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氏 名所 属
宮田 秀明 東京大学大学院 工学研究科 教授

■ご意見の内容

・輸送・交通というのは流れであるので、きれいに流れるということが道路サービスにおける一番大きなサービスである。
 まずはちゃんと流れること、そして安全の確保、その次は、楽しみ。これからの道路の経営はそのように(そのようなプライオリティで)進めていくべき。今まではつくれば良いという発想でやってきたが、よく考えてみれば一種のサービス業であり、お客様が困っている(ところを改める)という視点から進めるべき。

・サービスとは要するに価値の提供であり、料金はサービスへ対価として払われるべきもの。建設費から決まっている価格(通行料)がお客の価値に見合うかどうかはわからない。お客と真のWIN-WIN関係が成り立つような価格、もっと言えばそのための経営システムが必要である。

・サービス業はGNPの70%を占めるため、その分野の生産性向上は21世紀の先進国の大きなテーマである。交通・輸送は大きなサービスの機会であるため、(生産性向上について)環境問題にしっかり配慮しながら深めていくべきである。難しいテーマであるがチャレンジし、12兆円を減らさないと、結局国際競争に負けたりする恐れがある。

・渋滞したら、すなわちお客に価値を提供できなかったら、返金することも今の技術で可能である。返金の仕組みを整備すれば、どこを見直せば収入増につながるかと必死に考えざるを得なくなる。

・自分達が行ってきた(あるいは同種の事業が行ってきた)経営判断について、過去を解析し、それを反省して時間軸を先まで延ばして予測するべきである。しかし、あまりにも先を予測すると外れてしまうため、早めにフィードバックする必要がある。道路サービスでも早くフィードバックして、サービスを提供するサイクルの時間軸を短くする努力が重要である。用地買収など時間軸が長くなってしまうものもあるが、もっと短くできるものもあるはずである。