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氏 名所 属
池田 啓 兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 教授・研究部長
(兵庫県立コウノトリの郷公園)

■ご意見の内容

○はじめに(自由意見)
 但馬地域にとって道路は2つの機能を持つ必要がある。一つは、生活道路であり、公共交通が発達していない、またこれからも望めないこの地域では、車が日常生活維持の手段であり、その基盤が必要。二つめは、この地域が水害、雪害を受けやすい地域であり、ライフラインを確保するための道路として、高規格である必要はないが専用道路の確保が急がれる。

○これまでの道路政策に関して
改善すべき点:公共事業予算を都市部に集中させないこと。
その理由:公共交通が発達していない地方においては、車は生活を維持していく上で不可欠の物であり、特に高齢化が進み、地方格差が生じている現状においては道路網の整備と維持管理は命そのものに関わる。
道路に関して無駄と感じること:国、都道府県、市町村による整備が一体的になされていない。同じ規格で作られていても、設置者により法的な措置が異なっている。
その理由:設置者により予算措置が別途となるため、流れがスムーズになってなかったり、時期的にちぐはぐな工事が行われ、交通障害となる。

○今後の道路政策において
重視するべき点:30年後の交通体系を見通した整備の進展
その理由:ガソリンが高価となり、代替エネルギーを何に求めるかによっては、現行の道路規格の見直しが必要となるかも知れない。
優先度が高い課題:地方幹線専用道の整備
その理由:これから先の人口動態、エネルギー、環境配慮を考えたとき、この50年で進んできた都市一極集中のライフスタイルは大きく変更されるだろう。そこで、地域間のネットワークをウエッブ状にネットワークする必要が出てくるだろう。
優先度が低い課題:第2○○のような高速道路。
その理由:30年先を見通したとき、必要とは考えられず、またそのメンテナンスにかかる経費が膨大となり、一時期のアメリカでみられた修理が追いつかない状態となる可能性がある。

○国民から幅広く意見を聞くときの留意点は
政策決定、あるいは裁量権を広く持つものほど、現場近くにいて、日常の声を聞くような制度を設けること。