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氏 名所 属
藤居 宏一 岩手大学 名誉教授

■ご意見の内容

【改善点】
◇岩手県をみると内陸と沿岸にかなりの格差がある。高速道路ネットワークをみると内陸には東北縦貫自動車道があるが、そこからの肋骨道路が無いためである。岩手県には内陸と沿岸を結ぶ横軸の高規格道路ネットワークが必要である。道路はネットで結ぶことによって、本来の機能を発揮するからである。
◇道路のような社会資本整備の効果を5年〜10年で判断するべきでない。もっと長いスパン(100年〜200年)でその効果をみていく必要がある。
◇岩手県の県土は全国で2番目に広いことから、県内各都市間の距離も長くなり、高速ネットワークの整備が特に必要な地域であると考える。道路整備の実施を費用対効果だけでなく、このような地域特性も考慮していくべきである。
◇中山間部のような高速ネットワーク整備がされていない地域は、農産物の流通手段がなく、時間的に中央(首都圏)の市場に流通させるのに間に合わないので、物流ネットワークが確保されていることが大事である。
◇定時制が確保できる高速道路は物流、観光、生活面でなくてはならないものである。盛岡から平泉を日帰りで観光できるのも高速道路があるからこそである。このような社会資本を将来に残していかなくてはならない。
◇道路特定財源の一般財源化は時期尚早である。国土の流通ネットワーク整備のために使ってほしい。
◇冬季に凍結防止剤を散布することでコンクリート製品が塩害を受けてしまう。対策を講じてほしい。
◇バイパス整備はもっと迂回することを考えてほしい。今整備している盛岡西バイパスももっと郊外まで延ばした方がよい。

【無駄】
◇道路の掘り返しが無駄である。無電柱化と合わせ、共同溝の普及を図ってほしい。
◇歩道幅員が3.5mは広すぎるのでは。メリハリをつけた道路整備を心がけてほしい。

【公共工事】
◇昨今の公共工事の落札金額が大幅に下がっているのは重大な問題であると考える。予定価格相当で落札することがあっても、健全な工事ならばよいのではないか?
◇このまま、工事受注金額が下がり続けると、人件費にしわ寄せがきたり、資材の質の低下を招く。世間で言われている公共工事の無駄を無くしているとは到底思えない。
【その他】
◇古いトンネルには歩道が設置されていない。歩行者はもとより自転車の走行にとって危険である。
◇道路横断するためには、歩道橋よりも地下道の方が人間心理からなのか利用しやすいと思う。地下道の整備を続けてほしい。
◇道の駅にランク付けをすると良いのでは。このような取り組みをすることで、高速道路のSA、PAのように施設等の種別や情報を事前に得ることができれば、効率的に道の駅を利用できる。