閉じる
氏 名所 属
小櫻 義明 静岡大学 人文学部経済学科 教授

■ご意見の内容

○道路を整備することが目的でなく、整備後にどの様に利活用するかが重要である。

○今後、道路施策の効率化を図るためには、単にハード整備だけを行うのではなく、整備後の利活用方策について、市民自ら真剣に考えていく必要がある。そのためには、整備後に道路をどの様に活用していくかを真剣に考えている地域に予算を投資し、整備の途中段階においても利用状況を評価しながら整備を行うという環境づくりが必要である。

○これからは郊外都市をネットワークさせた多極ネットワーク型の地域づくりを目指すべきであり、その中核となるのが道路整備である。

○これまでの政策は、何か問題が発生した時点でそれらを解決してきたため、無駄な行政コストが必要であった。しかし、今後更なる行政の効率化が求められるなかでは、都市の成長を管理していく視点が重要であり、そのためには都市の目標を明確化し、それに応じたインフラ整備を推進していくべきである。

○静岡県は、東西の都市をネットワークする基幹的な道路整備は概ね完了している。今後は21世紀のライフススタイルである二地域居住などを支援していくために、南北軸のネットワークを形成していくことが大切である。

○南北軸のネットワークは、都市や農村など、両者の豊かさを享受できるライフスタイルを実現していくことが目的である。このため、道路を単なる移動空間して捉えず、都市から農村までの風景を楽しみながら、ゆったりと移動できる環境づくりを行うことが大切である。

○合併などで都市の成り立ちが変化していくなかで、合併した各々の都市が単一の様相をなすのではなく、より地域を活性化していくためには、各々の都市が都市全体の中での役割を明確にし、特徴のある町を形成していくことが大切である。道路整備も同様であり、その地域の価値や個性を活かすことができる整備を行うことが大切である。