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氏 名所 属
久保田 宏 名寄市立大学 学長

■ご意見の内容

○道路政策の改善点

 道路は、病院と地域住民及び地域の診療所を結ぶ廊下のように必要なものであり、道路は医療の一部という認識が必要。北海道のような広域分散型の社会では、道路によって医療格差が生まれており、その解決には道路の整備が最重要であると考えています。また、道路施策では費用対効果と言われるが、医療の充実、保健福祉が充実したことを効果として評価に入れるべきと思います。

○重点化すべき道路政策

 名寄市立総合病院はセンター病院として士別市から稚内市までカバーし地域医療に貢献しているが、外来患者さんが年間25万人〜30万人おり、その内4割以上が名寄市以外の患者さんであることから見ても、名寄から稚内まで高規格道路が必要です。しかし、財政が困難な状況であれば、高い道路はいらない、現道を生かして幅を広げ、中央分離帯を設け、曲線は真っ直ぐにして安全性を高め速く走れる道路を早く造ることが大事です。

○道路施策に対する自由意見

 救急医療の実態としては、脳卒中の患者さんや心筋梗塞の患者さんが発症して2時間以内であれば8割の人命が助かるのですが、道北のような広域では、例えば稚内からでは4時間以上かかります。冬場は更に路面凍結等もあってさらに時間がかかる。救急医療は早く病院に搬送されるほど助かり方が違ってきます。脳卒中であれば、早い処置が出来れば手足の麻痺が残らずに退院できるが、遅れれば遅れるほど四肢の麻痺が残ると言う差が出てきます。昔は、鉄道が道北各地をつないでいたが、今は宗谷本線1本となって、札幌や旭川より車社会となっています。この現状を見れば、救急医療と道路の関係が密接不可分であり、救命救急医療のために道路が必要と考えています。