備の効果を充実させることになる。

◇他省庁連携における新しい視点を入れた道路整備(クロスセクショナルなアプローチが必要)
 ・県道・市町村道を含めて、農水省・環境省・総務省と一緒に考えていくべき。そのような取り組みが、新しい発想の道路が生まれることにつながる。

◇計画変更を柔軟にするべき。
 ・本当のニーズ、多様なニーズを聴取すること。
 ・単年度会計でも、年度途中に計画変更できる予算運用をしたほうがいい。
 ・ニーズに対応していないとムダづかいになる。

◇目に見えないインフラ整備も重要
 ・ソフト的な内容でも住民のニーズを聴くことが大事。
 ・幹線(国道)と支線(県道・市町村道)での情報交流が必要。
 ・国道は情報網は充実しているが、国道から離れると、県道・市町村道等は充実していない。地方自治体にはお金がない。
 ・情報通信は、総務省と連携をすることによって効率的な施策となる。場合によっては、総務省のお金を国土交通省が使うことがあっても良い。
 ・光ファイバーは、もっと民間開放を推進し民間からお金を取るようにすべき。

◇21世紀は「環境の時代」
 ・日本の自然景観は美しい。
 ・日本は、諸外国より恵まれているが、グローバルな視点をもって、生かしてほしい。

◇国土のインフラは、国土交通省の役目
 ・他省庁との連携を惜しまないこと(特に、「環境(環境省)」と「情報(総務省)」)。
 ・グローバル的な考えを持ち、長期的な目で見ることで「国土力」につながる。
 ・グローバルな視点で日本を評価することが重要。(別の視点をもつこと)
 ・今後の施策についても積極的に地域住民を参加させて地域の活性化を図っていくべきだ。
 ・どんな小さな道路でも、どんどん補助すること。
 ・インフラの価値として、住民の意見は聴くが全て受け入れるのではなく、コンセプトをまとめる上での意見として積極的に参考にする。

◇シーニック・バイウェイ
 ・面的なひろがりが重要。(休憩場所、サイクリング)
 ・林道の活用(小規模道路)や道の駅の林道版も検討してほしい。