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氏 名所 属
河名 俊男 琉球大学 教育学部 教授

■ご意見の内容

1.重点化を進める上で、特に優先度の高い政策
○電線類の地中化については、都市部以外の郊外でも、台風などの強風による電線の倒壊や長時間の停電など、地域住民の生活に係わる観点から、郊外でも電線類の地中化は必要と思われる。
○渋滞については、公共施設などが集中している那覇市およびその周辺地域でとくに渋滞が発生している。移転に係わる経費の問題は大きな問題であるが、その解決策に一定の見通しができれば、公共施設をある程度分散することで渋滞緩和に繋がると思われる。
○沖縄都市モノレールについては、モノレールと公共機関(バス)の連携がさらに必要である。
○急崖の直上で急崖に接している道路については、地すべりなどによる急崖の崩壊時には道路が破損する。以上から防災の視点からも、できれば急崖の直上には道路を建設せず、道路と急崖の間に緩衝帯(植栽帯など)を設けることなどで、道路への被害を軽減した方が良いと思われる。
○集中豪雨による被害は、地域住民のみならず、道路への土砂の堆積や冠水なども懸念されるので、防災対策の一環として地域のハザードマップをさらに充実させ、また、地域住民への説明会などを開催して、常日頃から防災に対する意識を高める必要がある。

2.その他、道路政策や道路の整備・管理全般に関するご意見
○道路照明については、都市部以外では道路照明が少なく、防犯上問題であり、安全面からも街灯の設置が望まれる。
○沖縄自動車道について、休日やイベント時には名護の許田ICが渋滞している時間帯がある。ICゲートを増設することなどで、渋滞の緩和が一定程度出来るのではないかと思われる。
○本件に係わる沖縄総合事務局の資料『沖縄地方の課題と道路政策の方向性』には、「地域振興の障害となっている米軍基地」および「米軍基地による地域分断」の問題点が指摘されている。その課題に係わる当面の解決策の一環として、今後さらに基地内に道路を通すことが望まれる。そのことによって、地域の分断が少しでも解消されることが期待され、また交通の渋滞緩和にも繋がると考えられる。
○最近のアメリカで起きた橋の崩壊は、道路の利用に係わる深刻な問題を提起している。沖縄でも、橋の維持管理は今後さらに望まれる。