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氏 名所 属
北村 真夕美 (株)青森経営研究所 代表取締役社長

■ご意見の内容

◆今後の道路政策における効率化のポイント
・軽々な効率化やコストの削減は反対です。現地・現場で見極めた安全対策にコストを充分かけ、「質の高い」しっかりした次の時代にも日本を支え、基盤として遺る基本的交通ネットワークを今、優先して完成させておくことが必要と考えます。まず、拠点都市間を結ぶことです。と同時に今ある高規格道路の有効活用をはかって、地域と共存共栄するという視点や、地域の実情にあった道路整備・管理をする観点から、地域の住民やそこで働く女性たちの声も反映した施策をお願いしたい。

◆今後の取り組む道路政策の優先度
・拠点都市間の連携を完成させる
  北から南へ細長い形状を持つ日本。道が拓かれ、道で拓けてきた国の道づくりは「国づくりの礎」と考える。(特に人口30万人以上の都市である青森市と八戸市が連結されていないのは問題)
・現地・現場主義の安全対策、安全管理の徹底
  自然災害の多い日本。地震や津波、洪水、渇水、土砂崩れ、加えて「雪氷害」。又、老朽化しているトンネルや橋の地域の実情、現地・現場で見極めた安全対策や、その技術の一層の研究開発、人材育成を望む

◆その他
1.道路政策に関する改善点
・これまでの道路整備は、「いつ」「どこで」「どのように決められて」進められていたのか、国民からはよくわからなかったと思います。結果として青森県の現状は、なくてはならない、「是非とも必要な道路」が「いまだ繋がれておらず」、県民は不便を強いられ、県全体で捉えても大きな損失を受けていると言えます。国土の均衡ある発展は日本繁栄の要です。モノづくり産業や農林水産業、エネルギー産業や観光産業の大方を担う日本の各地方に於いて、人やモノが自由闊達に流れるよう、自由自在な移動を実現させていただきたい。地方に生きる人々に「アキラメ」を充満させてはならないと思います。「日本の地方を荒廃させぬため」に、とり残された「途切れた高速道路」の連結は重要です。これまでの道路整備のすすめられ方に問題があったからこそ、(必要なところに作られなかった)”道路づくりはムダ”の都市での声につながってしまったのではないかと考えます。

2.道路に関して感じる無駄
・青森県で暮らしている立場で、「道路のムダは全くなく」、むしろ「必要」が満たされていないことを強く感じている。他県、例えば新潟県などは、高速道路のネットワーク完成度は高く、ルートも多様で、東北などと比べて、格差が大きく驚いた経験を持つが、そのようなムダについて論ずるべきではないかと考えます。

3.幅広く意見を聞く上での留意点
・これまでは「特定の専門家」の意見が採用されることの多かった道路行政であるが、道路を頼りに生きているのは、意見を述べている便利な地域に住む専門家ではなく、移動距離平均32.6キロ(東北)という、「一人一台の車両を持たなくては生きていけない」、働けない、不便な地域に住む人々である。地域に根を張って暮らす人々、働く人々、特に「地方で働く女性」の意見をもっと集めていただきたい。特定の専門家には、日本の国づくり、繁栄のための観点から、「交通ネットワークはどうあるべきか」を導いていただきたい。

4.その他意見
・日本の国づくりの要・繁栄の礎、という観点で道路政策をすすめていただきたい。中国には「路通財通」という言葉があり、道路整備が急速にすすめられていると聞きます。誰も彼もが、便利で暖かな都市部へ住んでしまったら「日本は成り立たない」わけですから、「日本の道の姿」を百年の計で創り上げていっていただきたい。