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氏 名所 属
古池 弘隆 宇都宮共和大学 シティライフ学部 教授

■ご意見の内容

・限られた予算で効率的かつ効果的に道路整備を行うには、短期的・局所的ではなく、長期的・広域的な視野に立ったアセット・マネージメントにもとづいた道路の建設および維持管理が必要である。
・超高齢社会の進行に伴い、自動車を運転できなくなる交通弱者に対するモビリティの確保がますます必要となってくる。
・歩道における自転車と歩行者との事故が急増しているので、自歩道の廃止に向けて自転車専用レーンなど自転車の走行空間を確保することが必須かつ緊急の課題である。
・安全かつ円滑な道路交通政策を推進するためには、交通管理者と道路管理者の連携が欠かせない。
・CO2の2割以上が車からの排出であり、地球環境問題の緩和のために、自動車交通のうち代替可能なものを他の替交通手段(公共交通や自転車など)に転換させることが重要である。
・温暖化対策の一環として、また高齢社会に対応するため、今後はコンパクトシティ化やTOD(公共交通指向型開発)など都市構造自体の再編が必要となってくる。
・渋滞対策には、交通容量増加のための更なる道路建設だけではなく、代替交通手段、TDM、モビリティ・マネージメントなど、多様な対策が求められる。そのためにも、道路特定財源を見直し、自動車のための道路建設から、人の移動のための公共交通の整備へと配分方針の拡張を図るべきである。
・過疎地や中山間部などの道路整備も重要であり、そのためには、シビルミニマムの視点と道路財源の効果的な配分という両方の観点に立った整備方針の調整が必要であろう。
・道州制や広域連携など、今後は隣接県との連携が重要であり、県内だけでなく、隣接県も含めた広域的なネットワークの確保が防災の観点からも必要である。
・地域に根付いた道づくりを進めるためには、道路の清掃や美化に民間や住民の協力を取り入れることが必要である。
・交通安全の推進のために、自動車および自転車の利用者に対して遵法精神や他者に対する思いやり精神の高揚が重要となる。
・長距離の物流に対し温暖化対策としてのモーダルシェアを推進するためには、道路と鉄道の連携が必要であり、そのための結節点の整備を積極的に進めるべきである。
・効率的な物流を確保するために、トラックを対象にしたスマートICがあってもよいのではないか。