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氏 名所 属
福本 芳夫 香住鶴(株) 代表取締役

■ご意見の内容

○はじめに(自由意見)
・地方部の現状を理解せずに安易に一般財源化するということであれば賛成できない。道路特定財源の一般財源化という話をしている中で、消費税の福祉目的化の話がでていることにも矛盾を感じている。

・道路の必要性を民間企業のように採算だけで判断するのには疑問を感じる。採算だけで判断するやり方は長期的な視野を持って日本国土の均衡ある発展を考えるべき政治の部分が抜けており、これでは加速度的に都会と地方との格差が広がるばかりである。採算以外にも地域活性化対策や災害対策、救急医療対策などのことも考えて整備してもらいたい。


○今後の道路政策において
・これからは、地方の企業も海外と取引する機会が増え商品を送ることが多くなってくる。石油が高騰している中、いかに早く港や空港に輸送することが大事であるか、商売をする上で肌身に感じている。アクセス道路の整備など国際競争力を強化する取り組みを重視してもらいたい。

・働き場所の少ない地方では若い人は両親を残して都会へ働きに出ることが多いが、但馬では高規格道路が未整備で都会から時間がかかるため、なかなか帰省することができない。道路が繋がれば週末に息子や孫が帰ってくることができて、潤いのある生活に繋がる。2時間で京阪神に行けるように北近畿豊岡自動車道などのネットワークを早期に整備してもらいたい。

・北但震災から期間が経ってサイクル的にそろそろ地震が起こる可能性があるのではと思っている。当社のように液体を扱っている会社では地震があれば致命的なダメージを受けるので、災害の中でも地震が特に怖い。豊岡は地盤が弱いだけに地震に強い道路整備をしていってもらいたい。

・公共交通が発達している都会では、自家用車での乗入れを制限して、Co2の排出量を削減する取り組みをしたらどうか。例えば、海外で、曜日で奇数ナンバーと偶数ナンバーを分けて乗入れを制限する事例があり、日本でも実施してみたらどうか。


○国民から幅広く意見を聞くときの留意点は
・都会の人の多くは、日本が先進国の中でも道路整備が進んでいると思っているのではないか。一人あたりの道路延長や時間的距離などについて、世界各国と比較したデータを使って道路の必要性を訴えていけば伝わりやすいと思う。


○道路政策全般に対するご意見、ご要望
・JRが民営化されて採算のとれない路線を縮小していく中で、地方部ではJRに依存した観光振興などのまちづくりはできなくなっており、道路の重要性は今までより高くなっている。

・平成16年の23号台風の時に土砂崩れで道路が通行止めになり豊岡に行けなくなって、防災の必要性を実感した。また、地方では医者不足の問題もあって、母親が子供を産むところがなく小児科のある病院もないところがある。そんなまちなのかと思われると定住人口も減っていく一方で廃れていくばかりである。防災対策や病院とのアクセス強化など安心安全で利便性のある魅力のあるまちづくりのためにも道路は重要である。