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氏 名所 属
松本 幸正 名城大学 理工学部 教授

■ご意見の内容

○道路維持管理レベル
 道路を高いレベルで維持管理することの重要性について認識がうすいと思われる。国道は比較的高いレベルで維持管理されている。県市に比べ維持管理費がより厚く充当されているため高いレベルが維持できている。しかしながら、一般的な認識としては道路の維持管理は当たり前の感覚になっており、そのコスト感覚がないのが現状である。

○歩道整備
 郊外では歩道整備が十分ではない。たとえばトンネル内に歩道がないことも多い。道路は歩いて移動できる機能もある。

○整備優先順位
 顧客満足度が高まるように道路整備の優先順位を決めることは大切だと思うが、高い視野からのビジョンを前提とした優先順位の考え方も重要である。利用者は利用している範囲の情報をもとに判断をするが、全体を見渡した上でネットワーク全体を考える視点が必要である。

○過疎地域の道路整備
 過疎地域では命の道路として整備が必要だと思うが、一方で、人口減少していく中で道路を維持していけるかどうかという課題がある。
 欧米ではウィークディは都市部で過ごし、休日は郊外で余暇を過ごすというライフスタイルが確立されている。そのため都市部と郊外を結ぶ道路として重要な役割を果たしている。
 バスを通せば過疎地域の生活の足は当面守られるが、30年後も過疎地域のインフラを維持できているかが課題。

○環境面からの道路のあり方
 道路のあり方について環境面からの視点がさらに重要になる。国道302号は道路環境整備がすすんでいると思う。道路によって緑や憩いの空間を生み出すという視点も重要である。

○土木技術者の意識向上
 橋梁設計などで建築のようにコンペを実施することはできないか。デザイン面でも質が高く地域の資産として後世に受け継がれていくようなインフラを整備していく必要がある。
 土木技術者の創造性を活性化することができる。