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氏 名所 属
近藤 光男 徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 教授

■ご意見の内容

○H11センサスをベースに徳島都市圏の交通に関する分析を行なっている。環状道路の整備と、自動車から自転車や公共交通機関へ転換した場合にインセンティブを与える経済政策の効果について検討している。その結果によると、道路整備と政策を組み合わせて実施することにより相乗効果が期待できることが明らかとなってきている。

○地方の渋滞は、東京の渋滞に比べたら、軽微ではないかと思う。そういった渋滞の場合に、自動車利用から歩行や自転車、公共交通機関利用へ転換することにより、劇的に渋滞を解消することができる可能性があると思われる。そのためには、楽しく快適に移動できる歩道や自転車道などが必要である。また、交通安全協議会で現地調査を実施するが、自転車に乗った高齢者が危険である。マナーの問題かもしれないが、自転車に関しては、安全性も大きな課題である。したがって、自転車の位置づけを明確にし、それに相応しい自転車道などのハードを整備することにより、快適性や安全性が向上し、渋滞解消にもつながると考える。

○県南の高速ネットワークについて。人口減少の著しい地域であるため、B/Cのような全国一律の指標では、評価できない。当該地域は、豪雨災害や東南海・南海地震の地震・津波災害などのリスクが存在する地域であるにも拘わらず、生活の全てを国道55号1本に依存している状況にある。このようなリスクを適切に評価した上で、道路整備ができる方法も考えるべきである。

○医療福祉、社会資本、防衛、外交などの中で、どういったバランスで投資すべきかについて十分な議論がなされていない。道路への投資は、その他の社会資本整備とのバランスに留意する必要がある。