閉じる
氏 名所 属
漢 二美 (社)大分県タクシー協会 会長

■ご意見の内容

<道路政策の優先度について>
大分市の円滑な交通を支える生活道路の整備が非常に重要である。大分市では環状道路ができておらず、街中の開発を行ったとしても郊外から街中への交通がうまく流れない構造になっている。国道10号も古国府から北へは幹線道路が通っていない。また、大分駅南から南へ延びる道路も上野周辺で止まってしまっており、道路ネットワークの形になっていない。
また大分市では、市街地を通過する交通が中心部を通らざるを得ない構造になっており、この点も大分市街地の渋滞や交通安全上の問題を生じさせている。6車線の道路も少ない。通過交通を郊外で通過させるバイパスのような道路の整備が必要である。

街中では、歩行者や自転車が安全に通行できる環境をつくることが重要である。大分駅前では、4車線の幹線道路である国道10号が通っており、非常に交通量が多い。このため、国道10号で地域が分断されたようになっており、街中を歩く歩行者や自転車などの往来がうまくできない構造になっている。大分駅前については国道10号を地下化するなどの方法があるのではないか。地球温暖化の観点からも自転車利用の促進が叫ばれているが、現在のような歩道ではとても安全に走れるような状況ではなく、安全に通行できる環境を整備してほしい。駅前の6車線の中央通りも、歩行者天国にしてもいいと思う。

大分は陸の孤島である。福岡方面からはようやく高速道路ができたが、宮崎方面、熊本方面へは高速ネットワークができていない。東九州道や中九州横断道路などは大分にとって必要な道路である。
これからの観光は一カ所のみで終わると言うことではなくて周遊観光であり、海外からの観光客も「九州は一つ」という考え方で受け入れることになる。このためにも九州内を周遊できる縦貫道路・横断道路が不可欠である。本州と四国を結ぶ橋が3本もできるようであれば、1本は九州と結ぶべきである。

都市間の移動も重要である。山の中や谷の奥までとは言わないが、大分市から県内の各市へ1時間程度で到達できるようにすることが必要である。


<道路政策の効率化について重視すべき点>
談合をなくすよう、契約制度そのものを変える必要がある。

中小建設会社にも技術力を持っているところがあり、そのような実際の建設を請け負っている業者に仕事を任せ、中小建設会社の育成を図るべきである。たくさんの部品が必要な自動車産業でも、それぞれの会社がそれぞれの得意分野を持って役割分担を行っており、建設業でもそのような得意分野別に分業ができるのではないか。

個人消費が増えなければ経済の活力は出てこない。その点を考えれば、建設業でも末端の労働者に適正な賃金が支払われ、一人一人がきちんとした生活を送れるようになることが重要である。

<道路特定財源について>
道路特定財源は目的税であり、それを一般財源化するというのは不届き千万である。もし道路整備に使えない余りが出るのであれば、道路特定財源制度を廃止して税金を下げるべきである。納税者としてはこの高い税金を我慢して払っているのであり、「既に徴収しているから問題ない」ということでは決してない。
自車両を持たない東京在住者は、あまり税金を取られていないから一般財源化すべきと言っているのではないか。都市部で「ふるさと納税に反対する」というのであれば、その主張は地方部の「一般財源化反対」と同じである。

<その他>
街中の渋滞に関しては駐車場も考える必要がある。デパートなどの駐車場については台数だけではなく、その駐車場までどうやって到達するかという道路の問題もきちんと検討する必要がある。駐車場入り口での待ち行列は大きな問題である。

大分駅の高架化事業に合わせた駅前開発については、この大きなスペースを活用したバス停の集約化を考える必要がある。また、タクシーの客待ち駐車場についても鉄道高架下の空間を利用するなどして、できるだけ駅前の目立つところに客待ちタクシーが並ばないようにすべきだと思う。このような方法で、歩行者の空間を増やすようなことを考えるべきである。