閉じる
氏 名所 属
溝上 章志 熊本大学 工学部 教授

■ご意見の内容

@道路政策について
  ○道路政策は交通政策の中のひとつとして捉えるべきである。道路の果たす役割はあくまでも交通問題の解決策の一つであり、目的ではなく手段、道具として考えるべきである。運輸部門全体を対象に交通問題の解決に向けた人材、資金の使い方を示す施策が望まれる。縦割り行政の弊害を無くすことが必要である。

A道路特定財源について
  ○道路を造る目的である以上、説明責任の果たされないまま他への流用はよくない。他の目的に利用するならば、国民に問い直したうえで新たに必要な財源を確保すべきである。
  
Bその他
  ○一般道路でも外国の都市間道路のように沿道利用を制限した道路があって良いと思う。(イメージは地域高規格道路と一般道の中間のイメージ)たとえば、イギリスやイタリアには時速60マイル(約90km/h)で走行できる一般道が多くあるが、日本では60km/h程度である。高速(自専)ばかりが足りないと言われているが、都市間をつなぐサブ道路として高速道路よりワンランク下の乗り入れ規制のない一般道路を考えてもよいのではないか。
  ○近頃は大学でも人的信頼ネットワークやソーシャルキャピタル(社会関係資本)等の議論が盛んであり、これらの育成が重要となってきている。ボランティアサポートプログラム(VSP)や走りやすさマップ等の取り組みは良いことだし、今後とも重要と思うが、住民の道路に対する愛着心が定着、定常化していないのが問題で、地域づくりや街づくりなどへ発展する契機となり、これらと連携を深めていく施策展開が必要と思う。そのためには地域ネットワークをサポートする体制づくりが大事である。