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氏 名所 属
岩沙 弘道 三井不動産(株) 代表取締役社長

■ご意見の内容

(我が国の国際競争力、経済活力を強化するインフラとしての道路)
・経済人として、グローバル経済への対応に危機感を持っている。経済活力・国際競争力の観点から、人・もの・金・情報を集めるインフラとして、プロフィットセンターである首都圏の3環状、空港(成田、羽田)や港湾とのアクセス道路の整備が重要だと考えている。これらの整備が進まないと、渋滞による物流コスト上昇やCO2の排出増加など経済効率面・環境面でのロスにつながる。世界の主要都市では、環状道路は整備されている。東京のほかに、名古屋、大阪の3大都市圏の環状道路の整備も促進が必要。

・大都市圏の環状道路だけでなく、第2東名・名神といった産業の大動脈の整備も必要。第2東名は東京から御殿場までの区間が重要であるのに、整備が進んでいない。

・渋滞の原因となる都市内の鉄道と道路との交差部分の立体化を進めるべき。

・渋滞箇所を重点的に解消すべき。選択と集中で、効果の高いところから投資していくことが重要。


(都市再生、地域再生の中での道路)
・都市再生、地域再生、環境の観点から、道路の複合的価値を高めるように道路行政を推進すべき。

・首都圏の3環状が完成すれば、都市内の空間に余裕ができる。高速道路の建設で失われた都市河川、湾岸の水辺のうるおいを取り戻し、景観、アメニティに富んだ環境を作るよい機会になる。21世紀の価値に基づく、次世代の都市の魅力あるストックを作るべき。

・道路は、今まで車中心だったが、これからは、安全・安心、季節感、アメニティあふれる、歩行者・自転車を中心とした人々の暮らしを豊かにするインフラに作り変えていくことも必要。シーニックバイウェイもその一つ。こうした観点からの再点検、修繕が必要。

・3環状が整備されると、首都高自体の在り方や密集地に作られた一般道路の環状道路の在り方が問題となってくるだろう。環境、アメニティ、景観に配慮した次世代型の道路整備が必要となるだろう。

・(並木の管理ルールは道路管理者ごとによって違うという話題から)街路については、地域の人の考え方をそんたくすべき。


(道路の運営・メンテナンス)
・PFI的道路整備、証券化スキームの活用、メンテナンスの民間委託など、民間の資金、ノウハウを活用した道路整備、運営、メンテナンスを拡充すべき。そのためには規制緩和が必要になる。ただし、安全面でのルール作りや監督は必要だと思う。


(ETCの活用)
・ETCシステムで電子マネーを利用できるようにし、電車の乗車や買い物をできるようにするなど、ETCシステムをどこでも、だれでも使えるものに進化させるべき。そのためのシステム開発には特定財源を入れてもいいのではないか。これは、ハード整備と同様に重要なことだと思う。