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氏 名所 属
福原 輝幸 福井大学大学院 教授

■ご意見の内容

○これまでの道路政策に関して、特にどのような改善点があるとお考えですか?
●道路政策でいちばん欠けているのは、今後新たな道路作りをしていく時に、何らかの形で道路ユーザーに入っていただき、本当にどういう風な道路作りをしていけばいいのかを聞ければ今後の道路作りに役立つと思う。例えばこれが必要かというのをもっとユーザーからの意見が出てくれば、真剣に議論できる。エンドユーザーとの対話が重要である。
●情報提供ということでは、現在除雪費は削減される傾向だが、除雪にはものすごい金がかかるということを、一般の方々にもっと理解してもらえるように仕掛けていかなければならない。自助共助というのはもっと推し進めていく必要があるという気がする。
●一般の方からの道路情報の吸い上げ、発信を密にやっていく必要がある。目的地に達する以前の所で情報がピックアップできる場所がある程度たくさんできればいいと思う。
○今後、道路政策においては、無駄を排するなど効率化を徹底する必要があると思いますが、特にどのような点を重視すべきとお考えですか。
●ひとつ欠けているのは、同じ国土交通省の中でも新技術の発表などがあると思うが、他地域にもそれが知られているか、必ずしもそうではない気がする。他の地域の技術情報を得られる仕組みをつくっていけばいいのでは。それが効率化につながるのではないか。
●凍結防止剤の散布効率をいかに上げるか。人件費もあわせると、年間何百億使われている。いかに散布効率を上げるか、それをやれば人件費が減る。技術開発等を国で音頭を取ってした方がいいと思う。
○今後、取り組む道路政策の一層の重点化を図ることが必要であると思いますが、優先度が高い又は低い課題への対応は何であるとお考えですか?
●キーポイントは自然災害に強い安全安心な道づくりがいちばんの重点化だろう。最近は積雪地域と非積雪地域をダイレクトに結ぶ道路が出来ている。そういう観点が必要。今まで以上に冬装備をしていない車が雪国に行き易くなる。事故が起きやすくなってくる。
●ソフト的な対策は広域な情報ネットワーク。積雪地域と非積雪地域間との情報の共有が、事故を未然に防ぐ手だてになる。
●ハード的な対策は事故が起きやすい場所、凍結が起きやすく雪が解けにくい場所での安全対策を、設計の段階で対策を考慮する。排水性舗装が普及しているが冬季の安全性についてははっきりしていない。
●18年豪雪の教訓を活かさないと、国民に対する信頼が懸念される。何らかの形で18年豪雪の取り組みを全国に展開する。
○国民の皆さまに対し、幅広くご意見を頂くこととしておりますが、特に留意すべき点などがあればお教え下さい。
●施策を公開、周知させることが重要。周知の中には道路ユーザーとの対話も重要。案外と言われてみれば当たり前のことがあんまり分かってないのではないか。貴重な意見も出てくると思うので、有識者だけでなく第三者的立場の人をうまく利用しコーディネートしていただいて、いろいろな意見を吸い上げる。逆に道路管理者としては、これだけしかお金がないんだからなんとか理解してもらう。対話することが重要。