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氏 名所 属
上村 靖司 長岡技術科学大学 機械系 准教授

■ご意見の内容

(1)雪対策費における予算の基金化 
「雪」の様に自然要因で変動するものについては予算が余ったり不足したりする事があると思う。余ったら繰越せる等仕組みをつくればいい。それがお金の節約にもなるのでは。いいサ―ビスを提供する事が重要。柔軟に対応できれば良いと思う。

(2)公共交通を支える「道路網」としての災害時対応
 一例だが雪が降り、関越道が通行止めになったことがある。国道17号が混み、大型車がスリップし道を塞ぎ通行の妨げになり、除雪車も通行できなくなる。国道117号に交通が集中し、十日町市役所に苦情がいった。3本の並行している道路は、各々管理者が違うが、災害時にすら連携が不十分でないかと感じた。高速道路の管理者は高速道路の管理のみを考え、他の影響は考えていないのではないか。「5時間後に高速道路を通行止めにします」等を予告するだけでも準備ができる。ト―タルネットワ―クで管理するために、同じテ―ブルにつくことから始められないか。また、北陸道と関越道の連携など、広域の連携もさらに具体化してはどうか。

(3)サービス水準に関して利用者と管理者が議論できる場づくりを
 一概に日本の道路が無駄とは思わないが、サ―ビスのしすぎと思う場面がある。雪が多いと事故件数は増えるが、死亡事故は減る。安全・安心も大事だが危険性を認識し各ユーザの意識が高まることが、結果として安全をもたらす。 ユーザに危機意識を持ってもらうための一つのアイデアを提案した。「雪崩キケン」という標識がある。1年中出ている。それは斜面の状況を反映した潜在的危険度を意味していて、「3日で大量の新雪が降ったから雪崩危険度が高まっている」という現状の危険度を表すものではない。例えば、「危険だから道路を閉鎖する」というような、1か0かの2値の情報提供でなく、「どの程度危険」という降水確率のような、危険度表示システムがあっても良いように思う。それを見て「ユーザの責任でユーザが判断する」という意識改革を誘導する行政施策が求められているように思う。

(4)非常時の代替道路確保の観点からのリダンダンシーの見直しを
 中越地震の時、震源地である川口町では全部(JR、高速道路、国道)やられた。ネットワ―クで考え、ここが被災しても、ここがあるという事を考え、優先順位が高い箇所を作ることが必要。山古志を貫く291号線は291号線としての交通確保だけでなく、17号線の代替道路としての価値も正当に評価すべき。

(5)歩行者へのサービス優先への転換
 これからは歩行者にスポットを当てた方がいい。幹線道路を利用して物資を運搬するのも重要だが、人の動き、歩行者にスポットをあてたらどうか。公共の原点を「歩くまちづくり」にかえり、考えたらどうか。(最近完成した長岡国道事務所管内の横断地下道を例に取り)そういう場もでき、自分達も参加したのだから、地下道を大事に使おうという気持ちになる。