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氏 名所 属
石川 幹子 慶應義塾大学 環境情報学部 教授

■ご意見の内容

・古来、道路には街路樹があり、緑陰を提供し、道しるべとなり、また郷土の文化的景観を形づくってきた。これからの道路は、原点に立ち返り、交通のための道から、21世紀型の「環境と文化の道」へと、変身をしていっていただきたい。

・現在、世界の各国で、20世紀の負の遺産を解消し、新しい社会資本整備を通した都市の再生が活発に行われている。負の遺産としての街路空間を直視し、その改善に向けたプロジェクトを、果敢に立ち上げ、社会に明瞭なメッセージを発信していただきたい。

・首都直下型地震など、災害発生時の道路の役割について、より、緻密な検討を行っていただきたい。

・日常生活圏における道路のあり方について、道路がリーダーシップをとり、さまざまな分野と協働で検討を行っていただきたい。子どもやお年寄りが安心して、歩くことのできる空間の確保は、国民生活の基本である。
 
・電柱類は、優先順位をつけ、なくしていっていただきたい。世界に誇る鎌倉などで、古都の緑と寺院を蜘蛛の巣のような電線の中からしか、見られないことは問題である。