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氏 名所 属
石沢 進 積雪地域植物研究所 所長

■ご意見の内容


●道路政策全般に関して
・極端な話、ある地域では道路が造られすぎて、環境破壊の元凶となっている。海岸道路の建設や斜面への吹き付けなどで貴重な植物が消えたところもある。
・河川や農業の分野では自然環境調査の蓄積がなされてきているが、道路分野では十分な調査が行われておらず、環境が疎かにされている。
・どうしても必要な道路で、自然環境を改変しなければならない場合にも、調査を行い、実態の記録を残すようにすべきである。調査にかかる費用は道路建設費に比べればごくわずかで済む。もっと環境への配慮を考えていいのではないか。
・観光という面から見れば、景観への配慮も必要である。佐渡では、大きな橋が建設されているが、橋を一気に渡ってしまっては本当の佐渡の良さはわからない。海岸沿いの道をゆっくりまわって初めてよさがわかる。
・道路の緑化という名目で外国の植物の種子、苗を持ち込んでいる。外来種がはびこらないように、基本的にはその土地の植物を用いるべきである。
・最近は国道では見られないが、管理のために除草剤をまいているのが見られる。やりすぎると裸地化し、土砂崩れの危険性が増すほか、繁殖力の強い外来植物の繁茂を助長することになりかねない。
・道路拡張などで、自然環境への配慮をするように役所に訴えかけても、担当が代わるとまた一から話をしないといけない。資料を保存するなど、事業に継続性を持たせることも必要ではないか。

●重点的にやっていくべきこと
・新しい道路建設の時は勿論のこと、既設の道路の周辺環境においても、どこに重要な自然環境が残っているか、調査を行い情報を整理しておき、新設・改築する際に配慮が必要である。

●国民の皆様にご意見をいただく際に、特に留意すべき点
・項目として、自然環境についても聞いたほうがよい。